”ヒロシマ!ナガサキ!”と燥ぐのではなく~「オッペンハイマー」
リアルタイムの作品を観ることは少ないのだが、本作は劇場まで足を運んできた。朝から飲まず食わずで3時間耐え抜いた!
様々な方がその解釈や感想を多く書いているので、細部には触れない。
豪華出演陣とのことだけど、最近の映画を観ない身としてはほぼ知っている出演者もおらず、やや浦島状態。
やはり3時間という長さは感ぜざるを得ない。が、それでも中盤からドライブがかかってきて、引き込まれていった。
オッペンハイマーや原爆の話題となると必ず耳にするのが、彼やアメリカ人が自責の念をどれだけ持っていたかということ。本作ではそのあたりの描写については実に抽象的に留めているようだった。それこそ、宗教的な原罪と同一視しているようで、そこには日本の存在はないようだ。そこに日本への贖罪のシーンのかけらでも期待しようものならそれは裏切られることだろう。
とはいえ手放しで英雄視しているわけでもなく、彼のことを弾劾したり評価したり、どう扱ったらいいかアメリカ人自身も決めかねているような印象を受けた。
アカデミー賞総なめに値するかどうかはわからないけど、骨太な大作であることは間違いない。評価は各々で。
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