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強い覚悟で社長の器は大きくなる

[要旨]

島田慎二さんは、会社を桶に例えると、桶の円周は社長の器の大きさだと考えているそうです。これは、いわゆる「会社の大きさは社長の器で決まる」ということです。そして、社長が器を大きくするには、覚悟が必要と、島田さんは考えておられます。したがって、経営者の方は、その職責を果たそうとする場合、強い意志をもって臨むことが必要です。

[本文]

今回も、Bリーグチェアマンの島田慎二さんのご著書、「オフィスのゴミを拾わないといけない理由をあなたは部下にちゃんと説明できるか?」を読んで、私が気づいたことについて述べたいと思います。前回は、島田さんが、千葉ジェッツの社長時代、従業員の方と時間をかけて面談を行い、両者の合意のもと、目標を設定することで、従業員の方のモチベーションを高めたり、当事者意識を持ってもらったりすることで、事業の競争力を高めていたということを説明しました。これに続いて、島田さんは、以前、島田さんが唱えた桶理論のもうひとつの要素について述べておられます。

ちなみに、桶理論とは、会社を桶に例えると、桶を構成する板は従業員であり、各々の板の長さは従業員の経営理念の理解度だとすると、桶の水面(経営理念の効果の度合い)は、最も短い板の長さで決まるので、板の長さを長くする(各従業員の経営理念の理解度を高める)役割が経営者に求められているというものです。「(桶理論の)桶には、もう1つ大切な要素があります。それは、水が満杯になるような桶なら、桶の能力を最大限に発揮することができますが、そもそも桶が小さいと、どんなに水を入れたくても入らないということです。では、その桶の円周はどうやって決まるのかというと、それは、社長の器で決まります。社長の器が小さければ、桶も小さくなります。

器を大きくするには、社長自身が自分を磨いていくしかありません。桶の大きさを変えられるのは、社長だけなのです。それでは、社長の器を大きくするものは何かというと、それは覚悟です。自分の想いが詰まった経営理念、そしてそこを目指すために設定した目標を、PDCAをまわしながら、何が何でもやりきるとか、自分を信じてついてきてくれる社員の雇用を絶対に守るとか、そういう強い思いが、社員を引っ張る迫力になり、社長を大きくするものだと思います。(中略)中途半端な気持ちで経営を始めるくらいなら、最初からやめておいた方がいい、それくらい、社長とは、責任のある仕事なのです」

島田さんの述べておられることは、「会社の大きさは社長の器で決まる」ということです。そして、これは人口に膾炙しており、あらゆる経営者の方もその通りだと考えておられると思います。そして、私が、この島田さんのご指摘について紹介したのは、「経営者は器を大きくしなければ、会社も大きくならない」ということを伝えたかったからではありません。そもそも、私自身も器が大きくないのですから、そのようなことを他の人に対して述べる資格はありません。私が伝えたかったことは、会社を経営している経営者の方は、重責をまっとうしているすばらしい方たちばかりだということです。

だから、仮に、いま、なかなか業績があがらないで悩んでいる経営者の方がいるとしたら、もっと自信をもって事業に臨んでいただきたいということです。これは、普段、中小企業の事業改善のお手伝いをしていて私が感じることなので、今回の記事で、島田さんのご指摘を紹介いたしました。ちなみに、島田さんは、かつて、ご自身で起業した旅行会社の経営がうまく行かなかったとき、稲盛和夫さんの本を読んで考え方が変わったと、Noteの記事に書いておられます。

そして、その稲盛和夫さんは、「経営には岩をもうがつ強い意志が必要」と述べておられます。したがって、島田さんは、稲盛さんの教えを忠実に実践した方なのだと思います。裏を返せば、経営者の意志の強さが会社を発展させるということになります。しばしば、事業を発展させようとする経営者の方が、「すぐに売れる商品はないか」とか、「従業員をやる気にさせるうまい方法はないか」というような、小手先の改善をしようとして相談を受けることがありますが、そのような改善の前に、岩をもうがつ強い意志と覚悟を持たなければ、何をしても結果は変わらないと、私は考えています。

2023/7/29 No.2418

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