読書会ってどんな場?ー豊かさに触れたくて

「リベルの読書会」に参加しました。

「読書会」に対するイメージって、どうでしょう?
私自身は、本は好きだけど、読書量がそう多くありません。
実に勝手ながら、読書会というのは、「読書量が半端ない人が集まるところ」とイメージしていました。
なので、興味はあっても二の足を踏む状態でいたのですが、今日参加してみて、とても楽しかったので、お話したいと思います。

自己紹介しなくていい

「リベルの読書会」に興味をもったきっかけは、「自己紹介しなくていい」と紹介ページにあったからです。
何かのセミナーやワークショップに行くと、だいたい、「同じテーブルの人どうし自己紹介をしましょう」というようなことがあると思います。
わたし、あれを嫌いではないんだけど、どこか、違和感をもってしまうことがあります。
自己紹介するときって、名前や、会社や仕事や、そこでの自分の役割なんかを話す人が多いです。そのこと自体は良いと思います。
けれども一方で、私が何かのワークショップに行くとしたら、属性や所属から離れて、「何者でもない私」として、その場にいたいという気持ちを持ちます。
ほかの参加者の方が話すことについても、フラットに聞きたいと思います。
なので、ワークショップ的な場で、自己紹介するの、本当はそんなに必要じゃないような気がします。
(名前は知りたいです。呼びかけられないものね)

リベルの読書会では、自己紹介をしません。
名前を私は言ったけど(もしかしたらそれも決まりではないのかも。わかりません)、今日自分が読む本のことを参加者それぞれ話して、それぞれに本を読み、読後にまた、お互いにその本を話し、聞きあいます。

「本」を通して、お互いに思ったことを話すという、わりとピュアな場だと思いました。

「何者でもない私」として、その場にいることも心地よい時間でした。

※「自分について話してはいけない」というのではなくて、「自分について話さなきゃいけないというルールがない」っていう場所だと思います。

本好きな人の顔は、「まるい」

「顔の形が丸顔の人ばかりです!」ということではないですよ。
今日、参加して、他の参加者の顔を見ていて、そう感じたんです。
話している内容もやさしい言葉で、トゲトゲしたところがなくて、その人たちの顔を見ていると、人としての印象が「丸いなあ」と。

印象的だったのは、ある方が、読んだ本の一節を紹介しようとしてくれて、でもその一節の箇所が見つけるのに少し時間がかかったときのこと。
その方は待たせてるのを少し気にされたのか、「すみません~、探してる間、みんなで話してて。」とおっしゃったのですが、そのときみんな、別の話を無理にしようとせず、自然に待ってたんですね。

その待ってる間、だれも話さなかったんだけども、私は「この無言、いいね」と思いました。

無言の状態が生まれると、無理に話題を作ろうとする場面って、日常ではあると思いますが、それはそれで不自然さを感じることもあります。
でもこのとき、特別待たされてるという感覚を、私は持ってなかったし、きっとほかの人もそう感じていたのでしょう。
その待ってる時間、私は好きでした。
紹介してくれた一節が素敵だったから、やっぱり、黙って待ってて正解だったと思う。

これがせっかちなタイプの場だったら、「待つ豊かさ」は得られていないでしょう。
場を自然に居心地のよいものにする人たちの顔は、まるくて、かわいい。

感じたことを共有するのが楽しい

本を通じてのつながりだからか、それがあれば、「今話したことって、私もこう感じてました」とか、お互いに思ってることを共有しやすいと感じました。
私は、ちょっと難しい本を読んでいて、それを人に説明するのはとても大変でした。「ここがとてもよかった」ということを話したら(少々鼻息荒かったかもしれないのだが)、そこに反応してくれる方がいて、とてもうれしかった。

「本」というのは、基本的に、作者と読者との静かな対話の場だと思います。そして、「文字」のみによるコミュニケーションだから、作者が書いたことを、読者が脳内で想像したり、思索したりする「幅」が非常に広いです。
映画や音楽というのは、情報を構成する要素が本より格段に多く、それゆえに、人によって好みがわかれるものだと思います。
もちろん、本にも、人による好みはありますが、「想像の幅」が広いことで、お互いに共有できる「きもち」を見つけやすいのかもしれないと思いました。

本を読んだり、文章を書いたりするのは好きだけど、だれかと話して、やりとりできると、読書をさらに味わうことができます。
とても豊かな気持ちになりました。
私は、いろんな人にとっての、好奇心を知的に、豊かに育てられる場を得たいと気づけた場でした。

また参加したいと思っています。
読書会に興味のある方の参考になれば。

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