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スタバのマニュアルを作らない戦略が凄すぎる

誰もが一度は利用したことがあるのではないでしょうか?
日本国内に店舗が1700店を超えるスターバックスコーヒー。

カスタム可能なメニューや店舗ごとに異なるくつろぎ空間などスターバックスにはさまざまな特徴がありますが、その中でも特筆すべきは接客です!

スターバックスの接客はどこの店舗に行っても店員さんの対応が、にこやかで気持ちよく、ちょっとした心遣いが嬉しいものです。カップに書かれたメッセージはしばしば評判になりますし、注文に迷っていたらおすすめをしてくれることもあります。

実はそのお客さんの心を捉えて離さない接客サービスの秘密は「マニュアルがないこと」なんです。つまりスターバックスの接客サービスは従業員が自発的に行っているものなんです

Q なんでスタバは接客マニュアルを作らないの?

どういうこと?って思いますよね。
スタバは接客をマニュアル化するとその良さが消えると考えいて
あえてマニュアルを作らない戦略をとっているんですね!

マニュアルって従業員にとってめちゃくちゃ大事だし、全否定はしません!

実際チェーン店のファーストフードや牛丼屋みたいに、いつもと同じ変わらない味が求められる業態。つまりいつ誰がやっても同じ作業で、同じ結果が求められる仕事はマニュアル化がめちゃくちゃ大事!

ベネッセや日本マクドナルドの社長を歴任された原田泳幸さんは
「マニュアルはバカをつくるものではなく、最低限の基礎づくりとして必要なものだ。
 クルーがより高いレベルに達するためにマスターしておくべき必須科目である」

っとマニュアルを最低限の基礎作り・必須科目と位置付けて、重要性をうたっています。

そして無印良品でおなじみ良品計画名誉顧問 松井忠三さんはマニュアルについてこうおっしゃっています。

「基本的なマニュアルがあれば逆に改善点や問題点が見えやすくなり、新しいアイデアが生まれる。そしてその発見をマニュアルの更新によって「見える化」し共有すれば会社の資産となる。」

結果、松井さんはマニュアルを元にした業務改善で無印良品の業績をV字回復させました。

でもマニュアルにもデメリットがある。
ユニクロでおなじみファーストリテイリング社長の柳井正さんは

「マニュアルは大切だがマニュアルに頼りすぎるとバカの大量生産になる」
っとマニュアルの必要性と共にマニュアルが抱える危険についても警報を鳴らしています!

業務をマニュアル化すると毎日同じことをやるのが癖になるし、思考停止の作業が増えていく。

その結果、創意工夫や自分で判断して行動する力はどんどん衰えていき、
特に臨機応変さが求められる仕事はマニュアルで縛るデメリットの方が大きいと柳井さんは言っています

例えば、まだスマホなど携帯が普及していない90年代の時のユニクロの話です。
子連れのお母さんがユニクロにきて、子供が病気だから電話を貸してほしいと全力で定員に訴えてきたことがあったそうでう。

でも当時の店長は、お客さんの私用に電話は貸さないってマニュアルをかたくなに守ってそのお母さんの申し出を断ってしまった。

みなさんどう思いますか? 今と違い、携帯がない場合の話です。
この店長の行動は完全に間違ってると思いませんか?

結局、後日、本部にクレームが入って、ユニクロは謝罪するという流れになったそうです。
マニュアルで縛りすぎると、こういう問題が起こってきれしまう

そこから柳井さんはこの教訓を活かしたため、ユニクロには全てにマニュアルを用意することはしていないという体制を整えたそうです。

このマニュアルの例にもあるように「失敗には花束を贈ろう」の精神で、失敗を次に生かし続けてきたから今の時価総額10兆という日本の大企業にユニクロは成長したんだね。

Q ユニクロの話はよく分かりました!スタバの話はどうなんですか?

