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適正取引推進へ国が「5つの取組み」|気ままに労働雑感

萩生田光一経済産業大臣は2月10日開催の「第3回未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」で、大企業と中小企業の間の「取引適正化に向けた5つの取組み」を発表しました。

中小企業の賃上げ原資の確保などを狙いとしたもので、パートナーシップ構築宣言の拡大と実効性の向上や、下請取引の監督強化、価格交渉の一層の促進、2026年までに約束手当の利用を廃止することなどを柱としています。

このうち、パートナーシップ構築宣言は、サプライチェーン全体の共存と企業の規模・系列を越えた新たな連携のほか、働き方改革による下請企業へのしわ寄せ防止など下請中小企業振興法に基づく振興基準の遵守に取り組むことを表明するもので、一昨年6月に創設されました。これまでに6000社余りが宣言しています。

今後は宣言内容の実効性を高めるため、内容に基づいて労務費や原材料費の上昇に関する価格交渉協議が行われているかなどについて、すべての宣言企業に書面調査を行っていくとしています。

下請取引の監督強化の観点では、取引調査員(下請Gメン)を4月以降倍増し、年間で1万件のヒアリングを実施する予定です。

より一層の価格交渉を促進するため、受注先となる中小企業において価格を転嫁できている割合が低く、価格交渉への対応状況も低い大企業に対しては、下請中小企業振興法に基づく「助言」を活用し、個社単位での注意喚起を行うとしています。

中小企業における賃上げを実現するうえでは、中小企業各社が売上げ向上への工夫を重ねるだけでなく、適正取引を推進することも重要でしょう。

これらの新たな取組みの成果が上がることを期待しています。

労働新聞編集長 金井 朗仁

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