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何者でもない一人の人間として話し合うことの大切さ~哲学シンキング体験セミナー~

みなさんこんにちは。りんです。
今日は「哲学シンキング体験セミナー」に参加してみての気づき・感想をお届けします!

1.哲学シンキングとは?

Googleやアップルでも注目されているビジネスの武器になる「哲学の思考法」です。
最近はCPO(Chief Philosophy Officer)という肩書もあるようです。

「哲学シンキング」をサービスとして提供されているクロス・フィロソフィーズ株式会社さんのHPによるとこう書かれています。

哲学的な思考法に着想を得て、アイデアワークや、ビジョン・コンセプト策定、組織開発・人材育成、マーケティングリサーチ、デザイン思考の補完などに活用できるようにしたメソッド
https://tetsugaku-thinking.com/method/


2.興味のきっかけ

自分で読書会や勉強会等主催するようになりもっと充実した学びの場にするにはどうしたら良いのだろうと考えていた時にこの本を薦められたのがきっかけでした。

この本は和菓子屋のおばあちゃんと孫の勘太くんを中心に物語形式で話が進む中で「哲学シンキング」のメソッドを理解していくもので、とてもわかりやすかったです。

とても面白くてワークショップデザインに役に立つかもしれないと思いそのままの勢いでクロス・フィロソフィーズ株式会社さんの主催される体験セミナーに申し込みをしました。


3.体験セミナーレポ

まずは先ほどの本の著者でもある吉田さんからレクチャーがありました。

1)哲学の本質とは?

世の中一般(この言葉の定義も難しいですが)では哲学といえば著名人の経験や教養をもとにした人生訓・格言・価値観とと言われることが多いですが、本来の「哲学する」ということは

なぜそう言えるのか?
これはどう意味なのか?
本当は違うのでは?

と問うていくプロセスを指します。


2)ビジネスへの現場への応用

哲学とビジネスって一見結び付かないイメージですが、例えばこんな場面で活用されているそうです。

ヴィジョン・コンセプトの構築・共有
商品開発・アイデアワーク
マーケティング・リサーチ

などなど実際のビジネスの現場でも使われています。

3)実際に体験してみる

さて、これからは本でしか読んだことのなかった哲学シンキングの実践です。
こんな流れでワークショップは進みました。

0.場をつくる
 ↓
1.問いを集める
 ↓
2.問いを整理する
 ↓
3.議論を組み立てる・視点を変える
 ↓
4.振り返り

テーマは「コミュニケーション」

これについてグループに分かれてディスカッションしていきました。

まずはコミュニケーションについての問いを考え、みなさんから募りました。私たちのチームでは9つ集まりました。

a.リモート環境でコミュニケーションはどう変わるか?
b.動物とのコミュニケーションを取ることは出来るか?
c.コミュニケーションはなぜ起きるのか?
d.コミュニケーションを日本語に訳したときにぴったりくるものは何なのか?
e.オンラインとオフラインでコミュニケーションはどう違うのか?
f.究極のコミュニケーションとは?
g.コミュニケーションに失敗するとひどいことが起こるのか?
h.上手なコミュニケーションとは何か?
i.コミュニケーションによって人が幸せになる方法?

そしてこれらを整理・分類していきます。
例えば、bとdはコミュニケーションの本質を問うているのではないか、aとeは環境に関する点で共通なので同じカテゴリで分類できるのではないか?
という感じです。

そのうえでさらに深堀していきます。
私たちのチームではまずaとeについて話し合いました。
その中でオンラインとオフラインは情報の量と質が違う、どちらが良い悪いではなく目的に応じて使い分けるのがよいのではないか?
といった結論になりました。

そしてさらに
「コミュニケーションの本質の問い」へのテーマは移っていきました。
b,c,d,fあたりの問いですね。

「人はどういったコミュニケーションを求めているのか?」
という問いに始まり、
「幸せになるためにコミュニケーションをしているのではないか?」
というところから
「幸せになるため」といった目的の話になり、
「コミュニケーションには必ず目的があるのでは?」
「では「亡くなった方への手紙」のようなものはコミュニケーションなのか?」
「アートはコミュニケーションなのか?」
「発信者と受け取りてのタイミングや時間のずれがあるコミュニケーションもある」
といったコミュニケーションの方向性(双方向なのか、片方向なのか)の話に発展し
であれば「独り言はどうなるのか?」
「自分の中の意識と意識。複数の意識があれば成立する」
「究極のコミュニケーションはテレパシーなのではないかと思う」
といった話にまで発展しました。

4)哲レコ体験

グループワーク後は今回、グループワークの際にファシリテーターの方が行っていた「哲レコ」(議論の広がりを樹形図のように書いていくメモ)を実際に自分たちでもやってみて終了しました。

4.感想

まずは「問いに始まり問いに終わった」という勉強会が新鮮でした。
「答え」でなく「新たな問い」を持って帰る新鮮さ。
これによりさらに自分の思考を深めることが出来るのだなと実感。

最後のワークで個人的には
「コミュニケーションには必ず目的があるのだろうか?」
「例えば無意識に行っているコミュニケーションは目的があると言えるのかどうか?」
といった新たな問いを得て終わりました。


そして私が一番の気づきだったのは
何物でもない一人の人間として意見し、話し合うことの大切さ
でした。

この会の自己紹介の時によファシリテーターの方が「会社名は言わないでください。それにひきずられて自由な意見・アイデアが出なくなったりするので」とおっしゃっていたことが非常に印象的で。

それだけ普段私たちは所属企業の知名度・規模・肩書等によって影響を受けるということでしょう。

実際参加された方の感想で「仕事と思わずに意見した方が良いですね」とおっしゃる方もいて、普段の職業によって思考が枠にはめられているのかもとも思いました。

私は逆に普段から本業以外の外の方たちと読書会・勉強会をすることが多く自分でも主催しています。

そこではそれこそ肩書とか一切関係なくフラットな関係で意見し、ディスカッションします。
会社名は言うときも言わないときもありますが(会社名を言った方が何をやっている人がわかりやす場合もありますしね)
にも拘わらずフラットな関係を作れているのは「ニックネーム」で呼び合うことが大きいことに気づきました。

私が参加してきたコミュニティは基本的にニックネームで呼び合うのが普通だったのでもう習慣化してますが、それにより普段の立場や肩書を離れて、「ただの一人の人間になる」という効果があるのではないかと思います。

だから忖度なしに意見を言い合えて心理的安全性が保て、議論が活発になるし新しいアイデアも出やすくなる。
いまやあたり前になっていて気づきませんでしたが、改めてその重要性に気づきました。
(ちなみに私は今回の体験セミナーでもニックネームで通してました(笑))

参加する本人としても本来の自分に戻ることができその場を楽しみやすいのではないかとも思いました。

そう考えると改めてサードプレイスとしてのコミュニティに属し学ぶことの意義を見直せたのは大きかったです。

元々自分で開催している読書会・勉強会をブラッシュアップするヒントを得るために参加しましたが、場の設計の仕方から議論の深め方まで色々と得るものが多く、とても有意義な時間でした。

みなさんも良かったら本を読んでみてくださいね。

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