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韓国の学生はどう思っているの?~日韓学生の対話から考える両国の未来~

はじめに

日韓の歴史認識問題を考える連載企画「ワセミレ」。第〇回は早稲田大学に通う韓国出身の学生3人と行ったフィールドワークから、日韓における歴史認識、それを生じる歴史教育の違い、そして対話の可能性を検討します。フィールドワーク、ディスカッションの様子から韓国の学生がどのような問題意識を持っていているのか、そして両国の対話の可能性について考えていきましょう。

メンバー紹介

しゅん
ワセミレのメンバー。早稲田大学政治経済学部の2年生。高校生の時に2週間短期留学で韓国に行ったことがある。
いちのせ
ワセミレのメンバー。早稲田大学文化構想学部の3年生。日本と韓国の両国に在住していたことがある。
Aさん(パクへチャンさん)
早稲田大学法学部の4年生、日本での滞在歴が長く、卒業後も日本で暮らす予定。
Bさん(チャンソヨンさん)
早稲田大学政治経済学部の2年生、 日本での滞在歴は2年、早稲田大学の国際学生寮で暮らしている。
Cさん(カンイエソルさん)
早稲田大学政治経済学部の2年生、フィールドワークの数か月前から日本に滞在中。彼女も同じく早稲田大学の国際学生寮で暮らしている。

目次

フィールドワークについて
wamを訪問してみて
「慰安婦」の教育における扱われ方の違い
立場の違い?教育の違い?異なる認識が生まれる要因とは
日韓両国における過度な自国主義
アジア(日韓)における共通の歴史認識のために

フィールドワークについて

フィールドワークは、早稲田にある「アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館(以下wam)」への訪問、昨年11月末まで行われていた「第18回特別展 中学生のための『慰安婦』展+教科書」の閲覧、そして大学に戻り、日韓の歴史認識に関するいくつかのテーマでのディスカッションという形で行いました。
特別展では、様々な国の出身である慰安婦の方々の証言や、日本の中学教科書における慰安婦問題についての記述の変遷、問題点などが展示されていました。

wam入口にて

wamを訪問してみて

しゅん)訪問お疲れさまでした!まずは、wamに行ってみた感想をお伺いしてもよろしいですか?

Aさん)韓国の学校に通っていたため、日本の歴史の教科書を比較する機会がこれまでなく斬新でした。また、現在の慰安婦問題の裁判についての展示や元日本軍・慰安婦の証言について知ることができて面白かったです。

Bさん)韓国でも慰安婦問題を扱う資料館に行ったことがありましたが、女性の被害に焦点を当てていました。教科書問題については議論の余地があり、それらを比較するのは韓国でも日本でも初めてだったため印象に残りました。特に、中学の歴史の教科書の記述の変化を知れて良かったです。

Cさん)証言などを直接みたことがあった。日本の教科書の中の慰安婦の記述が少ない問題について、触れようとしている努力があるということが分かって良かった。こういう問題はやはり韓国でもずっと取り上げられるが、この機械を通じて自分の問題意識を持つようになった。

いちのせ)韓国の歴史の教科書で書かれているのはあくまで「韓国史」であり、朝鮮人の慰安婦の方についての記述が多いです。WAMでは韓国以外の慰安婦の方の記述があって、それが興味深かったです。

しゅん)日本人としても、こういった展示会に行くことで改めて慰安婦問題の存在を実感します。そういった人々が存在していたとただ学校で学ぶと、実際の経験を聞くのとでは全然違いますよね。

しかしながら、従軍慰安婦という言葉を使わない・強制連行という事実を認めない人も、日本の政治家の中に存在します。
そして、そういった背景が中学教科書における慰安婦問題についての記述の減少から表れていますよね。

「慰安婦」の教育における扱われ方の違い

しゅん)ここからはいくつかのテーマに沿って、色々とお話をしていきたいと思います。まずは、日本と韓国の慰安婦という存在に対する歴史認識の違いについて、話していきたいと思います。

wamの展示を見て頂いた通り、日本の学校教育では、言葉としても「慰安婦」という言葉で、性暴力の被害者という立ち位置が伝わりにくいものとなっています。また、自分が中学高校で歴史教育を受けていた時はな、なぜ日韓合意で最終的かつ不可逆的な解決って言ってるのに、 そのまだ声を上げる人たちがいるのかとまで思ってたんですね。日韓国交正常化の際にすでに終わった話なのになぜ?と思っていました。

wamの展示を見てみて、皆さんの方から何か気になる点や、大きく「ここが違ったな」という点はありましたか?

