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夏の千曲『路上のさようなら』~千曲と私⑦~

夏らしくなってきました。
そろそろ納涼を見る時期です。

すみません。分からない人 多数ですね。
ファン以外の人には通じないマニアむけ投稿なので控えてましたが?一昨日に「千曲と私」シリーズにスキをつけてまわってくれた方がいて、嬉しくなって書きたい衝動がむくむくと 笑

※  ※  ※


夏になると、私は毎年「OLYMPIC」というアルバムを取り出す。

多分もう30年以上も欠かしたことのない、夏の恒例行事。
何年たっても色褪せない。

千里さんの夏曲といえば
夏休みは~ぜったい~短い~♪
とポンキッキーズでかかっていた「夏の決心」が有名どころなのかな。

私の中では
「回転ちがいの夏休み」「路上のさようなら」
この2曲が
<もうどうしようもないほど夏> なのだ 。
夏がくると無性に聴きたくなる。
そして、このアルバム全曲が、まるでひとつの曲のように勢いをもって、一気に私を駆け抜けていく。

特に「路上のさようなら」を聞くと、ちょうどどっぷり千里さんに浸かっていた看学時代の夏を思い出す。

『じゃり道に砂埃あびて 路線バスにはさまれて走るよ』 とか

『ひものとれたうすい靴の底で 溶けそうなコールタールを踏みつけてく』 とか

『昨年より湿気の多い部屋を この夏の太陽が焦がしていく』 とか

歌詞の中には彼特有の、こんなディテールが散りばめられていて、その場面の気温や地鏡や太陽の高さまで思い浮かぶ。それが、その時聞いていた寮生活の湿気と重なっているからなのか、私の二十歳前後の熱い夏に繋がっていく。

夏の地下鉄の開いた窓から入り込む、湿ったにおいや
パラソルの下で友達と見ていた 人ごみだらけの午後の海や
大通り公園をシャツびっしょりで急ぐ人や……

快晴の爽やかな夏、ではなくて、
もっと汗くさい夏、のイメージ。

「夏の決心」は爽やかなイメージだがこの2曲は湿気の混じる感じ。

生きている「疾走感」みたいなものがテーマなのかなって思い始めたので、ぼんやり「スポーツ」をイメージしていました。~中略~肉体的な作り方をしてるなあって。

ライナーノーツを読んで、あぁ、これだったのかな、私が感じたもの、と自分なりに納得したことがある。

多分、千里さんの作ったイメージ、当時20歳前の私なりに少しは受け止められたのかな、と勝手に思いつつ聴く今年の「OLYMPIC」

なんだか感慨深い。

そして、転調を重ねるサビが夏の中の切なさを感じてぐっとくる。

Early summer days
まだ今年の夏はこれから

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