私にとっての『星の王子さま』
『星の王子さま』を読むきっかけになったのは手塚治虫の『火の鳥』です。
この作品中で一文が紹介されていたので、一体どういう作品なんだと気になって図書室で借りて読んでみました。ざっと15年くらい前だったと思います。
そこからハマって星の王子さまミュージアムやSAに出向き、今で言う推し活のようなことをしていました。
この15年の間にこの作品だけで10回近くは読んでいると思います。人生に疲れたときに読みたくなるんですよね。
蛇足ですが、私は内藤濯先生が訳したものが一番好きです。
初めて読んだ時は何を言っているかよくわからなかったのですが、バラと王子さまの関係性がすごく気に入った記憶があります。
そして読む度に新たな発見をしています。
幼かった時には作品の表面しか読めなかったのに、大人になるにつれて、ここはこういうことかな?と思ったり、わがままにしか思えなかったバラがとても魅力的なことに気づいたり…。
『星の王子さま』を読むたびに「自分はこんな大人にならないぞ」と決意していたはずなのにいつの間にか王子さまが出会う大人達に自分が近づいていることに気づいてしまって凹んだりしています。
私にとってこの作品は人生を生きる上での教科書みたいに思っています。
子供の心を忘れてしまっては、人生は砂のように味気ないものになってしまうのでしょう。
心の目で見ることを忘れてしまっては、人との関係の中にある大切な何かを見逃してしまうのでしょう。
相手を懐かせることを忘れてしまっては、人と深く繋がることができなくなってしまうのでしょう。
もしこれらを失くしてしまっても生きていくことはできるとは思いますが、それは砂漠の真ん中に置き忘れられたような気持ちで生きていくことと等しいことなのだろうと私は思っています。
しばらく読んでいなかったのですが、お話ししていたらなんだか無性に読みたくなってきました。
最近内藤濯先生訳の文庫本を手に入れたのでもう一度読んで人生を見つめ直したいと思います。
余談ですが、『星の王子様』の作者サン=テグジュペリの残した言葉の一つに
「愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである。」
というものがあります。
私は恋愛には疎いのですが、この言葉はなんだか心にしっくりはまり込みました。
いずれか同じ方向を見ることができる人と出会いたいものです。
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