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病みすぎて「タルパ」に興味を持った話

【まえがき】


— 人口精霊「タルパ」 ―


突然ですが、みなさんは「タルパ」って聞いたことありますか?

「タルパ(=トゥルパ)」とはチベット語で「人工未知霊体」、つまり何もないところから自分だけに見える精霊を作り出してしまうという、チベット密教の奥義です。

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この「タルパ」、正しく生み出すことが出来れば、精霊であるタルパ自ら主に話しかけてくるようになるのだそう。


筆者は、このタルパという存在を初めて知ったとき、驚きよりもまず


― 自分にしか見えない友達を作れるってこと!?

それって、それって・・・最高なのでは? ―


と思ってしまいました。控えめに言って友達が少ない筆者は、憧れの気持ちが勝ってしまったのです。

それでは今回は、「タルパ」についての基礎知識と、その「作り方」について、筆者と一緒に学んでいきましょう!


1.「タルパ」の性質とその作り方

ここでは、タルパというものの具体的な性質およびその作り方ついて解説していきます。

タルパは正しく作り出すことが出来れば主の強い味方になってくれます。

タルパを作った方の中には、自分が忘れてしまったこと―探し物や無くしもの―の場所を教えてくれたり、悩み相談に乗ってくれたりするのだそう。

その時、主ですらタルパが何を言い出すのか全く分からないので、自分の想像を超えた回答が返ってくることもあるみたい。


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ええ・・それって完全に、友達じゃないかー!

本当にそんなことが可能なのでしょうか。気になった筆者は、作り方を試すことにしました。


①まずは「イメージ作り」から!

タルパ作りのための第一段階は、イメージを固めること!

自分のそばにいてくれたらいいなーと思うキャラクターまたは人物のイメージを、細部まで決めるところからスタートです。

筆者は、マックス病んでいた時は、大好きなゲームキャラ(男)にしようと決めました。とにかく、誰でもいいから肯定してほしかったのと、ネガティブな感情を忘れたかったのでタルパのイメージ作りに没頭。

自分が小さいころから憧れていたキャラクターに魂を吹き込むことを決めたのです。

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※筆者のタルパ候補。スクエアエニックス公式サイトより


やっぱり私のタルパは強くて勇敢で、いつでも励ましてくれる子が一番!と、某有名作品の主人公に決めました。イメージもしやすいしね。

ここで注意点。

・自分より頭のいい子、気性の荒い子は出来るだけやめておくこと。

その理由は後々解説しますが、それに注意をして好きなキャラクターイメージを固めましょう。


②簡単な会話を繰り返そう!

イメージが固まったら、次の段階。

簡単な日常会話をしてみましょう。

とはいっても、いきなり返事が返ってくることはないのでまずは自分の脳内で会話を再現するのだそうです。

その際、出来るだけそのタルパが性格的にこう言いそうだな、という口調でタルパの返しも自分で考えましょう。

例えば、

「タルパ君、おはよう」という問いかけに対しては、

「おはよー」「・・・おはよ。」「はよ起きろー!」

など、幾通りもの回答例があると思います。その中で、自分のタルパにあった返事を考え、脳内で再現してみましょう。


③ 常にタルパの存在を意識しよう!

常に、あなたの横にタルパがいることを意識しましょう。

例えば働いているとき、一人で退屈しているとき。タルパはどこにいるでしょうか。

あなたの肩に乗っているかもしれませんし、布団で眠っているかもしれません。最初は難しいかもしれませんが、気付いたときにタルパが今どこにいるのか、少しずつでもいいので考えてみると良いそうです。


④会話のオート化

以上3つが滞りなく出来るようになったら次のステップです。

ここまで来たらあとはもう、タルパからの返答を待つのみ。

以上3つを習慣的に行ってみましょう。すると、ある時...


「おーい。」


タルパの方から、あなたに話しかけてくるそうな。


2.実際にタルパと共に生活している人々


ここまで見てみて、いかがですか?

自分の理想の友達が出来るなんて素敵!と思った方もいれば、

え、ちょっと怖くない・・・?と思った方もいらっしゃるでしょう。


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さまざまな反応があるかと思いますが、ここでは実際にタルパと共に暮らすタルパ―達の声をインターネットから集めてまいりましたので、一緒に見てみましょう。


①「両親の喧嘩におびえる私の耳を塞いでくれた」

――なんだかよくわからないものとのはっきりした出会いは
12歳の時で、それまでも良く脳内で人と会話することはあったんだけど
両親が喧嘩している音で夜中眠れなくて、
子供部屋のドアに喧嘩で飛び交っている物がぶつかって
すごい音がしていて、何かあったら弟を守らなくちゃって
震えてる時に、騒音が聞こえないように耳を塞いでくれた手があった。
それが、あ、このいつも喋ってる人って本当にどっかにいるんだ、って
初めて意識した時。
それからはわりとずっといる―― (2chスレ「タルパみたいのが昔からいるけど質問ある?」より)

まず一つ目の例は、2chのスレッド「タルパみたいのが昔からいるけど質問ある?」より、両親の喧嘩におびえるスレ主の耳をそっと塞いでくれたタルパ。のような存在。

物心ついたときから一緒、というスレ主は彼のことを「自分一人で決めなきゃいけないことを相談したりとか出来て便利なのでいなくなってほしくはない」と語ります。

タルパの中には故意に作らなくとも存在する場合があるようです。

しかし、タルパとは「意志を持った霊体」。いつも自分の思うようには動いてくれないようで、スレ主曰く「時々拗ねたり、好き勝手動いたりしゃべったりする」のだそう。


②「タルパの消し方を教えて」

「タルパ の消し方を教えて下さい。お願いします。」
ベストアンサー「消えません。消したとしても形を変えて存在します。
それが思念体。」――Yahoo!知恵袋より――

