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【曖昧コラム】すし太郎 ~くつろげないあなたへ

 人間はのんびりするのが苦手な生き物であるらしい。とにかく働かなければならない。動いていないと気が済まない。ひと時だってじっとしていられない。そんな人も多いのではないだろうか。しかし、高いパフォーマンスを発揮するためには、休むべき時にしっかり休むことが重要である。休む暇がないというなら仕方がない。しかし、時間はあるのに上手く休めないのはどういうわけか。


「たくさん動いたらたくさん休め」

 無尽蔵のスタミナを持った選手がいるという。みんなが疲れている時間帯に、そんな選手が入ってきたとしたら周りはどれだけ助かるだろう。しかし、そうは言っても体力には限界がある。人間は機械とは違う。永遠に動き続けることはできない。動いた分だけ休まなければならないのだ。


「じたばたしたって始まらない」

 少し休もうとしてベッドに横たわる。そういう時には全身の力を抜いてリラックスすべきだ。しかし、どこからともなく働き者のささやきが聞こえてくる。「何やってんだ? ぼーっとして。何もしなくていいのか?」すると徐々にベッドの上に罪悪感のようなものが満ちてきて、くつろぐことができなくなる。そうではない。「何もしない」のがいいのだ。働き者のささやきに強く抗うことが肝要である。


「明日何かするために、今何もしない」

 休むべき時に休んでおかないと後で大変なことになる。人間は機械ではない。完全に壊れてしまってからでは、なおすことも困難なのだ。動く時間があれば、同様に休む時間もなければならない。家の中でベッドに横たわり、自分の体に休養指示を出す。
 しかし、休もうとする内に、どこからともなくまた声がする。「何だぼーっとして。怠けてるのか」怠け者の名でベッドの上を汚染していく。心はざわついて、落ち着かなくなる。そうではない。怠けるのではない。全力で真面目に休むのだ。その辺の雑音を封じなければ休まるものも休まらない。


「たまには休もうよ」

 せっかく休もうとしているのに、どこからともなくやってきて足を引っ張るような者がいる。それは本当は自分の中に潜んでいる働き者の勢力なのかもしれない。完全に排除することは難しい。「何やってるんだ。もったいないよ。何か作れよ」罪の意識に包まれて、呼吸が乱れていく。くつろぐということは、これほどに難しいことなのか……。違うんだ。違うんだ。さっきからみんな。休まない方がもったいない


「すし太郎を食べよう」

 どんな仕事でも最初は上手くいかないものだ。そして、慣れるに従って上手くいくようになるものだ。くつろぐということも、逆に同じなのかもしれない。ずっと働きすぎた者は、動くことに慣れっこで、くつろぐということを理解できない。休むこと、くつろぐことを侮らずに、ゆっくりと歩み寄っていく姿勢が大切かもしれない。
 人間の時間は、何のためにあるのか。誰のためにあるのか。そんなことをぼんやり考えながら、たまには何もしないでいることを覚えよう。そして、お腹が空いたらご飯を食べることを忘れずに。すし太郎でも食べて、疲れを取ろう。


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