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ドイツの保育士が濃すぎる件

その昔、ベルリンで美人な日本人の女性と知り合った。彼女は面倒見が良く、6歳だった私の子供は彼女にベタぼれだった。その当時ベルリンに飽き飽きしてしまった彼女は日本に帰ることを考えていて、この先どうするか悩んでいた。そんな彼女に私は「そんなに子供が好きなら、保育士なんてどう?」と聞いてみた。そしたら

「日本ではタトゥーが入っていると保育士として働けないと思います」

という返事。
おお!そうか!私は日本の保育士さんのあるべき姿をすっかり忘れていた。私は改めて彼女のタトゥーに目をやった。彼女は元刺青師で、自分も腕や足に刺青があったのだ。

ドイツではタトゥーなんてみなさん気軽に入れているもんで、気軽なファッションなのだ。道を歩けばタトゥーをしている人がすぐ目に入る。

保育士の先生だってタトゥーが入っている人は結構いる。私が以前働いていた保育園でも、子供が通っていた保育園でも。タトゥーと保育士の先生としての質は関係ないということなのだな。

いやその前に、私が自分の子供を保育園を預けることになって一番最初に驚いたのはネイルだ。保育士の先生のピンク色をした長めの爪に、一瞬戸惑った。スーパーのレジの方など結構長めの爪をカチカチしているのをよく見るが、保育士の先生がこんな爪してて、赤ちゃんひっかかないのかしらなんて余計な心配が一瞬だけだが頭をよぎった。

引っ掻きません。ネイルも保育士の質には関係ないのです。一時同僚にギャルもいました。濃い化粧でブッサブッサのまつ毛を生やし、長いキラキラネイルをしていた。一児のママで、話すと至って普通だった。

ピアスをしている方も結構いる。さすがに日本でも耳にピアスをしている先生はいるかな。だからと言って耳がピアスだらけの方はいないかな。
こちらはピアスが耳だけではなく、鼻ピアスをしている先生もいる。たとえほっぺたに刺さっていても問題ないでしょう。
先月お世話になっていた保育園の園長先生はほぼ全ての指に指輪をされていました。アクセサリーもとやかく言われることはありません。やはり先生の質とは関係ないのです。

服装も自由なので、ワンピースを着ている先生もいた。日本と比べて先生が子供たちと一緒になって遊ばない印象だ。その先生はベンチに座って同僚と談笑するタイプだったので、ズボンでなくても大丈夫だったのだ。

話は変わるけれど、諸事情で先月だけお世話になった保育園にはドイツ語を母語としていないハンガリー出身の男の先生がいた。アクセントで少しわかる位で流暢にドイツ語を話していたけれど。私ははじめての自分の仲間を見つけた気分で内心とても嬉しかった。その男の先生はギターを弾くミュージシャンで、その昔はヘビメタのロックバンドで演奏していたんだとか!

いや日本にだって、元ヘビメタロックバンドのギタリストが保育士やってるかもしれないか。どうだろう。

私が園を去る日、園長先生とその男の先生がギターを弾きながら、歌を歌ってくれた。 子供たちも参加。さながらコンサートのようだった。

次の日が園の催しの日でスピーカーが設置されていた。

いろんな意味で濃い先生がいっぱいいて、(ビビる時もあるけど)それも結構楽しいドイツの保育士ライフである。


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