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コミュ力(人間力)つけたいなら「空気を読む」だけではダメな理由。

コミュ力、人間力、やたらと耳にする機会がおおい言葉ですよね。
でも、ぼんやりとしたイメージばかりがふわっと蔓延してるだけで、具体的な定義を言える人って少ないのではないでしょうか。


ぼく自身、すごくこの言葉には振り回されましたし、考え悩みました。
10代のある時期から性格的に尖ったり、独りよがりな行動をするようになったり、そんな調子で年齢を重ねるものですから、仕事でのコミュニケーションが円滑にいかず、職場から浮いてしまう。干されてしまった経験だってあります。正直いって、いまの仕事をはじめるまでそんな感じでした。いま思えば、自分で修正する方法を知らず、まったく違う業種に変えないといけないほど苦しかったんでしょうね。

水商売は人間力で差別化するしかない。

当時から「もし、人間力を高めるなら飲食で働くのがいちばん良いかなあ…」なんて考えを持っていましたが、いまでもそれは間違いではないなと思います。
なぜならこの業態、「人間力」なんて非常にドロっとした部分で差別化するしかないのですよ。水商売は基本的に誰でもできる商売です。よって、参入障壁が低い。お酒なんてはじめの1杯以降、酔っ払えば種類も味も関係ありません。あれは雰囲気ものですね。極論いえば、ご飯だってそうですよね。お腹が減っていれば、吉野家でもマックでも満足するじゃないですか。


で、つまるところ「あの雰囲気でゆったり飲みたいなあ」、「れんれんま君のところへ顔だしにいかなきゃ」なんて思われないと来店候補にすらなりません。

ひとりの人間として好かれることが超大事なんですよね。


内装も大事ですけど、お客様の好みやその日の気分によって変わりますし、施工コストもかかるので重要度は二番目三番目って感じです。
なので人間力がないとどうやったってダメなんですよ。君がいるから来るんだって思ってもらえないと。泥臭いですよね。

実はこれ、著名人も結構おなじこと言ってたりします。
ホリエモン氏は「指名される技術」というホステスを題材にした著書がありますし、SHOWROOMの前田さんは「人生の勝算」の中で、場末のスナック理論が登場します。
手段ベースの課題解決はライバルがたくさんいるので、どう思い出してもらえるか?というところで人間力が必要になるんですね。
というわけで、前置きが長くなりましたが前回に引き続き、3年間ほど水商売をやってきて学んだことを記事にしていきます。
前回の記事はこちら
第二弾の今回は、「人間力」。
※以降、この記事では「人間力」と「コミュ力」は同一のものとして「人間力」に統一します。

コミュ力(人間力)は、意見する力が必要。

さて、そんな人間力について。
先程から何度もお伝えしている人間力ですが、具体的になんなの?って思いますよね。ぼくも思います。
スピーチライターで活躍されている蔭山さんは、著書「なぜ、あなたの話は響かないのか」の中で人間力を3つに分解して

・空気を読む力
・共感する力
・意見する力

このように定義しています。
詳しい内容は著書を読んでいただくとして、特に日本人は3つめ「意見する力」が弱いと言われています。
コミュニケーションに悩むみなさんは、お国柄、島国なので流動性が低く、村八分にならないように気をつけるため、上2つの能力ばかり長けてしまったのですね。
ですが本来、きちんと誰かに対してコミュニケーションを図ろうと思うとき、自分の意見を言う力は大切です。メッセージがないと引っかかりがないですから、共感もされませんし、覚えてもらえませんよね。

人気者でもコミュニケーションは悩む

お店のスタッフI君は、容姿端麗で愛嬌もあるため、お客様からいちばんに顔と名前を覚えてもらえる逸材です。
今日はI君いないの?なんて言われるたびに、ぼくは悔しくて、そんな彼が羨ましかったのですが、話を聞くとそんな彼にもコミュニケーションに関してこんな悩みを持っていました。

「ただ相槌してニコニコ笑っているだけで今までなんとかやってきたから、自分の想いを伝えるのが苦手。だから浅い関係性の人が多い…。」


彼はリスクを恐れて長いものに巻かれろな考えでしたので「空気を読む力」は長けていたのですが、残りふたつ、特に「意見する力」が圧倒的に弱かったことでコミュニケーションの罠にかかってしまったのですね。
マスコット的な立ち位置に、悩んでいたようです。

続けてI君はこう言います。


「俺は一瞬である程度は仲良くなれるけど、それ以上深くはいけない。れんれんま君は時間をかけて、ゆっくりだけど深い関係性を築けていると思う。そういう部分が羨ましい。」


なんと、彼はぼくのことを羨ましいらしいのです。びっくりですよね。
ぼくは容姿端麗ではなく、どちらかというと陰キャラオタクです。なので、いちど来店されたお客さんは必ずトークやエピソードまで覚えておきます。
そして、自分の意見はハッキリ伝えます。もちろん相手の意見を尊重した上の話で、伝え方にも気を使いますが、そのためトークが良い意味で重く深くなります。
お酒を呑んでバーで語る。そういうのを求める方にはハマりますよね。
そうすることで、共通点が生まれて徐々に関係性を深めていくという方法を採っていたのですが、それが結果になっていたみたいです。隣の芝生は青く見えるのですね。

誰からも「人間力がある」と言われていた元上司。

当時のマネージャーは誰からも人間力がある、と評される人でした。
西麻布にある立派なバーを経営する人で、お客さんといえば、会社のマネジメント層やエグゼクティブ、いわゆるリーダー職の方ばかり
そんな人たちからして人間力があると言われるのですから、その理由を知りたくて観察してみることにしました。


そこで分かったことはやはり、空気を読む力(聞く力、理解する力)、共感する力(想像する力)が優れているのは当然ながら、意見する力(譲らない力、リスクを取る力)が絶妙だったと思います。
どんなに偉いお客さんでも一歩も引かない。外見はいたって謙虚なのだけれど、ブレてはいけない意見は一歩も曲げないし替えない。
一本軸があるところに、人は惹かれるのかもしれないですね。


いかがでしたか?人間力とコミュニケーションって難しいですよね。
あとひとつ、ぼくの体感として「覚えている力」を付け加えるといいなあと思います。
次回は「非合理」について書こうかなあと。それでは。

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