Cさん)一つ気になったんですが、実際日本の学校教育を受けてきた中で、「日本人が過去に悪いことをした」という認識は広まっているんですか?

しゅん)基本的には広まっていると思います。ただ、そうした教育をうけてもなお、その存在、自分たちがした行動すらも否定する人は存在します。

Aさん)個人的には、この問題は日韓だけの問題だけでなく、女性人権の問題として扱うべきだと考えています。一応慰安婦という表現もあるが、韓国では性的奴隷として表現しているメディアや出版物もあります。

以前日本人の友達が韓国に来ていて、こういう話をしたことがありました。戦争中だから慰安婦は必要なのでは?なぜ理解してくれないの?と言っていて、それに怒りを感じました。
そういう扱いをすること自体がおかしい。それは女性人権への意識が低いということだと思います。

Bさん)私も、世界的な女性の人権問題であると思いました。高校の韓国史の授業で話し合ったことがありますが、その時韓国軍がベトナム戦争時に慰安婦と同様の悪事を働いたことがある、今後謝罪を行うべきだとの話がありました。
ドイツ・日本・韓国の現在の政府の立場と問題への対応を比較したときに、アジアはまだ欧米諸国と比べると(そういった問題への対応が)足りないなと感じます。政府の変化が必要だと、私は考えています。

しゅん)日本ではサラッと記述されている部分が、韓国の教科書は長めに記述されていたりする。近現代史に対する価値観が異なるのかも。慰安婦のみならず、日本の近現代史そのものに対する関心の薄さが根底としてあるのかもしれませんね。

立場の違い?教育の違い?異なる認識が生まれる要因とは

しゅん)次に、話題を慰安婦問題から広げて、日韓の歴史認識の違いという点でお話を進めていきたいと思います。

慰安婦問題の例からも良く分かるように、日本と韓国では教科書の内容の違いや、一つ一つの問題に対する立場の違いのように、様々な歴史認識の違いが存在しています。

では、どのような違いがここまでの歴史認識、そして価値観の違いを生んでいると、みなさんは考えていますか?

Cさん)加害者と被害者という立場の違いが大きいのではないでしょうか。やはり人間は自分がやった悪い事は避けたいという気持ちが大きいですよね。韓国史では独立に向けてどのような運動が起きたかといった内容に加えて、日本によって受けた被害を詳細に記述します。それをきちんと記憶して、日本に謝罪してもらいたい気持ちが大きい。だから国益などは二の次として、立場の違いが大きい気がします。

しゅん)なるほど。

Bさん)韓国では連帯感がとても重要で、一つの国家であるという点が教育でも強調されています。そういった認識から、他の国は、ある種敵視しがちなところがあります。

韓国の国民として、色々な自国の歴史についてこれは常識、知らないとおかしい、ちゃんと知っているべきといった雰囲気があると感じていました。

同じ事件に対しても、韓国の人々はその事件に対して客観的というよりかは、感情が含まれた主観的に捉えているから、立場が異なるのかもしれません。メディアなどの影響もあいまってズレが深まるのではないでしょうか。


Aさん)両国の認識の違いは、被害者・加害者という立場の違いが大きいと私は考えています。加害者は自分の行動を忘れがちであり、そもそもそれを問題だと感じるかどうかも加害者・被害者では大きく異なります。

加害者の意識としては、「これ教えてどうすんの?」という意識があり、被害者は、「教えないといけない」という意識があるのではないでしょうか。

ひとつしゅんさんにお伺いしたいんですが、入試などで日本が戦時中に行った行為についての問題は出題されますか?

しゅん)自分は大学受験をしていないので、あまり詳しくはないのですが、一応全く出題されないということはないと思います。ただ、それほど多く出題されることもないのではないかと思います。

Aさん)私は日本史の参考書を読んだことがあるのですが、ほとんどそのような記述がなく、あったとしても一行だけでした。

参考書は入試に特化されているものなので、問題として出題されないんだろうなと思います。韓国では出題されるので暗記する必要がありますが、日本ではそうではない

日本がもしその問題に対して当事者意識をもっているのあれば試験問題としても出題し、それによって学生も興味をもって重大な問題だと認識するはずではないでしょうか。

やはり人間は見えるところしか見えないし、それを見るためには知識が要ります。知識の溝を埋めることができない限り、スタートラインが異なるため、議論は尽きません。そのような状態で議論してみても正直意味がないのではないかと思います。

