”Subako”の巣箱が完成しました。(鶏用)
晴れてるときは秋晴れ紅葉あっぱれみたいな顔してるくせに、日が沈んだ途端真冬の厳しさを教えてくる季節柄の今日このごろ。
Subakoは環境によってスキルや才能の開花ができなかった子供のたちのためのシェアハウスであるが、彼らのSubakoとなる家よりも先に鶏用の巣箱が完成した。
大工はまなみさんの父親一人。一人で滋賀からユンボという小さなショベルカーをトラックで三時間ほどかけて運び、隣の竹林から浸食されている強靭な根を掘り返し基盤を作られた。
まなみさんの父親を見ていると公務員をしていてどこでそんなスキルを手に入れたのか疑問が尽きることはない。
鉄筋を支えるブロックはイタチなどが掘り返して中へ侵入することがあるため敷かれているらしい。
実は数メートルないと意味がないとの話を聞いたのだが、ここの土は竹の根交じりで非常に硬いためこれだけの浅さで済んでいる。
骨組みができたら次の着工は屋根である。
屋根は当初トタンにする予定だったのだが、まなみさんも自分もトタンが好きではなかったため、木ではどうかと打診したところ木製の屋根がつくことになった。
普通に人が暮らせそうな感じが出てきた。
次は壁の木枠であるが、壁をする前に餌場の台と寝床(卵を産むところ)を運び入れる。
ドアのサイズを超えているため壁を設置する前に運び入れなければならない。
ノート上ではあっという間だが、基板からここまで二か月かかっている。その間ほぼ一人で作業して実際に完成を目前としている。
そしてこの上鶏が外に出られるようにフェンスを設置しようというのだから果てしない。これがDYIとは。
肝心の鶏はどこから手に入れるのかというとおくどカフェのご両人からヒヨコを孵化させるのが好きな御仁を紹介していただいた。
早速関市へ向かうとヤギが出迎えてくれた。
オレオもここで生まれたらしい。
中には五羽くらいの鶏が暮らしていた。三人の大人に追い回され若干かわいそう。
ここでは前に狐に犬と鶏を殺されたらしい。
自然の中で生きる動物たちはサバイバルなのだ、と感じていたが
狐は何も食べるために殺すわけではない。
遊ぶ過程で殺すのだ。
その点は家で飼われている猫と変わらない。
自然に息衝く動物たちはサバイバルをしているわけではないのか。
もしくは毎日がサバイバルだから、余計に娯楽を欲するようになるのだろうか。
すこしショッキングなことがあった。
メス三羽とオス一羽を持ち帰るためオスとメスを三羽を同じゲージに入れたのだが、メスの一羽がぐったりとして起きない。
指でつついても反応がない。
どうやら過剰なストレスで死んでしまったらしい。
一応写真も撮ったのだが存外グロテスクかもしれないと思い写真はなしとすることに決めた。
鶏をくださるご主人は鶏の捌き方がわからず動画を見て学ぼうかと思っていたところだったそうで、この機会に手前の川で血抜きを見せることになった。
ストレスで死ぬと先に心臓が止まってしまうため血抜きが効率よくできない。本当はまだ生きてる鶏をつかんで首を切り逆さまにして血を出すのだ。
一度見たことがあるのだが、あたりは血の匂いが充満しどぼどぼと地面が血で汚れるくらいになる。
地面には竹炭チップの土が撒かれていて、これが鶏糞を分解してくれるそう。三羽の鶏をまだ木の香りのする出来立ての小屋に放つ。
家に帰ったらすぐ羽を湯で剥き。捌くのは明日にする。
捌けたら鶏のご主人とおくどさんにプレゼントするそう。
ちなみに鶏卵鶏は皮がとても固くぐつぐつ煮込まなければ食べられない。
翌日、夜中の三時ごろに自重なく鳴いていた鶏三匹の様子を見に行く。
鶏たちは窓から景色を眺めて、状況を把握しているところらしい。
気性を落ち着けるため湧水を出しているが、いかほど効果があるものか。
こうして鶏卵が三羽Subakoの仲間になった。
毎朝の生みたての卵が食べられるのが今から楽しみだ。
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