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本や漫画の読書日記

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乱読の日々のなか、心をうつ言葉や、学び、そしてこれは私とは相入れないなど様々なものに出逢います。それらをまとめてみました。いずれブラッシュアップして、さらにジャンル分けなどしてい… もっと読む
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記事一覧

市川沙央さんの『ハンチバック』にみる当事者性の峻烈さは当事者ならでは。

自分が壊れてしまうかと思うほどの衝撃本。 いきなりのHTMLで始まるところから、え?これ私セ…

りらこ
6日前
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森見登美彦さんの『シャーロックホームズの凱旋』で京都・ロンドンを浮遊する

森見登美彦さんの新著『シャーロックホームズの凱旋』を読みました。 舞台はヴィクトリア朝京…

りらこ
7日前
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桃野雑派さんの『蝋燭は燃えているか』で京都の街を疾走

わたしたちは、1人ひとりが感情をもっていることがわかっているのに、SNSという舞台に上ると途…

りらこ
2週間前
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近藤史恵さんの『歌舞伎座の怪紳士』で歌舞伎を楽しみつつの読書体験

近藤史恵さんの『歌舞伎座の怪紳士』 タイトルだけですと、あのジャーン!ジャジャジャ~♪な…

りらこ
2週間前
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ねこ好き作家大佛次郎氏・角田光代氏の本を読みました

ねこが好き、そして本が好きな人にとって、猫好き作家としての大佛次郎氏の本は気になるところ…

りらこ
3週間前
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満州を舞台にした絵本・マンガ

若い頃、トランジットで大連に行ったことがあります。 北京に行く飛行機。 今なら直行便がガン…

りらこ
3週間前
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朝井リョウさん『正欲』『何者』にみる人物描写の凄さと、読後の粉砕

本屋さんへ行くと『正欲』が平積み。文庫版が発売になっているので気になって仕方ない…という日々を過ごしたので、読んでみました。 読む前には戻れない、とキャッチコピーにありましたが、まさにまさに。 「多様性を認めよう」という言葉がありますが、認めてわかった気になってんじゃねぇよ!と、ぼかんと殴られます。 自分の未熟さを感じながら読むので、途中から同類嫌悪のように〈わかった気になりたい〉とする女子大生の言葉が気になり始めます。 そして圧巻はその女子大生と、彼女が心惹かれている男子

パレスチナに生きる、人の心は同じことに気づく絵本

ある日大学生の子どもが、駅前で行われた stop genocide、free Palestina、のデモに参加したよ…

りらこ
1か月前
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子どもへの接し方を相手のさまざまな要因に逃げないために『僕に方程式を教えてくださ…

大人って、自分たちの考える枠にはまらない子を、 「そういう子だ」「発達障害だから」 って決…

りらこ
1か月前
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『鴨川ホルモー』から万城目ワールドにはまってしまった話

森見登美彦さん、万城目学さんといえば、京大卒の作家さん。 森見さんの小説は好きで読んでい…

りらこ
1か月前
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オードリー・タンさんの言葉の力を浴びよう『自由への手紙』『デジタルとAIの未来を…

台湾で地震があり、その後の避難所の対応のニュースなどを見て思い出しました。 台湾にはあの…

りらこ
1か月前
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朝井リョウさんの2冊『正欲』『何者』

なんとなく思い立って朝井リョウさんの小説を立て続けに2冊読みました。 文庫化、映画化され…

りらこ
1か月前
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歴史好きにはたまらない小説『白狐魔記』シリーズを知っていますか

『ルドルフ』シリーズや、『ペンギン』シリーズで子どもたちのハートをがっちり掴んで離さない…

りらこ
1か月前
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技術の進歩と原爆『この計画はひみつです』

映画『オッペンハイマー』が公開されています。晩年まで描かれているとのことですが、やはり中心はマンハッタン計画なのでしょうか。 観ていないので、このことについてはこれ以上書けませんが、このような絵本を読みました。 『この計画はひみつです』 国の秘密の計画遂行のために、私立の男子校に立ち退きを命じるところから、始まります。 そう、マンハッタン計画のために、研究所を建てるのです。 セキュリティは厳しく、中で働く人たちはなんの場所か教えてもらえませんでした。 さらにここで働いて