見出し画像

屈折したアメリカ人~ジャック・ニコルソン「ファイブ・イージー・ピーセス」「さらば冬のかもめ」「恋愛小説家」

U-NEXTの配信終了が迫ってきている映画をせっせと視聴しているのだが、奇しくもジャック・ニコルソン主演映画が続いたので、その紹介を。
1970年「ファイブ・イージー・ピーセス」、1973年「さらば冬のかもめ」、1997年「恋愛小説家」

ジャックの演技は、よく言えば一貫していてブレがない。悪く言うと、キャラがほぼ同じ。こうありたいという思いはありつつそれができず悪態をつく、癖のつよい、鬱屈したキャラである。

彼がその名をあげたのは「イージー・ライダー」の弁護士役あたりから。時はまさにアメリカン・ニュー・シネマの全盛期。それまでの古い価値観からの逸脱・ドロップアウトを求めていた大衆の思いを、まさに体現したような存在だったのだろう。

それまでのジェームズ・スチュアートやグレゴリー・ペック、ジョン・ウェインといった正統派なヒーローとは真逆。むしろ今の時代の感覚だとグレゴリー・ペックらの方に強く共感を覚える。彼の時代・彼のみが、歴代のヒーロー像から逸脱した、いわばアンチヒーローなのだろう。

それぞれ一言感想を。
「ファイブ・イージー・ピーセス」は、やはり荷台の上でのピアノ演奏のシーンとラストが印象的。最後は、えー・・・っていう感じ。
「さらば冬のかもめ」は、珍しいヒゲのジャック。油断すると誰かわからなくなる。悪ぶっているけどいい人。
「恋愛小説家」のジャックも相変わらずクセ強めだけど、相手の女性もなかなかフツウではないことがだんだん露になってくる。

この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?