スタバの話に戻しますね!
ユニクロの例にあったように要はマニュアルも使い分けが重要であるということです!
これは、スタバも取り入れている考え方なんです

スタバの人事担当者が答えてるけど、スタバもドリンクのレシピなど、品質にかかわるルールは厳しく定められています。

一方でお客様へのサービスに関するマニュアルは、アルバイトも含めて一切ありません。
スターバックスならではのホスピタリティを実現するためには、マニュアルで細かく縛るよりも権限を委譲して、パートナー個々の自主性や創意工夫をどんどん引き出したほうがいいとスタバは考えているからです。

実際、東京築地のスターバックスで、お客さんから市場で買った魚を一時的に預かってほしいと言われた時、現場の判断でこの魚を預かったという逸話がある

マニュアル漬けの接客だとこの対応はできませんよね?
でもスタバの考え方から逆算して臨機応援にお客さんにとって最良の選択をする
その結果、こういう接客が生まれてきているんですね。

Q マニュアルを無くせば、接客が良くなるんですか?

もちろんただ単に従業員に投げっぱなしにしているだけでは、接客はよくなりません!

スタバの人事担当のインタビューの中で紹介されているんだけど、「ミッション宣言」というあるべき姿の共有に始まり、「組織のフラット化」「現場への権限委譲」そして「コミュニケーション」「キャリアパス」など、人事制度全般が非常に綿密に設計されていることは接客対応が良くなる要因の1つです。

また、他のスターバックスのインタビューの記事で
従業員のお客様に対する行動に対してコーチングとフィードバックを行っていると書かれており、マニュアルがないからこそ、従業員へのフォローを欠かしていないことも重要なポイントなんです。

さらにスターバックスは「マニュアル」ではなく「綿密な教育プログラム」という手段でオペレーションの徹底的な標準化を図っています。

例えば、新人は店舗のオペレーションを学ぶために、正社員、アルバイトの区別なく全員が同じ教育プログラムを受講します。

最初のステップである「バリスタ(ドリンクをつくる技術者)」の研修だけでOFFJTが4クラス、OJTが7つのモジュールの計11プログラムがあり、合計26時間を要するそうです。

このような仕組みがあるから、スターバックスのスタッフは失敗を恐れず、顧客の状況に合わせて自主的に動けることが分かるよね。

要するに
スターバックスに接客マニュアルがないのは、ポリシーでもあるホスピタリティを実現するためということなんだね

もっと言うと、スターバックスにとっての接客は「手順の定まった誰でも同じようにこなすべき単純業務」ではなく、「感覚や知識から高度に判断する本来業務・付加価値業務」なのだということ

付加価値業務とはどんな企業にも14%ほど存在するもので、その企業が重視するポリシーや理念そのものを反映する、重要な業務と言われている。

スターバックスのポリシーとしてホスピタリティを重視しているからこそ、接客に付加価値を与えられるよう、あえてマニュアル化していないんだね

ちなみにスターバックスの事例を安易に「従業員の自主性に任せれば良質な接客ができる」と捉えるのはリスクがありますよ。
大事なのは企業としてお客様にどんな価値や品質を提供したいのかを見極め、必要な部分は徹底的にルール化することです。手順をまとめるとこんな感じになります。

①    「ルールを守るところ(基礎)」と「自主性を尊重するところ(応用)」を区別する。
②    ルールを徹底するための「しくみ」を構築、運用する。
③    「しくみ」=手段は、その会社にとって最適なものを選択する。

ここでいう「基礎」とは、特定の業務を正しく再現して実行できる、ということです。
「守破離」に例えるなら、基礎は「守」の部分。「守」があってはじめて「破・離」、つまりほかの人のやり方を真似る、あるいはそれらから新しく自分なりのやり方を生み出すといった自主的な動き、応用ができる。

この守破離を実行しているのがスタバなんですね。

スターバックスには、一般的な飲食店なら必ず存在する「接客マニュアル」がありません。これはスターバックスが目指すホスピタリティの実現に向けて、従業員に自発的に創意工夫をこらした接客サービスをしてもらうための方針です。

こんな素敵なスタバに今度行くのが楽しみになったんではないですか?
ぜひコーヒーを味わうだけではなく、従業員のホスピタリティも感じてください!

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