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#45 【予想外の連続】出産しました

計画無痛分娩日に生まれなかったマイペースBOYな我らの赤ちゃん。

その翌週の健診の際、心拍が心配な状態が少し続き急遽入院となり、その翌日、もう一度誘発分娩をして産んじゃいましょう、と言われた。

先生が「産んじゃいましょう。」というのだから、出産予定日も超過しているし産まれるもんだとばかり思っていた。

が、またもや産まれなかった。

誘発分娩は、陣痛誘発剤がうまく効く人とそうで無い人がいるとは知っていたものの、こんな妊娠週数が経っていても、本陣痛が起きないものだったなんて。

ここまできたら「自分の誕生日は自分で決めてやる!」という強い意志が伝わってくる。

妊娠41週中を限度に、誘発分娩か最終手段は帝王切開で出産を目指すことになった。

誘発分娩のための入院初日、朝から陣痛促進剤の点滴を入れる。
点滴前から少し張りを感じていたので、それに乗っかるように少しずつ強めの波が押し寄せてきた。

「今日はなんだか産めるかも?」と根拠のない自信が湧いてくる。

その調子でお昼ご飯の時間になり、美味しそうな料理が運ばれてきた。デザートにシャインマスカットまでついている。

「よーし食べるぞ。」とサラダに手をつけた瞬間、5-6人の医師と助産師が病室に入ってきた。


「赤ちゃんの心拍が落ちている。」

え...さっきまでドンドコ胎動も感じていたし、急にどうしたんだろう??とパニック状態。
四つ這いになり、酸素マスクを装着されしばらく観察を続けるも、赤ちゃんの心音はいわゆる徐脈という状態のまま。

「緊急帝王切開に切り替えたいと思います。お母さん良いですか?」
と、お医者さんから告げられ、なす術もなく頷いた。夫へもすぐに電話をして承諾してもらった。

そこからは、嵐のように一瞬だった。

テレビで見たことがあるようないわゆる「手術室」にタンカーで運ばれて、全身の服を脱ぎ、硬膜外麻酔を背中に入れる。
一瞬で下半身の感覚がどんどん無くなって行く。
目の前はカーテンで仕切られ、両手は横に伸ばして紐で縛られる。
まさに「まな板の上の鯉」とはこのこと。

あっという間に準備が終わり、手術が始まった。

お腹を押される感じや引っ張られる感じがわかる。
開始から5分ほど経った頃、「赤ちゃんを出すのにお腹を押しますからね、力を抜いていてくださいね。」という声掛けがあった。

声掛け通り、ぐにゅっとお腹を押される感覚があった数秒後、うにょっと何かが出る感覚と共に元気な産声が聞こえた。

「おめでとうございます。無事に産まれましたよ。赤ちゃん元気ですからね。心配しないでくださいね。」

お医者さんからの言葉と、聞こえてきた産声に安堵して、「ありがとうございます。」と伝えながら静かに涙が溢れてしまった。

赤ちゃんは、どうやらお腹の中で臍の緒を襷掛けしてしまっていたようで、一時的に酸素がうまく送られず苦しくなってしまっていたようだった。


その後のことはほとんど覚えていない。

出血があったことと、お腹を大きく切ったこと、麻酔の影響などが相まって、おそらく気絶したように眠っていた。

次に気づいた頃には、あらゆる処置が終わり点滴を入れた状態でベッドの上に寝かされていた。

赤ちゃん誕生の数時間後、新幹線で病院に駆けつけてくれていた夫が到着した。
出産立会いを希望していたけど、結局緊急帝王切開になってしまって、その希望は叶わなかった。

それでも、「頑張ったね。元気な赤ちゃんを産んでくれてありがとう。」と素敵な言葉をたくさんかけてくれた。

こんな形にはなったけど、無事に赤ちゃんを産むことができて本当によかった。

妊娠から出産まで、たくさんサポートしてくれた夫と、お腹の中ですくすくと育って無事に産まれてきてくれた赤ちゃんには、感謝してもしきれない。

本当に本当に、ありがとう。


産後2日経とうとしている今、帝王切開の痛みが癒えず、そこにガチガチに張った胸の痛みがプラスされて、全く寝れなくなってしまった入院中の母が綴る、人生で初めての出産体験記。

これから先に起こる様々な出来事も、家族で協力して乗り越えていこうね。

家族っていいな。

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