見えない利益を普段から無意識に享受しているのに顕在化した損失を声高に糾弾するのはフェアじゃない
一時期宮迫さんの吉本解雇騒動の時にお笑い芸人界隈はざわついていました。
そのときはここぞとばかりにいろんな芸人さんが吉本興業の不平不満をSNSに投稿していました。
正直この件に関しては僕はどちらが正しいとかはわかりません。
でも、こんなふうに一挙に不満が噴出することってありますよね?
「○○をされた!」とか「○○をしてくれなかった!」とか・・
ですが、不満を受ける側にだって言い分はあるはずです。
今回はそちら側に焦点を絞って
「見えない利益を普段から無意識に享受しているのに顕在化した損失を声高に糾弾するのはフェアじゃない」
という話です。
メリットとデメリットがあることを理解していれば不満はないはず
大前提としてすべてにはメリットとデメリットがありますね。
メリットだけならなんの不満もありませんしデメリットだけならただやらないだけです。
メリットとデメリットが混在するときに初めてメリットとデメリットを天秤にかけてやるかやらないか決めるわけです。
当たり前のことですね。
このことが理解できていたらデメリットがあったとしても不満は出てこないはずです。
だって最初にメリットとデメリットを天秤にかけた上で選んでいるわけですから。
ですが最初に選んだ意識がなく、かつ、メリットがわかりづらいものだと話は変わってきます。
選択した意識が乏しくメリットがわかりにくいとき
世の中にはあまりのも当たり前過ぎて選んでいる意識がないものがあります。
デファクトスタンダートと呼ばれるものです。
そういうものは自分が選んだんだっていう意識はあまりありません。
そしてメリットもわかりにくいときがあります。
蛙は徐々に水温を上げていくと温度の上昇に気づかず茹でガエルになってしまうなんて話がありますが、それと似たようにメリットも僅かな量を一定に受けているとなかなか気づきにくいものです。
上記のような条件が揃ったときは本来メリットとデメリットの総量を吟味した上で選んでいるはずのものもデメリットだけが悪目立ちして不満が噴出してしまうことがあります。
例えば最初に上げた吉本興業の例でいうと
お笑い芸人の事務所としてデファクトスタンダートの吉本興業はもはや「自分の意思で選んだんだ」という意識が希薄な方も多いはずです。
そして吉本からの「仕事を貰える」というメリットは普段からちょっとずつ受けているのでだんだんわかりにくくなってきます。
それが原因で芸人さんの方から上記のような不満が出たとも言えるのではないでしょうか?
(だからといって別に吉本興業を擁護するわけじゃないですよ。
ちゃんとデメリットとメリットの総量を吟味できているかということが言いたいんです。)
お母さん、ごめんなさい
もっと卑近な例を出しましょう。
子供の頃お母さんに勝手に部屋を片付けられて必要なものが見つからず怒った経験はありませんか?
頼んでもないのに片付けられて自分の欲しい物の配置がわからなくなると無性に腹が立ちますね。
でも、よく考えてみてください。
普段片付けてもらっているときは何も言わないわけです。
部屋を綺麗にしてもらえるというメリットは普段からちゃっかり享受しているのに、欲しいものが見つからないというデメリットが顕在化したときだけ不満を言っているわけです。
それはフェアではありませんね。
もちろん部屋を片付けてと頼んでいないのなら自分が選択したものではありませんが、そもそも普段から部屋を自分で片付けておけばいいわけです。
あくまでメリットとデメリットの総量を比べよう
この考えはなにかを人に頼むときにも役立ちます。
チームプレーをするということは必ずコミュニケーションの齟齬が起こるというデメリットがあります。
ですがそれ以上に人に頼むことでより大きなものに取り組めるというメリットがあります。
人になにかを頼む立場になった経験が少ない人ほど、相手がちゃんと働くのが当たり前だと思っていて「自分があえて相手に頼むことを選んだんだ」という意識も希薄です。
そこで必要以上に強く相手にあたってしまい結果チームプレーが崩壊するというのはもはやあるあるの失敗例ではないでしょうか?
現実は人はちゃんと働くとは限らないし常に誰かに頼むか頼まないかということを自分で選択しています。
このことを意識するとだんだんチームのリーダーになっても上手く先導できるのではないでしょうか?
まとめ
今回は平たく言うと「当たり前のことに感謝しよう」的な話でした。
僕らもロボットではないのでメリットやデメリットを正当に評価することは案外難しいものです。
これ逆もあって、自分は相手に対して普段から何かをしてあげてるのに相手は意外と「有り難み」に気づいてくれなかったりしますから難しいですよね。
まずは自分が「気づきくい有り難み」にも気づけるようになりましょう!
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