リノベーションにおける「視点」の見つけ方
同じものを見ても、人によって、見方によって全然見え方が違う。
リノベーションの仕事をしていてよく感じることです。
「〇〇区」という場所について、ある人は「治安悪そうだし絶対住みたくない」という方もいらっしゃれば、「通勤に便利だし、最高!」という方もいらっしゃいます。
コンクリートむき出しの天井を見て「汚らしいから嫌だ」という方もいらっしゃれば、「荒々しくてオシャレ」という方もいらっしゃいます。
そうした意見をヒントに、暮らしのコンセプトを固めていく訳ですが、なかなかこれが難しい。
押し付けるのもよくないし、御用聞きになってしまうのもよくない。
ここの見極め方というかコンセプトを見出すセンスがとても求められるので悪戦苦闘しています。
ということで、コンセプトメイキングのヒントになればと思い、これを買いました。
クリエイティブディレクターの佐藤可士和さん。なんとなくこの広告良いなという裏には佐藤可士和さんがいることが多く、昔からとても気になる存在でした。この本には、佐藤可士和さんの思考のベースが紹介されています。
それがこちら。
「課題」→「コンセプト」→「ソリューション」
トテモシンプル。
オフィスもシンプルなら思考もシンプル。
具体的な説明がこちら。
「課題」とは、問題を解決するための取り組みやテーマのこと「コンセプト」とは、考え方の方向性のこと「ソリューション」とは、具体的に課題を解決するアイデアと実行プラン
最も大事なポイントは、「課題」→「コンセプト」→「ソリューション」の順番を間違えないこと。それぞれを切り離して考えるのではなく、全体をデザインの対象として取り組むこと。
長く仕事に浸かっていると知らず知らずのうちに「リノベーションで解決できることは何か」という思考になってしまいます。もちろん最終的にはそうかもしれませんが、「課題」を深く認識する前にこうなっていることがある。
よくない。
これに気づかせてもらえただけで、842円は十分元がとれました。
佐藤可士和さんはデザインで解決。
僕は不動産選び×リノベーション×テクノロジーで解決。
ソリューションは違えど、前2つは一緒。
「家賃がもったいない」
「収納に困っている」
「住環境がよくない」
こういった口に出ている悩みから深く掘り下げていって本当の「課題」を抽出する。
課題を解決するためのコンセプトとして、例えば「かしこく、自分らしい暮らし」という方向性を決める。
その解決策として、リノベーションを中心としたアイデアを提供し、実行プランを立てていく。
今までなんとなく行っていたことがこの本を読んだおかげでうまく言語化できた気がします。
「課題」→「コンセプト」→「ソリューション」
順番大事。
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