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リーダーズ美ジネス⑤女に向いてる仕事って、なあに?

博報堂という広告会社でコピーライターをしていた頃の話です。

1970年代の制作室には女性制作者はほんの5-6人。
その女性たちにどんな仕事を割り振るかが、グループリーダーや室長の仕事ですが、「これ、君に」とくる仕事は特別に女性に向いてるものではありませんでした。クライアントに大手化粧品メーカーがあっても、これは来ないんだなあ。

どうしてかって、誰もがやりたい仕事だからです。そして、こんなことを言う輩もいました。「化粧品の広告つくりは女性に向かないね。だって、夢を売るんだから、男性目線が必要なんだよ」と。「ナヌ、そこになおれ!!」ですよね。今なら言えるけれど、まだ走り出しコピーライターにはいえませんでしたね。

ある日、卵の仕事がきました。「これは、お母さんコピーライターに向いている」とやってきた仕事です。それが「ヨード卵・光」。男性クリエーターが目もくれなかったのがラッキーでした。小さいな葛篭(つづら)を開けてみたら、なんとなんと、宝がザクザク。広告予算もさることながら、卵に含まれるヨードについて5000人の調査をした素晴らしい調査結果まであったのです。制作者冥利につきる心はずむ仕事です。生鮮食品の新時代到来を彷彿とさせた「ヨード卵・光」でした。

全国紙新聞15段の最初の広告は「はじめまして、ヨード卵・光です」と生鮮食品で初めてのブランド宣言。これをきっかけに、生鮮食品のブランド化ブームは、「ヨード卵・光」生誕47年目の今日まで続いているのです。

目につくというのは違う結果を導くことがあります。広告出稿が増えるにつれ、「僕にやらせてください」という声が社内で大きくなってきたのです。「お母さんコピーライターに向いている仕事」はいつの間にか、男性制作者の手へ。これは悔しかったです。男性社会の社内力学が働いたんですねえ。

「女に向いてる仕事、男に向いてる仕事」というくくりはやっぱりおかしい。性別にかかわらず、やれる人がやればいい。今でもそう思っています。
それには、まず、勇気をだして、自分から声をあげることです。
「私、それ、やります」と。

続きは、勇気をもって声をあげて手に入れたクライアントの体験談を書きますね。お楽しみに。

国際婦人デー、ミモザの日に寄せて。2023年3月8日
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