吉田りぶ

文字を書くのが趣味の主婦。2000文字のひとりごとをつらつらと。有料日記は1000文字…

吉田りぶ

文字を書くのが趣味の主婦。2000文字のひとりごとをつらつらと。有料日記は1000文字にぎゅっと強く濃く凝縮させて。

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たもとかご持って(有料日記見本)

表紙は「かんたん表紙メーカー」さまより __________________  かわいらしいタッチの昆虫アニメも。  三十代の母、懐かし芋虫クレイアニメも。  怖いと泣いてすがるきみは、五月に消えた。  新しい保育園に入園し、年少生活二ヶ月目。  教室の前の靴箱に、虫かごが四つ並んでいるのは知っている。担任の朗らか先生が虫好きなのも、クラス通信に記されていた。 「虫さん捕まえたい!」  乗り物命の息子は飛び跳ねて言う。  周囲に影響を受け、新しい世界を歩んでいる。

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    • 2024年4月「じぶんケアプラン」をモニタリング

       わたしがわたしとして、母でも介護職員でもなくひとりの人間として自分を大切にするために、  今年の目標として「じぶんケアプラン」を立てた。  四月も終わる。三月までの短期目標はいくつか変更して、長期目標の達成につながるようにしてみた。 ①長期目標 2024年1月6日~6月30日  家具、家電の見直しをすることで、片付けやすい、掃除しやすい住宅環境を維持し、ストレスなく清潔に暮らす。 ▼一部達成  収納家具、掃除機をようやく新調できた。掃除機は特に、紙パック式のものに戻

      • すくう(小説)

         高校受験の材料は中学三年生の十二月までに決まる。  三年生に進級してから、どの科目の先生も、口をそろえて唱えた言葉だ。受験先に伝わる成績は二学期の途中、十二月までのものらしい。だから三年生は前期中間、前期末、後期中間の三つのテストを絶対に落としてはならない、と。  冬の一時間目は指先がかじかむ。教室のストーブもまだ寝ぼけているから、せっかく真ん前の好立地の席なのに、答案用紙に書いた名前が震えている。  今日このテストで数学に対するわたしの位置づけが決まる。豊川まりなはこの程

        • 思うこといろいろ

           ちまちま四日もかけて書いたのに、  なんだか常にいらだち、頭の中がうるさくて、誰とも話したくなくて、でも出勤してしばらく業務に当たればべらべら話せた。  にしてもどうもむかむかする、と思った矢先に本当に胃や胸がむかむかしていた。一昨日と昨日は体調がげろげろで、昨日なんかは出勤して一時間で「もう帰りなよ」と上司から早退を提案されてしまう始末。  帰宅して、ひたすらひたすら眠り、まだむかむかしているのに晩ご飯はおかわりをして、夜もたっぷり眠ったら、むかむかは月が連れ去っていた

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        たもとかご持って(有料日記見本)

        マガジン

        • じぶんケアプラン
          5本
        • さんどいっちの日に
          8本
        • スマートなきみに恋させて
          2本

        記事

          感情の生まれ故郷

          「吉田さんは他人の気持ちを思いやれるけれど、それは『吉田さんが想像した相手の気持ち』やから。本物の『相手の気持ち』じゃないよ」  産後一年半がたち、職場復帰早々に頭がぐちゃぐちゃのわたしに、臨床心理士のナオさんは告げた。  カウンセリングルームのクリーム色の壁にはなんの貼り紙もない。木製のテーブルも、昨年に地球を支配した新型ウイルスのために、透明な板っきれが立つのみだ。板っきれは、向かい合って座るわたしとナオさんを遮断しているが、関係ない。落ち着いた声量ながらにまっすぐ芯

          感情の生まれ故郷

          湯気の力(有料日記)

           土日祝日も開院している耳鼻科を近所に見つけて、土曜日の午後に駆け込んだ。息子は両親に任せて、診察受付番号「一番」を勝ち取る。  声を出すどころか喉に力が入らない始末。診察に必要な情報は、メモ帳に書き連ねてある。  まだ新しい、天井の白や壁のクリーム色が明るい診察室に案内された。わたしと似たような年の医師は、にこやかでもない男性で、けれど不思議と「こんにちは」の一言が温かかった。 「今日はどうされましたか?」の問いにメモを差し出す。  年明けからお付き合いをはじめた喘息が

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          湯気の力(有料日記)

          光景を書く

           以前にお知らせした件の、  受賞作をまとめた作品集が届きました。  春らんまん! かわいらしい表紙に心が浮き立ちます……! 担当者様方、審査員の皆さま、大変お世話になりました。ありがとうございました!  書いたものが本に載るとは、身が引き締まりますね。  書いている最中には「なんかたらたらした文章やなぁ」とか「しまりがないな」とか「ぐずぐずしてらぁ」とか、もっとスッキリしたスマートな文章を書かねば、とかとか思いますが。  公募を目指した作品とあり、何度も推敲して整えは

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          カイタイシンショ、ダンゴムシ

          ⚠️ダンゴムシを真っ二つにしてしまった話です。 ⚠️ネットで検索した虫や解体のスクショ画像あります。 ⚠️虫が苦手、内臓が苦手な方はブラウザバック!  療養から解放された息子のにっとは、引きこもり生活にうんざりしていた。  軽く「お散歩行く?」と聞こうものなら「行く!」と即答、光の早さで支度を済ませて駆けていく。  近所の桜スポットへ向かう。  老若男女がわやわやと淡い春色を見上げ、足を止めている。にっとも急に足を止めた。上ではなく、下を向く。後ろを歩いていたキャップのお