しゅん)中学の歴史教科書の中の記述が減っていっている中で、歴史問題について知っていてもなお教育からそれを排除しようとする動きは、更に両国の溝を深めてしまうのではないでしょうか。そのような勢力がいるのは恐ろしいと感じます。

大学の講義を通して、日韓関係での出来事で今まで自分が知らなかったことが本当に多いなと感じます。これまで知らなかった自分が恥ずかしいし、何故それを教えてくれなかったのかとモヤモヤする気持ちになる。

日韓両国における過度な自国主義

しゅん)先ほど、韓国の人々は連帯意識がすごく強いというお話がありました。自分からすると、すごく韓国の方々は自分が韓国人であるというアイデンティティを強く持たれているように感じるのですが、その点についてみなさんはどのように考えていますか?また、どうしてそのような文化、考え方が根付いていると思いますか?

Bさん)国全体にそのような風潮があると感じています。グローバルな時代になるにつれて、国の境を強調することは良くないと感じますが、この風潮は親の世代から続いているため、致し方ないと思う。なぜこのようになったのかは私も正直分かりません。自分は教育が一番大きいと感じていますが、他の要因もあると思います。

Aさん)韓国の場合は「単一民族・単一国家」という意識は国が建国された時からあります。自分が高校生の時に使っていた教科書にも明記されていました。このグローバル化が進む現代ではその意識は古い考えかなと思いますが。

韓国は昔から鎖国政策を行ってきました。それがシンミヤンヨやビョンインヤンヨといった西洋列強による事件にもつながっていました。以前から外国の外部勢力についての抵抗がすごく強かったです。それ以前に交流していた国・地域は、日本・中国くらいかな。それが今の意識にまでつながっているのではないでしょうか。

しゅん)日本で教育を受けた身としては、近現代以前の韓国に対しては中国の属国であったというイメージが強いです。それは韓国でも学ぶはずだが、単一民族という認識があるのは少し違和感があります。

Aさん)(自国のことを)守ろうとしたからではないでしょうか。

韓国は基本的に侵略をうけてきた側の歴史です。日本はあまり他国からの興味がなく侵略なども少なかったですよね。韓国は中国にも日本にも行きやすい地理的にとても良い場所なので、侵略される機会が多かったです。そういったものに抵抗するために連帯感が強まってきたのではないでしょうか。

しゅん)確かに、自分が韓国の人々の歴史認識について調べている中で、日本国内と韓国での豊臣秀吉に対するイメージが大きく違うという点に驚きました。(日本人にとっては一人の戦国武将であるが、韓国の人々にとっては、侵略者であるというイメージがある)侵略されてきた国の歴史は重みがあると感じます。だからこそ一つの国としての責任感があるのかなと感じました。

Aさん)韓国は抵抗しがちな民族で、ほぼ唯一言語を奪われていない国でもあります。そういった歴史から、抵抗してきたということは窺えます。

現在も、例えば2019年の日韓の貿易摩擦。当初は韓国国内はどうしよう!となっていたけど、それをきっかけに半導体の国産化に目を向けるようになりました。

しゅん)なるほど。日本も日本で、過度な自国主義的な報道がされる場合もあるんですよね。日本では近現代史を取り扱っていない分、歴史について振り返ってみましょう!的なコーナーが日韓貿易摩擦のような韓国関連のニュースの際に登場します。そういう時、どうしても日本優位な言い方をしたいのか、韓国とのつながりがなくなっても日本はやってけるけど、韓国はやってけない的な言い方がされることが多いです。なんだか疑わしいですよね。

ちなみに、日本の歴史教育について気になる点ってありますか?先ほどの展示での違和感などでも。

Aさん)日本政府が隠そうとしている意図って何だと思いますか?日本人一個人としてどう考えますか?

しゅん)日本人一個人として…そうですね、日本の方が韓国より優れているという固定概念を抱いている人が一定数いるからではないでしょうか。政治家はそうした人の票も得る必要があるために、朝鮮学校の無償化など親韓国の政策を取りにくいという点はあるんじゃないかと思います。

また、韓国・朝鮮人に対する差別意識が色濃く残っているところがあります。そもそも「韓国人には絶対に頭を下げない!」といったような出身による差別自体が残っているのも大きな要因かなと思っています。

Aさん)実は、韓国でも同じようなことが起きています。韓国が最高だ!サムスンが最高だ!といった考え方があり、自分はそれをとても危険だと思っている。過度な自国主義と紙一重であると感じるし、自分は常にそういった点に気をつけていきたいと考えています。

