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夫子木鐸…「天下に道の行われないのが久しいので、天が先生を木鐸として、道を知らせようとされているのです」

-天下の道無きや久し。天將に夫子を以て木鐸と爲さんとす。
(八佾第三、仮名論語三五頁)

今年の元日、まどろんだ午後四時八分、能登半島地震が発生。
テレビを観ると、崩壊した家屋とゆがんだ道路の映像。
「逃げてください!津波が来ます!すぐに逃げてください」のアナウンサーの声。
しだいに増える死者と行方不明者。
二十九年前に体験した阪神淡路大震災の記憶が蘇り、胸が締めつけられた。

先の見えない不安を増幅させるが、被災された皆様には何とか頑張って、この苦難をしのいでいただきたい。

ある海外メディアが「地震が日本の強靭さを示している」と伝えていた。
建物や道路等の耐震性の強度ではない。
日本人の自然災害に対する精神の強さを伝えたかったのである。

確かに、日本人には身を寄せ合いながら、共に乗り越えようとする気概がある。
意識するしないにこだわらず、日本人は皆、伊弉諾(いざなぎ)伊弉冉(いざなみ)二柱の祖神(おやがみ)から産まれた同胞(はらから)の国柄である。

地震発生から一日夜、天皇皇后両陛下は翌二日の一般参賀中止のご意向を示された。
大御宝(おおみたから)(国民)安かれと、祈られる天皇陛下がおられる国体である。

他者を気づかい、思いやる日本人であること、
世界に類のない万世一系の天皇を奉戴する国体、
国土も自然万物までも同じ祖神から産みだされたという国柄を、
我々の世代が次の世代へしっかりと伝えなければならない。

孔子が自分の理想と、信念が合う国を探して諸国を遍歴した時のこと。
衛の国境にある儀の関守が孔子と会見した後に、
居合わせた弟子たちに「天下に道の行われないのが久しいので、天が先生を木鐸(世の人・社会に警告をし、目覚めさせ、正しい道へと教え導く者)として、道を知らせようとされているのです」と語った。




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