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雪とワイン。

「バラとワイン」みたいですが笑
「雪が降るから、ワインができる」というお話。
「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいですが笑
これまでとちょっと違うジャンルの話を書いてみようと思います。


北海道の小さなワイナリー

北海道は、もともとワイン作りにはあまり向いていない土地でした。
フランスやイタリア等の主要なワイン生産国に比べて「寒すぎる」ために、ブドウの栽培がとても難しかった。
それは夏が冷涼だからではなく、夜には氷点下20度を下回るような極寒の冬にこそ原因がある。ブドウの樹が凍害で枯れてしまい、冬を越えられないんですね。
例えば北海道ワインで有名な十勝地方は、越冬できる野生の山ブドウを使ってワインの醸造を始めました。そうしたひと工夫でやっと、北海道はワインにたどり着くことができた。

北海道・岩見沢市。
ここはニュースでも度々名前が出るほど、北海道の中でも積雪量が非常に多い町。
この町に「宝水ワイナリー」という小さなクラフトワイナリーができました。
後に、大泉洋さん主演の映画「ぶどうのなみだ」の舞台になった場所で、実際にこのワイナリーを使って映画の撮影が行われました。

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雪とブドウ

寒くてブドウの育たない北海道に、なぜワイナリーができたのか?
それは、「岩見沢が豪雪地帯だったから」です。

実は、雪の中って暖かいんです。
外気が氷点下になろうとも、雪の中は0℃を下回らないまま保たれます。雪の降る地域の方なら、雪で作った「カマクラ」ってイメージしやすいかもしれません。

岩見沢は、冬になると積雪が2mを超える地域。
それにより、畑のブドウの樹が頭まですっぽりと雪に埋れてしまうんです。
だからブドウの樹は、雪の中の暖かさに守られて、極寒の冬を越えることができる。
この土地ならではの「雪の恩恵」です。

そんな「雪の恩恵」への感謝を込めて、宝水ワイナリーのワインシリーズは「RICCA」と名付けられました。RICCAは「六花=雪の結晶」を意味します。


なるほど、素敵なストーリーのブランドだ。
「雪」ってモチーフは綺麗だし、皆知っててわかりやすいし、特に「北海道といえば」みたいなイメージでよく使われるから、それくらいの薄い感じなのかと思ったら、違った。
このストーリーをもって「だから雪なんですよ」って、僕はたくさんの人に伝えたいと思ったのでした。


ワインとアート

僕はご縁をいただき、この宝水ワイナリーさんで、ワインラベルをデザインしたり、プロジェクトで取り組んだりと色々させていただいています。
お話ししたいことがたくさんあるんだけど、それはまた別の機会で書かせていただきますね。

今年は新型コロナの影響で人間社会は色々動きが変わりましたが、ブドウは変わらず実っているわけで。10月にも「RICCA」シリーズのワインが新たにリリースされたところです。

・RICCA スパークリング 2019 シャルドネ/ピノ・ノワール
・RICCA -雪の系譜- 2019 バッカス
・RICCA -雪の系譜- 2019 レンベルガー
・RICCA -雪の系譜- 2019 シャルドネ

「雪の系譜」ってネーミングも、素敵よね*


この一連のリリースにあたって僕的にちょっと思いついたことがあって、現在展開させていただいています。
それは「ワインのフィーリングやイメージのアクセサリー作品を、ワインのリリースと同じタイミングで販売してみる」というもの。
今回「アクセサリー」にしたのは、コロナ禍で来訪者も遠方じゃなく近場の人が多くなってる流れで一見さんが増えていることもあり、その方々に入りやすいアイテムとして考えたところからでした。

宝水ワイナリーさんでの取り組みの中に「ワインとアート」という位置づけのものがあるんですが、リリース前のワインをクリエイターさんたちと一緒にティスティングさせていただき、その味わいからイメージを沸かせて制作を進めました。
僕の役割はディレクションと、ディスプレイ&パッケージのデザイン制作。

ワインですから味わいはもちろんではあるんですが、アクセサリーという作品表現のアプローチをすることによって、そのワインのストーリーの部分がより見えるようになるかなぁと思ったんですね。
そういった取り組みを、宝水ワイナリーさんではかれこれ10年させていただいています。
今回の作品は、岩見沢の直売所ショップでのみ販売しています。

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ワイナリーは今、ブドウ収穫の真っ最中。
地元の農家さんもお手伝いに来て、畑に総動員しています。
収穫が終われば、次は醸造。
あっという間に今年も「雪」の季節がやってきます。


…と、ここまで昔の話ばっかりだったので、近況のことも書いてみたくなったのでした笑

読んでいただき、ありがとうございました!



最後までお読みいただき、ありがとうございました!頑張って書き重ねていきますので、是非またお越しください。