さあ、次は少し怖いタルパ―さんの声です。この方は恐らく軽い気持ちでタルパを作ったところ、タルパと相性が合わなくなってしまったのか、はたまたタルパが暴走して身体を乗っ取られかけているのか・・・

この質問のみが残っており、質問者であるタルパ―さんのその後は一切不明。

これはちょっとゾッとしましたね・・・


タルパは、基本的に一度作ると消すことが出来ないといわれています。

だからこそ、タルパを生み出すときは「体は絶対に乗っ取らない」「人がいるときは話さない」などのルールを決めると良いそうです。

もしタルパを作るときは、タルパちゃんのことも考えて、末永く付き合っていく覚悟が必要ですね。


③タルパが頭痛を和らげてくれる

――寧ろ得することの方が多い、例えば
・自分は忘れてもタルパは覚えてたりする(漢字とか仕事の予定)
・忘れ物があると教えてくれる
・頭痛とか和らげてくれる
・朝起こしてくれる ――(2chスレ「タルパいるけど質問ある????????」より)

これはまさに理想といえるタルパちゃんとの付き合い方ですね!

このスレ主のタルパちゃん、なかなかのチート能力をお持ちのようです。

この方は、タルパちゃんを生み出すときにいくつか取り決めを行い、とても慎重に作りだしたとのこと。


以上の3例を見てみると、人によってさまざまなタルパとの付き合い方があるようです。


3.「タルパ」の危険性

ここまでちゃんと読んだ!それでも私はタルパを作るぞおおおおおおお!

その前に、ここまでで分かった、「タルパの危険性」について一緒におさらいしいておきましょう。


★一度作ったら消せない

これは、先ほどの知恵袋の質問者さんの例でもわかるように、一度作ったタルパは消すことがとても難しいようです。

タルパを作るときは、一生一緒に過ごすつもりで作りましょうと書かれているサイトも多く、生半可な気持ちで作ることはおすすめできないとのこと。

★タルパは「暴走」することがある

イマジナリーフレンドとタルパの違いは、「霊体が自分の意思を持っているかどうか」です。つまり、幼少期などに作るイマジナリーフレンドとは違い、タルパは主の意志とは関係なく行動するようになります。

先ほどの記事で、

自分より頭のいい子、気性の荒い子は出来るだけやめておくこと。」

と注意書きをしました。これは、タルパが暴走して主の意向を無視することを避けるための対策です。

主よりも頭のいい子は、自分の境遇に不満を抱き、身体を貸してほしいと提案してくる可能性があります。また、頭のいいタルパは主の意向でコントロールが効かなくなったり、主が予想もしないことを思いついたりします。

タルパを作る段階で、しっかりと良好な関係を築き、自分もタルパもより毎日を心地よく過ごせるといいですよね。

以上がタルパを作るうえで注意が必要な所です。

知れば知るほど、不思議で面白いタルパ。

次の項目では、そんな「タルパ作り」に挑戦した筆者の記録を綴っていきます!

4.筆者がトライした、その結果

さて、ここまで「タルパ」の話を聞いてみて、みなさんは渡来したいと思いますか」?正直、ちょっと怖気づいてしまったのではないでしょうか。

筆者も、今思えば「やるなんて正気の沙汰じゃない」と思いますが、トライした当初の筆者は本気で孤独でした。


― 誰でもいいから、話を聞いてほしい ―


わらにでもすがる思いで、一人でひっそりと、タルパ作りを始めたのでした。

初日から一週間の間は毎日ひたすらひとりで対話の日々でした。

対話そのものは簡単なものからスタート。

「おはよう」「おはよ!」

「今日は早起き出来たなあ」「そうだな!せっかくだし散歩するか?」


これを頭の中でひたすら繰り返します。今思うと狂気的です。

少しずつ、頭の中でタルパの形が出来上がりつつありました。


しかし、継続できず


結論、私はタルパを作り出すことが出来ませんでした。

およそ3か月、暇があればタルパとの会話ごっこをして遊んでいたのですが、対話のオート化は出来ず。気付くとタルパのこともすっかりと忘れてしまったのです。

タルパを生み出すためには、常に存在を感じる想像力声や姿を再現する集中力が長けていないと、一般人にはなかなか難しい所業だということがわかりました。さすが、チベットで奥義と呼ばれているだけあります。

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ただ、一転、病んでいた筆者にとって嬉しい効果がありました。

それは、心の中でポジティブなことばを反射的に出せるようになったこと。

タルパという精霊を生み出すことは叶わなかったものの、


「今日は暗い気分だ、ほんと無理。」

と思っても、反射的に

「でもずっとは続かない」

という心の声のようなものが聞こえるようになりました。


ポジティブな性格のタルパを生み出すためにコツコツと反射的に積み重ねていた、明るい言葉。

タルパの心だけが、残ってくれたのかもしれませんね。


5、まとめ

みなさんは、タルパの存在を信じますか?

現に、タルパと共に生活を豊かにする人は、インターネットでは多く見かけます。

今、寂しいと感じているあなた。


あなただけの心の友達「タルパ」を作りだしてみてはどうでしょうか。


もちろん、すべては自己責任で。


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