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それっぽく、外側から
アイコンが変わりました。
吉田りぶです。よろしくお願いします。
ずーっとうだうだ、文学フリマに出たいだのやめとくだのコロコロ主張を変えていますが、いきなり文学フリマは怖いので。
小さなイベントから出店していくつもりです。今年は書いて作って、来年にはお客様にお届けします。自分としては現段階で15%くらいは進んでいるんじゃないかと思っています。二冊作りたいうちの一冊目が第一稿完成間近です。熱
近江鉄道に揺られる(米原から彦根)
前回の記事の続き。
改札付近は以前に訪れたのと同じ様子で、今日も駅弁屋さんが待ち構えていた。
でももうにっとは見向きもしない。お弁当あそこ、とセブンイレブンを指差している。
「前にドーナツを買ったパン屋さん、覚えてる?」
お弁当のありかは、なにもセブンイレブンだけではない。
「あのお店にお弁当も売ってたよね。今日はそっちで買ってみない?」
わたしの提案にびしっと手を上げ、賛同
こそげ落としてしまえ(有料日記)
全部髪の毛が悪い。四ヶ月も手入れしないで放置して、ぼっさぼさで汚ならしい。これなら生えていないほうがいい。なくなれ、消えろ。力いっぱい刈り取り捨てたい。
寝起きの頭が無性にいらついてざわついて、美容院に駆け込んだ。もういらない。こそげ落として。まったくなんにもなくていい。
湯気の力(有料日記)
土日祝日も開院している耳鼻科を近所に見つけて、土曜日の午後に駆け込んだ。息子は両親に任せて、診察受付番号「一番」を勝ち取る。
声を出すどころか喉に力が入らない始末。診察に必要な情報は、メモ帳に書き連ねてある。
まだ新しい、天井の白や壁のクリーム色が明るい診察室に案内された。わたしと似たような年の医師は、にこやかでもない男性で、けれど不思議と「こんにちは」の一言が温かかった。
「今日はどう
思い出が置き去りにされていく(有料日記)
「えっ、磯っこ、閉店したの!?」
お風呂がわくまでとソファでぐうたらしていた夕食後。いとこのSNSを目にして、思わず叫んだ。
「なんだ、どうしたんだよ」
ダイニングテーブルでぼんやりスマホいじりをする夫が、とりあえず形だけという抑揚のなさで問う。
「青森のばあちゃん家の近くに食堂があったでしょ、磯っこ。閉店したんだって」
わたしの母は青森県のまさかりの上部分出身で、子供の頃の夏休み