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夕木春央『サロメの断頭台』でミステリーの醍醐味を

ミステリーは読み始めると止まりません。
ついつい、時間を忘れて没入してしまいます。
今回は、そんな没入タイム間違いなしの本を、ご紹介します。

夕木春央さんの『サロメの断頭台』
夕木さんといえば、『十戒』『方舟』を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。私は実は『方舟』の長さにおののき、積読している状態…。
しかし!こちら『サロメの断頭台』は、うっかり(笑)読み始めたら止まりませんでした。

舞台は大正時代の東京。
ついつい、現代だったらここで電話かけられるのに、なんて考えてしまいますがそれも最初だけ。いつの間にか、自分も大正時代にタイムスリップして謎の渦に巻き込まれていることに気づきます。
画家、井口によって描いた絵が盗作されていると判明するところから、物語はスタートします。
疑わしきは…と、盗作者を推理していたら、起きてしまう殺人事件。
それもテーマがありそう。なぜそんなことが起きるのか?
井口と、元泥棒の蓮野が謎を解いていきます。そこに絡んでくるたくさんの人たち。最初は登場人物が多いので、わからなくなる!と思いきや、人物の背景設定がしっかりしているので、大丈夫です。

謎が解けるのか?とどんどん深みにはまっていきます。
そして真相にたどり着いたとき、そこには!

そうそう、タイトルになっているサロメですが、文中にも聖書のサロメと、演劇のサロメとの違いなどもきちんと説明されています。
また、時々出てくる芸術論のような会話も面白いのですね。

ベースになっているものの大きさに、ラストに気づく仕掛けになっているので、あとから、あそこが伏線だったのか、あそこもか!と思い返して考え込んでしまう楽しさも。

登場人物がどこかしらで活躍するので、それも見逃せません。
ということで、積読の『方舟』も読みたいところです。
そして『サロメの断頭台』は井口・蓮野コンビのシリーズものなので、そちらも戻って読まねばなりません(笑)

今日はミステリーのご紹介でした。
あ、殺人事件なので、えぐっ!うわ!っていうのが苦手な方は、ちょっとどどどどうなの、なシーンもありましたことをお伝えして…



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