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📖読書記録📖『変な家 文庫版』

読書紹介記事を書く青沼りんです。

今回は、YouTubeから話題沸騰したYouTuberホラー作家による不気味な後味を残した一冊をご紹介したいと思います。




●今回ご紹介する本『変な家 文庫版』

雨穴 著
株式会社飛鳥新社
2024年1月31日 第1発行


●あらすじ●

物語はオカルト専門のフリーライターである筆者がとある知人から相談を受けた事から始まります。
その知人は購入を検討している中古一軒家の間取りに不可解な点があることから「オカルトに詳しいから」という理由で筆者に白羽の矢がたちました。

送られてきた間取り図を確認すると、建築に知識が乏しい筆者でもわかるような「謎の空間」がありました。
そこで筆者は専門家に意見を求めようと大手建築事務所に勤める設計士の栗原さんに連絡を取ります。

その間取り図を一通り見た栗原さんはなにを思ったのか、あくまで与太話と称して「この家が作られた不気味な仮説」を話し始めます。

その与太話を抜きにしても、その物件は購入しない方がいいだろうという結論になったので、筆者が知人に連絡をしたところ、知人も結局はその物件の購入を断念していました。

理由を聞くと、その物件の近辺でバラバラにされた遺体が発見されたという不可解な事件が起こっていたからでした。


●感想●

「変な家」は映画化されたことで知り、まずは雨穴さんというYouTuber動画を視聴しました。

動画内の「雨穴さん」は声は可愛らしいのに全身黒タイツで粘土で粗く作ったかのような不気味なお面を付けたビジュアルをしています。

私自身ホラーは苦手ですが、物語の展開に引き込まれて結局最後まで見て後味の悪いオチにゾッとするのにまた観たくなるという中毒性のある作品でした。

動画の「変な○○」シリーズはひと通り観たので、いよいよ原作の「変な家」を手に取りました。

実はこの時、読書をする時間が寝る前しかなかったので、「こんな時間に読むモンじゃねえ」と内心ビビりながらもなんとか読了しました。

物語は筆者視点での会話形式で話が進み、間取りの各ポイントの話になった時にはそのポイントが同ページに挿絵として記載されていたりと、読みやすいレイアウトになっていました。

動画での「変な家」は原作にするとまだまだ序章にすぎなくて、そこからまた物語があれよあれよと展開していって、思いもよらない結末を迎えます。

私は文庫本を読んだのですが、それには書籍版にはない「栗原さんによる後日談」が新たなあとがきとして掲載されていました。

あとがきの内容は私も読んでいて気になっていたことだったんですが、栗原さんによる与太話、これがまた不気味なんです。

原作ではなかなか良い終わり方だったゆえに、栗原さんの与太話によって物語の印象が180°変わりました。

人間って怖い。

これに尽きます😅

ミステリーものはネタが底をついたと日々言われるジャンルですが、「変な家」はミステリーの新たな切り口を斜め45°…いや斜め76°に切ったような作品ではないかと思います。

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