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中小零細には難しい?「職場接種」|迷想日誌

6月21日から企業、職域のコロナワクチン接種がスタートしましたが、職域接種を実施しようとする企業は、様ざまな条件をクリアする必要があります。

まず、医師・看護師などの医療従事者、接種会場の設営・運営を担う事務スタッフなどといった、接種に必要な人員を企業が自ら確保することが求められます。
原則として市町村における予防接種体制に影響を与えないようにする必要があります。

接種会場設営に必要な備品なども企業が自ら確保するとともに、同一の接種会場で2回接種を完了すること、そして同一の接種会場で2000回程度(1000人程度×2回)の接種を行うことが基本となります。

パターンとしては、企業内診療所などが実施するか、外部の医療機関に出張してもらって実施するか、または接種者が外部医療機関に出向いて実施する方法を想定しています。
職域接種で使用するワクチンは武田・モデルナ社の製品です。

事前に事務局を設置し、従業員など(家族含む)のうち、接種対象者を決め、接種を希望するおおよその人数を把握します。
雇用形態によって一律に対象者を区別することは望ましくないため、公平・適切に実施する必要があります。

重要なのは、一人ひとりが接種を受けるかどうかを自ら決定するという考え方に基づき、接種に当たっては、本人の意思を確認し、接種を強制することはできません。

医療従事者の具体的な配置としては、予診を担当する医師1人、接種を担当する医師1人または歯科医師または看護師1人、薬液充填および接種補助を担当する看護師または薬剤師など1人を1チームとします。

中小企業としては、上記3番目の企業が指定した外部医療機関に被接種者が出向いて接種を受ける方法が現実的でしょう。
ただし、外部医療機関は、市町村の接種事業として、一般の住民に対してファイザー社のワクチン接種を実施していることが考えられ、その場合、その医療機関において職域接種を実施できないとしています。

人命にかかわる医療行為だけに、職域接種といってもそう安々とはいかない模様です。
大企業なら準備できそうですが、中小零細企業はまた取り残されそうです?

労働新聞編集長 箱田 尊文

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