Bさん)韓国と日本は、徐々に経済大国になってきています。また、東南アジアも以前よりも成長しています。そういった状況の中で、韓国内、そして東南アジアでの人権意識が上がってきていると認識しています。日本も以前よりある程度先進国になりつつ、色々な人の人権意識が上がってきているのが、これまで韓国に住んでいた者としては驚きでした。

韓国ではなぜ人権、特に外国人に対するものについての声が上がらないのかと感じました。日本と韓国、どちらの国でも差別問題に目を向け、差別意識をなくし、平等な・正しい認識をもつことが、先進国と呼ばれるためには必要なのではないでしょうか。

アジア(日韓)における共通の歴史認識のために

しゅん)それでは最後のテーマとして、「アジア共通(もしくは日韓)の歴史の教科書をつくることは可能か。可能だとしたらどういう問題点があるか」ということについて話し合っていきたいと思います。みなさんはこの問いに対してどのように感じていますか?

Aさん)可能だと思っています。その理由は、互いに交流があるためです。昔と比べるとk-pop、アニメ、ティックトックのようなアジア各国の民間交流が活発であるため、互いの国に対する関心は非常に高まってきています。問題は教師・政治家などの既存の世代。大人が教育の機会を設けない限り、根本的な問題に踏み込むのは難しいと思います。

Bさん)文科省長官などの地位の高い人も重要だと思いますが、そういった人たちを変えることが現実的かというと疑問が残ります。日韓ともに政治や教育は保守的な集団であると思います。有権者の票にとって変わるし、あまり動きやすい集団ではないです。一方若者世代はお互いの文化に興味が高い。wamも年齢層が高い方が運営していますが、デジタル広告を打つなど若い世代にアプローチする必要があると思います。客観的な目線をもつのはやはり若者世代だと思うので、若者世代が動くしかないかなと思います。

Aさん)今の若者もいつかは大人になります。そう考えると民間交流からの関心の高さが問題の解決につながるのではないでしょうか。今は難しくとも、「これから」につなげられると思う

Cさん)時代が変わったと感じています。韓国が日本から独立してまだ100年しか経ってないのに、日韓関係は昔と比べれば良くなっていて、お互いに留学生も多いです。これは以前は考えられなかったことだと思います。もっと関係は良くなるのではないでしょうか。

韓国の人々には日本は誤ったことをしたのになぜ認めないの?という認識があるため、日本には怒りがある状態。
しかし日本には右翼の人が多いが、若者世代には多くないイメージ。

日本も韓国も、若者たちの考え方をお互いに知らない感じがしています。メディアがコンテンツを売るために刺激的な記事を書くなどして、溝を深めているように感じます。

だから今後歴史問題については気をつけて話し合う必要があると同時に、今の若い世代がいつか大人になると考えると今後の歴史問題についての未来は明るい気がします。

Aさん)周りの人から差別されたことがない。日本の韓国好きは思ったよりすごかった

Bさん、Cさん)うんうん

Aさん)韓国も日本のことが好きで好印象を持っている人たちもいる。
ただ、過去に韓国に来た日本人女性が暴行にあったといった事件があり、それをメディアが取り上げていたが、そうしたネガティブな事件だけを取り上げているのはおかしいと思います。木じゃなくて森をみましょうよと思う。

これからは草の根の交流が活発になっていくべきだっていう話は、まあ、私だけじゃなくて、みんな思ってることだと思っています。

Bさん)本当にそうですね。面白かった出来事があって、日本に旅行に来た韓国人の友達が「え、日本で韓国人気過ぎてびっくりだよ!」って言ってきたんですよね。私は「いやそうだよ、韓国の人みんな今日本に来た方が良いよ!」って返しました。

こういうなんかもっとこういう個人の個人の関係が重ねなって、国と国との関係に繋がるから、もっと、これからの両国の関係について期待していいのかなって思います。

最近は極端な内容を取り扱う一方、肯定的な内容を取り扱うメディアも増えたと感じていて、それも良いサインだと思って良いと思います。

昔はこの国(日本)の人が全部悪い!と認識していたが、考え方自体が政府の「こういう」行動や取り組みは良くないねと判断できるようになる必要があると思いました。良い部分と悪い部分を区別して、悪い部分をどのように改善していくべきか議論すべきだと感じています。

しゅん)「もういいよ」という声かけがないと溝は深まるばかりなので、今日皆さんの意見を聞けて良かったです。

自分は留学に行く前まで、メディアの報道を鵜呑みにし、韓国に対する良いイメージがなかったです。過去の自分のように、SNSなどから差別意識をもったり、昔から引き継がれてきた意識をそのまま受け継ぐ人も多くいると思います。差別意識が表には表れにくくもなっているのでは。

