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私的、投資初心者が読むと良さげな本10選


実践しながら学ぶのが一番はやいものの…

 昨今、新NISAが始まったことにより、パンピーの投資に対する意識が変化している影響なのか、私の創作スタイルに何ら変化はないものの、お金関連の記事を軸にビューが伸びている印象がある。

 私は当時20歳で旧NISAが開設できるようになったのを機に、資産運用を試行錯誤しながら初めたため、20代という年齢の割に、投資歴は1年目が小学生とするなら、既に中学生くらいの経年は積んでいる。高卒で社会に出たため、20歳時点でそれなりの貯蓄があったことも要因としては大きい。

 さて、今の私からすれば当たり前のように、PBRやEPSを理解しているし、その知識を元に会社四季報を読んだりしているが、工業高校という出自も相まって、投資を始めた当初はズブの素人だった。

 最初は誰もが投資初心者だが、昨今の調整相場入りした日経平均や、SNS上での煽りもあり、せっかく始めたのは良いものの、含み損に耐え切れず、そのまま退場してしまう方も散見されるが、長期目線で考えると非常にもったいない。

 そこで、今から投資を始めるなら、どんな知識を抑えておくべきなのかを、チャイナショック、コロナショックを乗り越えて、投資を続けている身として、道標となるような記事があったら、参考になるのではないかと考え、初心者の時に、自分が知りたかった情報を記していけたらと思う。

 結論としては、実践しながら学ぶのが一番の近道ではあるものの、投資を始めるまでに、予備知識がないと不安だとか、それなりの心理的ハードルがあるのも事実で、この辺りの情報は抑えておくと、初心者〜それなりの資産規模になるまで役立つと、個人的に思えた書籍を紹介していければと思う。

 紹介する全部は難しくとも、何冊かは図書館で読めると思われるので、まずはお金を掛けず読んでみて、投資哲学の一端を知ることをお勧めする。

予備知識・投資経験なしでも読める6冊

バビロンの大富豪

 投資哲学というよりも、お金の扱い方が学べる一冊。「7つの教え」と「5つの黄金法則」は、当たり前のことのように感じるかもしれないが、どこかで馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないが、愚直にその当たり前が全部が出来るような人が、蓄財への道を突き進むことができるのだと今でも思う。

おカネの教室

 お金を手に入れる6つの方法と題して、貨幣の本質に迫り、リーマンショックがなぜ起きたのかを学べる一冊。

 サブプライムローン問題を発端にして始まった、世界規模での金融危機も、かれこれ15年前の出来事となり、この時の話をする人を巷では「リーマンショックおじさん」と呼ぶらしい。

 だが、賢者は歴史に学ぶのも事実で、リーマンショックの本質を知ることで、金融商品の中身を理解せずに保有する恐ろしさや、なぜ度々、実体経済と市場経済の評価が乖離するのか。そのメカニズムを知ることは、長期投資をする上で重要と考える。

お金の向こうに人がいる

 経済とはなにか?という素朴な疑問に対して、お金ではなく、人(労働力)にフォーカスすることで、シンプルかつ分かりやすく経済の仕組みを学べる一冊。

 この本を読むことで、基礎的な経済の原理と、お金と税金の密接な関係が理解できるため、経済ニュースを自分の頭で本質的に考えられるようになり、自称経済アナリストの意見を鵜呑みにしなくなる。

1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました

 データが米国とはいえ、お金持ちのリアルな実像を窺い知ることができる一冊。個人的には「となりの億万長者」よりも、こちらの方が、お金持ちは質素かつ淡々と暮らしており、お金を使わないからこそお金が貯まり、結果としてお金持ちとなるという、身も蓋もない事実をさまざまな角度から知れるため、有益と判断した。

私の財産告白

 上記に同じく、お金持ちがいかに耐乏生活に慣れており、日々、質素に暮らして投資の種銭を捻出しているという、身も蓋もない事実をまざまざと窺い知ることができる一冊の日本人版。

 株式投資で財産を築いた人の、投資哲学にも触れているため、個人的には利確の考え方が参考になった。

投資で一番大切な20の教え

 内容は概ねタイトル通りとなっている。予備知識不要でも読めるものの、一定程度の投資経験を積み、長期投資やファンダメンタルズ分析路線を進む方は、知識を得てから読み返すと、ああ、そういうことだったのか的なアハ体験ができる一冊。

 バリュー株投資を得意とする身としては、本書の教えが心の奥底にあることで、直感的に安値だと思っても、いや、ちょっと待てよ…とブレーキが掛かり、バリュートラップを回避できるようになる形で活きている。

 心理的にブレーキが掛かることによる、機会損失もゼロではないと思うが、この本の教えを意識してから、ゴミ銘柄を掴まなくなったのもまた事実である。

投資に慣れたら、深掘りしたい4冊

家庭の金銭学

 お金やFPの辞書と言っても過言ではないくらい、兎にも角にも分厚い。最初は決して熟読せず、パラパラと流し読みして、ざっと何が書いてあるのかを把握しておく程度に留め、中身の情報が必要だと感じた際に、掻い摘んで読む、辞書的な使い方が適している。

 個人的には昨今持て囃されている、インデックスファンドの盲点に関しても触れられているため、これを読むと、パッシブ運用一辺倒も考えものだと思い、コアサテライト戦略的に、パッシブ運用とアクティブ運用のハイブリッドを正当化するに至った。

 論争にありがちな、どちらが良い悪いの0か100かではなく、両方気になるなら、どちらもやってみて、自分自身の折り合いがつく、続けやすい配分に落ち着けば良いと考え、さまざまな選択肢を知る上で、この本が役立つだろう。

会計の世界史

 経験に学び、歴史に学ばない愚者な私からすれば、本の分厚さと相まって会計の歴史なんて知ったところで…と十中八九食わず嫌いする本である。

 しかし中身は、フィレンツェの商人が帳簿に記録(簿記)を始めたところから、現在の会計基準に至るまでの500年間を、物語形式かつダイジェストにサクサクと読み進められるため、簿記を学ぶ前の取っ掛かりとして、そして、小難しい印象が先行する会計の世界を俯瞰するのに必要な知識が学べる一冊。

稲盛和夫の実学

 株からは少し離れるが、会計の観点から経営の原理を語る内容となっており、経営者目線で見ている会計の景色を知ることで、経営者や経営モデルが優秀な企業を見極めるのに役立つ一冊。

マネーの公理

 昨今のインデックスファンド一強の根幹にもなっている、長期・積立・分散という投資の定石に対するアンチテーゼとなる一冊。

 敢えて多数派の投資哲学とは真逆の意見を取り入れることで、自分自身のバイアスに気付いたり、誰かの言葉を盲信している可能性に気付ける内容となっており、自分なりの投資スタイルを確立するのに役立った。

番外編

お金の減らし方

 投資に興味関心を持つ人は、紛れもなく全員、お金を増やそうと思って投資するわけで、結果として損をする人は居ても、お金を減らそうと思って投資する人は居ない。

 投資の入り口としては、漠然とお金を増やしたいと思う人が大多数だと思うが、そもそもなぜお金を増やしたいのか?その欲求は本心なのか?本当にお金が増えれば満たされるのか?そもそも交換の道具以上でも以下でもないお金に縛ら過ぎていないか?

 「お金の向こうに人がいる」が労働に焦点を当てて、経済の仕組みを解き明かす本だとすれば、「お金の減らし方」は、お金に焦点を当てて、人生のあり方や人生哲学を再構築する本と言える。


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