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Thinking tip’s for Nurse #1 心電図

こんばんわ、池ちゃんです

 看護師10年選手となると、いろんな臨床疑問を投げかけられることも多くなります。その中でも、「心電図が苦手で〜、読めません。」と、心電図に苦手意識を持つスタッフも多いですね。というのも、僕自身も苦手意識あったので、すごく共感!です。
 僕も、自信持って判読できるようになったのも7年目ぐらいで、それからoff-job(池ちゃん開催)を通して、out-putしてくうちに洗練されてきたと感じております。
 ここでは、経験を踏まえての“ちょっとしたコツ”をお伝えしていきます。

1.判読ルーチンを習得して、out-putをしまくること

 これは、僕が声を大にして伝えたいことです。outputをするほど、input が進んで、質が向上していくのです。これは、英語学習やビジネスなど、何にでも言えることだと思います。

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 そのためには、自身の“判読ルーチン“を決める必要があります。皆さんの判読ルーチンはどの順番ですか?
 その時に大事になることは、「何を持って、洞調律(正常)と言うのか」です。判読ルーチンというのは、自身がいつも心電図を判読するときの順番であったり、こうやって判読するよっ、というものです。つまり、判読ルーチンを用いて、これは正常(洞調律である)なのか、異常なのか、を判読するわけです。

 例えば、心電図を見たら、P波→QRS波→T波と見ていきます。という方や、心拍数見て、P波→QRS波を見て異常なければOK、という方々もいます。

 参考書などで、「こうして心電図を読んでいくと漏れがなくなりますよー」、といったものも沢山あります。そこで、コース(インストラクター含め)や臨床で経験してきた中で、池ちゃんの判読ルーチンを使った判読の仕方も#2で紹介していきます。

2.判読する前に覚えておきたいことPart1
 -心電図ってなんぞや?-

 判読する前に、心電図ってなんぞや?というのを知っておく必要があります。ここでは、判読するのに必要なものをまとめているので、もっと詳しく知りたい!という方は、玄人向けの記事をお待ちください。
 まずは、①心電図の位置付けから学んでいきましょう。

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 心電図の位置付けを理解するために、生命の維持サイクルから考えるとわかりやすいので、図を用意しました。
生命の維持サイクルとは、生体のメカニズムとも言われ、生命を維持するためにこのサイクルが保たれています。
Airway(気道)から酸素を取り込み、Breathing(呼吸)することで、肺でガス交換され、Circulation(循環)することで取り込まれた酸素が各臓器(脳や腎臓、肝臓など)へ運ばれる。そして、Dysfunction of CNS(中枢神経)で、運ばれてきた酸素をベースに呼吸の調整(ex,運動してるから、もっと呼吸をして酸素を吸ってー、など)の命令をする。さらに、Environmental Control(体温管理)生きていくのに適切な温度<37度>(恒常性を維持)を保ち生命を維持しています。
 外傷初期看護に必要不可欠な知識でもあり、全ての看護師が持っておくべき知識・スキルでもあります。そして、生命維持サイクルを「ABCDE(F:家族)アプローチ」とも言います。(外相初期看護では、Familyも含まれますが… これまた長くなりそうなので、またの機会にまとめますね)
 このうち、心電図は「C(循環)」を評価するための1つの手段になります。主に、不整脈診断への手掛かりにもなります。

 次に、②心電図ってなに?というところですね。

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 心電図と聞くと、上の写真のように健康診断で検査するものや波形などを思い浮かぶかと思います。

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 要は、心臓の動きを形として表したもの、なのです!縦軸は、電気信号の強さや向き、横軸は時間を表してます。

 そして、③どんな時に心電図をとるのか、という目的がないと評価もできません。体調が悪いからといって、心電図検査の項目は全てにはありませんよね。

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 心電図検査を行うことで、評価ができます。そして、自職場に近づけて考えると、僕は救命センターに所属しているので、容態が危険な状態である方が多くいます。

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 重症患者が多くいるために、救命センターでの管理目的としては、呼吸・循環動体のモニタリングや治療の整合性の有無とともに、早期発見するに心電図を意味解釈していくことがあがります。

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3.判読する前に覚えておきたいことPart2
-刺激伝導系と心電図の仕組み-