歴史を語ることができる当事者はだんだん亡くなっています。そういう人々の苦しみをどのように引き継ぐのかという問題も、日韓の溝をなくしていくことと同じように重要だと、自分は考えています。「当事者は亡くなりました。じゃあもう自分の問題じゃないから無いもの扱いしよう」は違いますよね。

Aさん)やはり記録を残す、そしてそれに耳を傾けるのは大事ですよね。韓国軍のベトナム戦争時のものについてもそれは同じだと思っています。忘却しないための最も重要な手段は記録だと思います。

Bさん)人は亡くなってしまうかもしれないが、歴史は残り続けます。歴史教育もとても重要だと思うし、自分はこういう企画が日韓の間で、もう少し人々に広く知らせる機会があれば良いなと感じています。

最近外国人の中で一番韓国で来るのが日本人だと思いますが、観光客の人たちが1番行くところが、まあ、 k-pop関連の、コンサートとかそういったところだと思う。もちろんエンターテインメント関連のところも大事なんだけど、wamの資料館みたいな、資料、記録が残っているところにもっと人々が足を運ぶようになればいいなって思います。

しゅん)いちのせさんはどうですか?

いちのせ)そうですね、やっぱりそもそもの、なぜ今向き合うべきなのかっていうところに対する認識を持つこと自体は重要だなと思いました。

戦争とか、そういった歴史について知識を持っているだけじゃ、解決できない問題だと思うので、当事者意識といったものも重要になってくるのかなと話を聞いてて感じました。

しゅん)個人的には、歴史についての考え方みたいなのが変わればいいなと 思いました。結局、受験のための歴史だけじゃなくて、本当にそこで何が起こったかってことを知ろうとすると、 いろんなことがあるわけじゃないですか。

色々な立場を主張する人たちが存在している中で、それらすべてを把握しようとすることは、正直かなり厳しいというか、受験勉強というものにおいては、すごくなんかハードルが高くなっちゃうよう気がするんですよね。

じゃあ、それで歴史を取らない人が増えたりしたら、それこそまた相互理解から遠のいちゃう。

一生涯かけてって言ったらいいのかな。こうなんか、その学生である間とか、なんかこう受験のためってじゃなくて、自分の国のために、そして、地球に暮らす人として っていう意識で、社会人になってから、歴史を学び続けるっていう意識がもっと人々に広がればいいのかな っていう風に思います。

Aさん)私も学問としての歴史であってほしいと思います。歴史はとても面白いです。私が歴史に興味をもったきっかけは父の発言でした。

急に父親がごみ箱をもってきて急に床にゴミを散らかしたんですね。一つのごみを指さして、「これさっき食べただろ?これも歴史なんだよ。お前も勉強してみろ」と言われて、歴史に興味を少し持って、最初は漫画から勉強を始めました。韓国史検定試験も受けた。こういったきっかけが重要だと思います。

しゅん)お父様の例え、面白いですね。単に事件を覚えるよりは、そこで何が起きたのかを知ることが大事ですよね。

Aさん)韓国は韓国史が必須。自国への歴史への対応・認識の差が両国で出ているのかなと感じた。

しゅん)日本は世界史をとるか日本史をとるか何を学ぶかが大きく変わっていました。今年から日本の歴史科目が変わって、「歴史総合」になった。近現代史の問題についても多く取り扱うようになったそうなので、少しでもより良い歴史認識が出来るようになっていてほしいですよね。

Aさん)韓国には東アジア史という科目があります。日本にもあれば良いなと思いますね、日本版のアジア史がどのようなものになるか、読んでみたいです。

しゅん)大学にはそのようなトピックが多いので、中学・高校でもやれたら面白そうですよね、歴史に対する見方は変わりそうな気がします。

日本に不利なものを報じた方が良い、良くないという論争には、左翼、右翼と結びつけられてしまうけれども、そこを克服して、より良い歴史認識が作れるようになっていったら良いなって思います。

さて、自分が用意してきたテーマについては以上なのですが、皆さんの方から何か気になることや話したいことはありますか?

Aさん)話したいものはたくさんあるんですが、多分10時間以上かかっちゃいますね笑

しゅん)そうですね笑
それでは、フィールドワークはここまでとしたいと思います。本日は、みなさんありがとうございました。

一同)ありがとうございました。



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