〔ホラー〕山の中

「え、ちるさん?この中に入るんですか?マジで?」
「当たり前だろ?中島くん。楽しそうじゃないか。妖怪が出るとか?夜な夜な人を匂いで誘って食うとか。」
「確かに面白そうですけど。ね?でも、怖くないですか?死ぬかもしれないんですよ?」
「中島くんはわかってないようだね。教えてあげよう!男たるもの興味が湧いたらとことん突き進む!勉強と同じだよ。」あー、、この人馬鹿だ。僕はそんなことを思った。この人は土方 ちる(ひじかた ちる)さん。僕の2つ上の先輩だ。こういう怖い話を聞いたら速攻で車を出すような馬鹿だ。僕は中島 圭介。大学一回生だ。この人には恩がある。元々同じ高校に通っていた。この人はそんな僕にその時から部活でいろいろ教えてくれたいい先輩だった。あの時までは。僕はこの人に憧れてこの大学に入った。関西ではそこそこ頭の良い大学だったので相当苦労した。それでも、この人についていきたい!後輩になりたいと強く思っていたのでこの大学に入った。が、入ってみては良いもののその人はぐうたら毎日を過ごしていた。最低限授業はでて。他は家でゲーム。そうするにクソニートみたいな生活を送っていた。それで、僕が今この人の面倒を見ているわけだ。今日は急に「噂の心霊スポットに行ってみたい!」とまた変なことを言い出した。やめましょうよっていっても全く聞かない。本当にこの人は関わっていて疲れる。どんなところなんですか?一応聞いてやろう。「おお!聞く耳を持ってくれたんだね。嬉しいよを流石僕の可愛い後輩くんだ。えーとね、ここから1時間の山の中のところなんだけど。そこでは最近行方不明者が多くなっているようなんだよ。そしてね、その理由がね遭難するじゃない?そして、食べ物がなくなってしまう。すると森の中から食べ物の匂いがするんだよね。そっちの方向にいくと妖怪がいて自分の魂を食べるみたいなんだよ?めちゃくちゃ面白そうじゃない?」はぁ、それは少し興味があるな。妖怪。実際は見たことないがきっとこの世の中にはいるんだろう。そんな、みたことないものに心躍らせているこの人も可愛いんだろうな。もう、夜中の10時頃に差し掛かってきた。「ちるさん?いつぐらいにつきますか?もう、2、3時間は移動してますけど…」「まあ、中島くん。そんなに焦らさんな。もう少しで着くから」「あなたのもう少し以上に信用ならないものはありませんよ。」「なぁ?!ひどくないから中島くん。僕だってね、しっかり事実を言うよ?嘘つきじゃないんだから。本当に君はそういうところは素直なんだから。まあ、そこが君の良いところだよ。中島くん」このひと情緒おかしいだろ。なんか、妖怪よりこっちの方が怖い気もするような…まあ、そう言うことにしておこう。それからしばらく車に揺られていたら「中島くん?ついたよ。そろそろ行かないと置いていくよ。こんな風に爆睡しやがって、こっちもこまるってありゃしない。おーい、起きろ…」ざわざわ、ツゥーー。鼻の中にいい匂いがしてくる。なんだ、肉を焼いているような…美味しそうだな。あ」、ここってその心霊スポットなんだよ?あれ、ちるさん大丈夫か?!危ないんじゃないの?起きよう。
ばぁ、「ちるさん?!危ないどこにいくんですか?」「あそこ。あそこに行かないと美味しそうな神様が待っているから。ほら、いい匂いしてるでしょ?中島くん、あは、あはは、、ほらいい匂いしてるじゃんアヒャヒャヒャ。ほら行くのよ。僕についてきな。いいところに連れていってあげるよ。」「ちる?!お前本当に危ないぞ!!そんまま行ったら喰われますよ?!ちるさん早く帰りましょ?此処にいたららららららら。頭がおかしくくくくくくなりますよ。アヒャヒャヒャ。ほら、、おかしくなったじゃないですか?ヒャヒャ」僕もとうとう狂ってしまったようだ。思考としにくくなるねエヘヘへ。早く帰らないといけないのはわかってるけどね。この匂い美味しそうなんだもの。猪を焼いたような匂いがしてる。あへへ、、うまそう。早くくいたいな。この匂い。僕らは匂いのの方へ歩いていく。直進していく。もう、匂いがすぐ目の前までやってきた時。ピカーと光る。「おめぇら!!危ないぞ!!早くこっちに来い!」その声を聞いて僕らははっ!と我に帰った。自分らの車に乗る。その、助けてくれた人は徒歩で来たようだ。「ありがとうございます!!貴方も乗ってください!!早く」「じゃあお言葉に甘えて乗ろうかね。よっこらしょっと」おじいさん?ものったのでちるさんは全速力で車を出した。「いやー、ありがとうございました。危うく喰われかけるところでしたよ。」「わはは、いいってことよ!それで、お主らこんなところに何しにきたんだ?何もないだろ?ここは…」「実はですね、此処に興味がありましてここって妖怪が出るとか言われている心霊スポットでしょ?だから、少しみてみたいなとおもってきてみたんです。で、猪肉のようなものを焼いた匂いがして、そちらの方に行ったんでふよ。でもその時にはもう自我がなくてですね。もう少し前に行ってたらその妖怪に食われていたところでしょう。だから本当にありがとうございます!!しかし、おじいさん、なんで貴方はこんなところに来ているんですか?しかも、徒歩でここから集落までなると徒歩だとかなりの時間がかかってしまうと思うんですが…大丈夫でした?此処までの道のりは」「いけたわちゃ。なんか、、今夜ここで危ないことが起こると思ったから散歩がてら来たのじゃよ。すると、若者2人が崖の方に行こうとしているから止めたのじゃ。で、、その、匂いというのはこういう匂いかの?」とおじいさんはさっきの匂いの素?というのから猪肉を出してきやがった「この匂いを嗅ぐとお主ら気が狂うだろ?ほれ、そのまま崖から落ちて死ね」なんてこというこのじじぃは「ほぉ、おじいさん、ぼくらがそんなことで狂うとでも?可哀想に君のそれは外れたな。ただの猪肉なんてこわかねぇよ。お前さんこそ、しねよ」といいちるさんはじいさんを車から叩き落とした。「ちるさん!何してんですか?流石にありすぎでは?!」思ったことをそのままいう。「中島くんはわかっていないみたいだね。あいつはこの世にいないんだよ。いわゆる地縛霊というやつだね。そもそも、ここから1番近くにひとが住んでいるところはここからいくら離れていると思う?」「5キロとかですか?」「甘いね、20キロだ。その距離をあのじいさんは1人でいけると思うか?ましてや、生身だけで。あのじいさん、荷物なんて何も持ってはいなかっただろ?歩きで此処までっていうのはきついだろ。だから、あいつは匂いでおびき出してきたやつとグルだったということだ。君はもう少し洞察力や観察力をつけようか。そうじゃないと危ないよ?」確かに不可能だろう。しかし、この人当たり前のことを言っている。そりゃ、冷静になれば気づくか。ただの僕の実力不足ってわけだな。「しかし、1回目のは普通に危なかったな。君が声をかけてくれなかったら僕は今頃…あーあ、想像するだけでも震えるね。あはー次は注意いないとだねー。しっかり冷静にならないとだな。まあ、ありがとうね。中島くん」この人はそういうことに関して詳しいのかは曖昧だな。まあ、この人にはまたこれから先お世話になるだろうね。よろしくお願いします。

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