荒地の家族 著:佐藤厚志
坂井祐治が主人公である。冒頭にそのまま出て来るがその後(ご)は祐治である。やっぱり男性作家の書く書物は時系列があやふやでは無い。震災を経験し、復興途中である阿武隈川に沿った亘理町を舞台に、シングルファザーの祐治は奮闘する。造園業を生業として息子啓太と母和子の三人住まい。和子は祐治の母である。啓太のお婆さんだ。
役場の河原木と造園を頼まれた六郎さんの息子の明夫。河原木と明夫と祐治は同学年である。河原木から仕事を請け負う事も多かった祐治は釣りを河原木に薦められたりしながら日