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          幕開け*ジムと読み書き

           四月になり、新生活だ進級だ進学だと世間が騒がしい。  新たな一年のはじまりに合わせ、新しいことをはじめる人もきっと、多くいるのだろう。  過去にとてもお世話になった競輪選手の武井克敏さんが、パーソナルジムを開設されました。  名古屋周辺にお住まいの、体を動かしたい方はぜひ。とても気さくで楽しいトレーナーさんだから、気持ち軽やかに運動できるはず。元アスリートさんならではの、変わったトレーニングメニューもあり、目新しい気分で運動できそう……!  実際に武井さんに体のことや栄

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          思い出が置き去りにされていく(有料日記)

          「えっ、磯っこ、閉店したの!?」  お風呂がわくまでとソファでぐうたらしていた夕食後。いとこのSNSを目にして、思わず叫んだ。 「なんだ、どうしたんだよ」  ダイニングテーブルでぼんやりスマホいじりをする夫が、とりあえず形だけという抑揚のなさで問う。 「青森のばあちゃん家の近くに食堂があったでしょ、磯っこ。閉店したんだって」  わたしの母は青森県のまさかりの上部分出身で、子供の頃の夏休みには毎年帰省したものだ。年の近いいとこたち、おおらかさが海のような祖母、頑固なが

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          2024年3月「じぶんケアプラン」をモニタリング

           わたしがわたしとして、母でも介護職員でもなくひとりの人間として自分を大切にするために、  今年の目標として「じぶんケアプラン」を立てた。  二月はやりそびれた。三月分をセルフモニタリングする。 ①長期目標 2024年1月6日~6月30日  家具、家電の見直しをすることで、片付けやすい、掃除しやすい住宅環境を維持し、ストレスなく清潔に暮らす。 ▼一部達成  収納家具、掃除機をネットで注文した。まだ届いていないし、発送通知もこない。ネット通販は利用者が多かったり、業者も

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          花(有料日記)

           息子がお腹にいるとき、名前について考えると、植物の名前ばかりが脳裏をよぎった。  やなぎ、れんげ、つつじ、つばき、つくし。柳の木がそよぐように、しなやかな立ち振舞いで生きてほしい。こうじ、けんじのつもりでつつじ。昔読んだ漫画の主人公の双子の片割れくんが「椿」だったから、男の子でも似合うはず。などなど。  植物に目を向けた人生を歩んできたわけではない。マタニティーハイなのか。尊いいのちの集まりで、地球が回るのを感じていた。  一歳を過ぎて乗り物好きに目覚めるまで、息子は花が

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          びっくりしてもしょうがない

           お久しぶりです。  イキって口だけ達者でなにもできていない。やーもうびっくりするほど二月半ばからグロテスクな具合でした。今度こそもうだめだと思いながらも、なんだかんだ調子が戻ってきたので、また文字も書くかと気力がわいてきた。 「人間の体って、動かさないと錆びるんだって」  以前勤めていた認知症グループホームで聞いたこのフレーズを、どういう仕組みで、とか全部頭から抜けているけど、いまの勤務先のデイサービスでよく利用者さんに話している。たいていみんな「らしいね。がんばらな

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          特急しらさぎに揺られる(岐阜から米原へ)

           いつもより一時間遅く起床した日曜日。わたしとにっとは、布団でうだうだ話し合う。 「にっとさん、今日は公園に行く? おうちでおやつ作りする?」 「うーん……電車だな」  近場でのんびりという計画は、四歳男児の頭にはないらしい。  以前の電車旅でのやり残しもあるため、  名古屋駅前のねじねじが本当になくなったさまを確認しに行こうか。 「名古屋はちょっとおれ、やめときたいな。人だらけで疲れちゃう」  そうかい。  とりあえずいつもの最寄り駅から名鉄に揺られ、いつもの

          特急しらさぎに揺られる(岐阜から米原へ)

          第一回 美郷文芸エッセイ賞

           お知らせのような記事が続いて失礼します。  このたび、第一回美郷文芸エッセイ賞にて入選をいただきました。  改名してからの初入選に、思い出深いエピソードのエッセイを選んでいただけて、選考委員のみなさまに感謝の気持ちでいっぱいです。  美郷町についても調べてみました。とてものどかで自然豊かで、肩の力が抜けるような心地よさを抱きました。インターネットで調べただけでこんなに安らげるのなら、はたして現地はどれほどゆったりした空気に満ちているのか……!  実際に行ってみたくなり

          第一回 美郷文芸エッセイ賞

          迷いは湯気に(有料日記)

          表紙は「かんたん表紙メーカー」さまより __________________  朝の六時にどうにか布団を抜け出して、冷蔵庫の中身を確かめる。肩がフェイスラインにくっついたまま、頭はまだ回らない時間帯。  今日は夫のろうすは休日だけど、わたしとにっとは普通の平日。パートに行くし、保育園に行く。  保育園は給食があるからいいとして、わたしの弁当はどうしたものか。

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