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Mr.CHEESECAKE 田村浩二さん 「シンプルで、まっすぐに。」


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こんにちは。
早稲田大学4年生のりこです。

早稲田の授業の一つ、「たくましい知性を鍛える」(通称:大隈塾)に所属しています。
大隈塾は授業に教授がいないので、学生のみですべての運営をしています。

大隈塾では、学生が自らプロジェクトを立ち上げ、
メンバーを集め、企画をし、最終的に成果発表をして学びに繋げています。
本インタビューは、津田大介さんとコラボの「アートを止めるな!」プロジェクトの一環です。(詳細は割愛)

私自身、チーズケーキがだいすきで、中でもMr.CHEESECAKEの世界観になんとなく惹かれていたので、「これは、なんとなく、大チャンスだ!!」と創業者の田村浩二さんにお声がけさせていただきました。

そして、快く受け入れていただき、
インタビューをさせていただくことになりました。

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日曜 / 月曜の朝10時に数量限定で販売され、
たった5分で完売してしまう、幻のチーズケーキ。
老若男女問わず、片っ端から虜にする恐ろしさ。
ひとつひとつ丁寧に香りや食感にこだわって作られ、
愛がたっぷり、詰まっている。

それが
「Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)」です。
(以下ミスチ)

あることをきっかけに、
田村さんがチーズケーキを自身の
インスタのストーリーに載せると、
多くの知人から「食べたい!」と声が寄せられ、
そのおいしさから、瞬く間に評判が広がっていったのです。

ここから、ミスチの物語は始まりました。


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小学校から高校まで12年間ずーっと野球に打ち込む
生粋の野球少年だった田村さん。

ずっとずっとプロを目指してやってきたからこそ、
大学の野球入試ですべてに跳ね返された絶望は凄まじいものでした。

「プロにはなれない」
厳しい現実を突きつけられたのです。

何もかもやる気が出ず、自暴自棄になっていた時、
たまたま親友の誕生日に作ったチーズケーキが、
彼の人生を大きく変えることになりました。

野球少年だった彼が、
手作りのチーズケーキを教室に持っていく姿は
クラスメイトにとってなんとも衝撃的なものだったでしょう。

友人たちの「おいしすぎる!!」と喜ぶ姿に
(気持ちいい〜〜最高だ〜〜〜)
と思わぬ快感を得た田村さんは、
すぐに料理の専門学校を調べたそうです。
まさに、料理との運命的な出会いを果たしました。

新宿調理師専門学校を卒業後、
乃木坂『Restaurant FEU(レストラン フウ)』にてキャリアをスタート。

その後、
いくつもの三ツ星レストランやフランスで修行をつみ、
誰もが認める一流のシェフとなられました。

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▶︎田村さんのTwitter
(https://twitter.com/Tam30929?s=20)

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レストランでシェフをしていた時、目指していたのは
ミシュランや世界レストランランキングでの上位でした。

トップシェフを目指し、
「期待の若手シェフ賞」も受賞されました。

だんだんと、同業者のお客様が増えてきて
嬉しい反面、品定めをされているかのような感覚に。

”「世界一」よりも、自分の目の前で食べている人が自分にとって一番美味しいと言ってくれることが、料理を作る自分の大きな価値だ”

そう強く思うようになったそうです。

そうしてミスチのコンセプトが出来上がりました。

世界一じゃなく、あなたの人生最高に。

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自分のことを
過大評価も過小評価もせず、
過不足なく相手に伝えること


本当にいいものを、ちゃんと伝えるために、
田村さんが常に意識していることだそうです。

例えば、
「北海道産のクリームチーズを使っている」
という情報を押し出して
必ずしも美味しいチーズケーキが作れるとは限らない。
あくまで自分たちの技術に誇りをもち、
食べた人がどういう気持ちになるか、
意識や行動が変わるか。
自分たちをよく見せることと、情報量を増やすことは比例しないのです。

シンプルだけど、まっすぐに。

それは、今ミスチがチーズケーキ一本で戦っている理由でもあります。

確かに、選べる楽しさは豊かさにつながります。
でも、選ぶという行為は意思決定の数も多くなるし負荷もかかる。
ある種の苦痛につながるのです。

一種類にすることで、
口コミが一点に集中するから信頼が何倍にもなる。
率直な意見が伝わりやすいし、想像しやすい。
そしてブランドと商品のイメージが一つになってゆくのです。

