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【ショートエッセイ】スランプをぶっ飛ばせ!

このところ毎日のようにエッセイを書いている。
数百ページの小説もほぼ書き終えた。
適切な表現では言えないけど、調子がいい。
しかし過去に何も書けなくなった時期がある。
一カ月くらい一行も書けなくなった。
スランプってやつかな。

プロ野球選手のバッターが打ちまくっていたので、急に打率が下がってしまうことがある。
なぜなのだろうかと勝手に考えてみる。

血の滲むような練習を積み重ねて技術を磨く。
しかし完全体なんて存在しない。
上手く打てる球種もあれば、苦手な球種もあるだろう。
体調にも気を使って、得意な球種に絞って狙い打つ。
練習は嘘をつかないからヒットを量産。
気持ちが乗ってくれば、目を瞑ってでも得意な球種を打てる。
しかし人は常に向上心と向き合っている。
もっと打ちたい、苦手な球種も打てるようになりたい。
アスリートとして当然のことだが、これが諸刃の剣となる。

疲労が蓄積した身体で苦手な球種に手を出す。
バットの軌道にほんの一瞬のずれが生まれる。
やがて特技な球種へのスウィングにもタイミングが合わなくなる。
プロの世界では、好調を維持し続けること自体が至難の業なのだろう。

それに比べれば、ぼくのスランプなど取るに足らない。
ただ飽きただけとか、仕事が忙しかっただけとか、その程度のことである。
プロ野球選手からしたら、そんなものスランプなんて呼ぶに値しないと一喝されそうだ。

ぼくもそんな身を削るような思いで執筆に臨みたい。



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