 判読する前に、どのように心電図を見れば良いのか、考えれば良いのか、がとても重要となります。
結論から、「どこから見ているのか」がとても重要になります。
はじめに、①刺激電動路についてです

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(解剖図はハート先生より+書き加えました)
解剖の説明は、参考書などでinputが進まれている方も多かったので簡略化します。

 図の左上にある洞結節(SN:サイナスノード)が、心拍リズムのペースメーカーであり、僕の解釈の中では、“親“となります。参考書によっては、“先生“であったり、“師長“であったりしますが、指示命令系のtopの人ですね。自身の立ち位置によってわかりやすい人を立てておくと良いです。ここでは、“親”を推奨していきます。
流れとしては、洞結節→房室結節→His束→右脚・左脚→プルキンエ線維の順に伝わり、心臓が収縮・拡張を繰り返して全身に血液や酸素を送って、回収しています。

 解剖はとてもベースとなるので、outputしながら勉強を進めていくこと、をオススメします。そうしないと、ずっと解剖の勉強ばかりで進みません。
 結論で、②どこから見ているか、が重要ポイントと話しました。それは、なぜか…

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 僕たち、医療従事者は主に「II誘導」を見てモニタリングや判読をしています。もちろん、臨床推論で疑った病態があれば、情報を増やしてⅠ誘導やⅢ誘導、範囲を拡げて12誘導心電図の検査をして判読していきます。
 ここでは、3点誘導に絞って説明しましす。

③なぜ、II誘導で見るのか。当たり前のように、モニタリングする誘導がII誘導に設定されているから、先輩たちもII誘導で見ているから…ではなく、ちゃんと理由があります。

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 このように、Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ誘導それぞれで見ている場所が違います。
写真の図にもあるように、II誘導は「心臓全体」を見ることができます。そして、洞結節からの刺激伝導を綺麗に観察できるのです。

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 全体で見ると、こんなイメージです(↑)。
 なんでもそうなんですが、inputするときにはイメージしながら行うと、inputの質がググンっとあがります

そして、最後に④心電図の仕組み、についてです。

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 心電図を見ると、その“基線“となる真ん中の線があるんですが、そこから上向きになっているのか、下向きになっているのかが重要ポイントです。
 見ているところから、上向きとなっている時間は、見ているところに近づいてきている、と言うことを表します。そして、下向きになっている時間は、見ているところから遠ざかっている、と言うことを表しています。

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 要は、上向きは近づいている、下向きは遠ざかっている、ということとなります。そして、見ているところによって近づき方、遠ざかり方が違うため、Ⅰ誘導、Ⅱ誘導、Ⅲ誘導でも正常な波形が違うこともわかります。

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 II誘導で見ています(写真↑)
イメージはどんどん持っていた方がいいので、写真をたくさん載せています。

 洞結節は心房にあります。そして、刺激を出して近づく波形としてのP波があります。要は、洞結節は、P波であり、P波は心房の興奮を表しています。
 次に、房室結節に伝わり、His束→右・左脚→プルキンエ線維へと伝わり、心室から全身に血液を送ってます。要は、QRS波は心室を表しています。そして、心室は全身に血液を送らないといけないので、筋肉が発達しています。そのため、QRS波は刺激が強く、大きな波形を表しています。

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イメージできましたでしょうか?
心臓の刺激伝導は、心房から心室に伝わることで、全身に血液を送って、また血液を回収しています
 ここで、Pointとなることは、心房(P波)から心室(QRS波)に伝わっているのか、です。心房から心室に一定のリズムで伝わっていたら、洞調律(洞結節がペースメーカーとなって心室に刺激が伝わっているよ)ということとなります。
 医療従事者だと、基本的なところであったりすると思いますが、心電図を学ばれる際にとても基本となるのでOJTや多職種とのコミュニケーションツールの一つとして活用ください。

ここから、#2、#3のようにoutputしていきますが、ここがベースとなります。一緒にマスターを目指して頑張っていきましょう!

臨床での学びについて、
100点を取ろうとしないこと。医療を含め、学びには終わりがありません。その中で、100点を取ろうとしてしまうと、辛いです、、そして身につきません。
そのため、inputを回すより、outputをどんどん回して、inputの質もあげて、自己価値を高めていきましょう。

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