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【#3】自分たちの軸:リサーチの前提として


前回の最後に

自信を持ち、柔軟に変えるには、「自分たちは、何をするための集まりなのか?」「自分たちは、どのような世界を理想と見ているのか?」という軸が必要となります、と書きました。

今回は、この「軸」の話です。

自分たちの軸として

考えられるのは、「パーパス」「ミッション」「ヴィジョン」「ヴァリュー」などの要素です。

パーパスとは、「なぜ存在するのか」です。自分たちの目的や意義を明確にします。

ヴィジョンは、「そのためにどのような姿でありたいのか」です。理想的な状態を描きます。

ミッションは、「そのために何を実行すべきか」です。具体的な行動や取り組むべき事項を明確にします。

ヴァリューは、「そのためにどのような価値観や行動指針を持つべきか」です。大切にする価値観や原則を明確にします。

これらの要素は互いに関連し、ビルドアップやブレイクダウンの関係にあります。ですから、どれを軸に考えても構いません。

重要なのは

これらの軸を揺るがせない基盤とし、自分たちはマーケティング・プロセスの各フェーズの問いに回答できるか、次のフェーズに進むか/前のフェーズに戻るかを決定することです。

これらの軸がしっかりとしており、組織のメンバーが意思決定や行動においてこれらを最重要視しているならば、「答えられるまで調べて理解する」「意思を持って決める」ことができます。

逆にこの軸がしっかりしていない/共有できていないと、場当たり的な判断/属人的な判断/短期視点での判断になり、フェアな判断ができません。

よって、組織に関わる全ての成員が、軸について理解し、腹落ちしていることが、最大の重要事になります。

リサーチは唯一の解決策ではない

これらの軸は、もちろん、「リサーチを行うべきか?」という判断にも役立ちます。

リサーチは、マーケティングの課題が発生したときに行う手段ですが、あくまで解決策の1つに過ぎません。

わからないことが生じた場合でも、次に進む際にはリサーチに頼る必要はありません。

パーパスなどにしたがって決める、組織の代表者が決める、決裁権を持つ人々が決める、前例に従って決める、責任を持つ部署の代表が決める、第3者機関に決めてもらうなど、リサーチ結果に基づかなくても、さまざまな方法で決定できます。

リサーチが登場する時

そんな中で、リサーチという手段は、「私たちが積極的に顧客・市場・社会などを理解し、生活者の視点を重視し、より良い価値やアイデアを生み出したい」と思った時に活用されます。

このような意図を持っている場合は、試行錯誤やステップを踏むことが当然となりますし、適切に進めれば自信を持つこともできます。

また、特定のフェーズではリサーチを行わないという判断もできます。全ての段階で必ずしもリサーチを行わなくても問題ありません。

繰り返しになりますが、「このフェーズの問いに対して、自分たちは、今、誰かに聞かれても、自分たちとして意思を持った回答は言える」という状態であれば、次のフェーズに進むのが良いということです。

では、次回からは、それぞれのフェーズと問いについて、詳しく見ていきましょう。

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