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[要旨]

現在は、ライバルとの差別化が難しい時代ですが、ピンチになったときの教訓を、業況がよいときに、確実に活かすことができる会社が、ライバルとの差をつけることができる時代です。


[本文]

米国第35代大統領のケネディの有名な言葉に、「屋根を修理する時は太陽が輝いている時」(The time to repair the roof is when the sun is shining .)というものがあります。誰でも納得できる考え方だと思います。でも、自分の家が雨もりしていることが分かっていながら、晴れた日になっても、なかなか屋根を修理しようという気持ちになれないという人も多いと思います。雨が降っていたときには、「晴れたら、雨もりした屋根を必ず修理しなければ」と、散々、感じたにもかかわらずです。

私も、学生の頃、定期テストで問題があまり解けなかったとき、「これからは、テストに備えて、普段からちゃんと勉強しておこう」と思っても、テストが終わると、テストのときの決意は忘れてしまっていました。しかも、懲りずに、このようなことを、何度も繰り返していました。ところで、いま、多くの中小企業は、ピンチの状況にいる思います。もちろん、その、ピンチの原因は、中小企業自身にはありませんが、このようなピンチの状況に対して、普段からの備えがあるかどうかで、結果として、業績に差が出ています。

そして、いま、ピンチへの備えがある会社は、かつ経験してきたピンチのときに、自社を助けられるのは、最後は自社しかないということに気づき、そして、それを確実に実践した会社なのだと思います。ところで、業績のよい会社は、常に派手な戦略を実践している会社と思われがちですが、私は、それがあてはまるのは、10年くらい前までだったと思っています。令和時代は、戦略が派手かどうかよりも、天気のよいときに雨もりに備えて屋根を修理しておくという、地味な戦略を確実に遂行できるかどうかで、ライバルと大きな差がつく時代だと、私は考えています。

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