たった一つの商品で、
「これが、最高なんです。」
と伝えたい。
受け入れてくれる人に届けたい。

長く愛されるブランドを作り上げるためには、
長く愛される商品が必要です。

作り手が、一生作り続けたいと思える一品を。

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学生時代、野球を中途半端にやめてしまったこと。

20歳で料理の世界に飛び込んで、時給400円の世界で
コンビニのバイトの方が給料をもらえてる時期もあったけれど、

「お前は10年後どうにかなる可能性が高いから、
今はとにかく続けろ。」

そう師匠に言われたこと。

そして、田村さんの根っからの負けず嫌いさ。

辞めたいって何度も何度も思ったけれど、
これが田村さんを引き止めてたから、
どんなに苦しくても
罵声を浴びせられても
続けようって思えたそうです。

「物事はある程度継続して向き合わないと、
それが自分に向いているかすらわからない。

その瞬間の感情だけで、
自分の人生を不意にしてしまうのはもったいない。

自分の人生の時間を、どこにかけるのか。

結局人は、意志の乱れがないところに落ち着く。

30歳、フランスで働いている時、
父親が亡くなった。
人の人生って一瞬で終わるんだ、って。

明日、死ぬかもしれないのに、
今日、一生懸命生きなくていいのだろうか?」


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自分の家族が、
会社のスタッフが、
仕事も、人生も、
楽しく生きてくれること。

その上で、チーズケーキだけでなく
料理の能力を多方面に広げていきたいし
それで自分が伝えたいものを届けられる人が増えればいい。

自分も含めて、
自分に関わった人全てが成長すること


それが今の、田村さんにとっての幸せだそうです。


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「自分で何か課題を立てることが今後の糧になる」

田村さんは常に課題を立て、
解決するために試行錯誤を重ねています。

世の中や環境の変化にどうアジャストさせていくか。

コロナで大打撃を受けた飲食業界。
ミスチは幸いにもECでビジネスをしているため
ほとんど影響を受けなかったものの、
次何か起こった時に生き残れるかはまったく別問題です。

経営者として、
スタッフが成長するためには環境を整えることしかできません。

スタッフが成長しやすい環境を整えること、
どうやって時代の流れを掴んで、会社と自分を合わせていくか、

大切な課題です。

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ミスチをグローバルなブランドに成長させること。

ミスチに限らずいい商品を生み出して、
手に取った人が豊かになるようなものを作りたい。

料理人として、
いつか、
自然に囲まれた場所で宿泊兼レストランを開きたい。

3部屋くらいしか泊まれないところで
みんなで同じテーブルを囲んでディナーを食べて、

自家製酵母のパンを食べてもらって、
残りは、朝サンドウィッチにでもして二度美味しく。

のんびりするだけ。
焚き火をみるとか、水の音を感じるとか、
自然と一体となれる施設をつくりたい。

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「自分の可能性を、自分で狭めないで。」

料理人は、レストランを開くもの。

そんなことは全然なくて。
自分が持っている能力をきちんと理解して、
どういう領域でどうやって使うか考えるだけで
世界が広がることを実感した。

学ぼうと思えば、何歳からでも学べる。
挑戦しようと思えば、年齢なんて関係ない。

自分の足でいろいろなところに行って、
いろいろなことを体験して。

「自分の人生には、関係ないな。」

そう思うことほど、自分の人生を変えたりするから。

可能性は、いくらでもあります。
自分で自分を決めないで。

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本当は、ひたすらにいいものを作ることだけ、
アートだけに集中したい。

アートは本質的な表現、物事の根幹にあるもの。

でも、
アートだけで人生は回らない。
そこには必ずビジネスが必要。

アートとビジネスは決して両極端なものではなく、
グラデーションになっていて、自分の立ち位置をどこに置くか。

アートを人生の中心に添えられるようにしたいから、
ものを作り続ける自分の人生がアート。

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この世に、当たり前なんて一つもありません。

誰に決められたからとか、
こんな風に思われそうだとか、
周りの大半はこうしているからとか、

そんなことは、どうだっていいんです。

ただ、直感でもいいから
自分を信じて、自分が進みたい道を選んで、
少しでも足を前に踏み出せる限り歩き続けること。

そして、
自分の中の自分を少しずつ組み立てていくこと。

結局そういう人が、すごく、
すごくかっこいいのです。

田村さんは、私のような一学生に対しても
「何か力になりたい」と、とてもあたたかく接してくださりました。

前に踏み出す怖さと勇気、その先に訪れる幸せを教えていただきました。
それがこの記事を読んでくださったあなたにも伝わっていたら嬉しいです。


貴重なお話をしてくださった田村さん、
最後まで読んでくださった皆さん、

本当に、ありがとうございます!

おわり

終わり

(※本インタビューは2020年6月8日に行われたものです。私の主観も入っているので、意見の相違があるかもしれませんがご容赦ください。記事中の画像はGoogle検索から引用してきたものです。)


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