建築編集者ロンロがこれからnoteで実践していきたいこと

こんにちは、ロンロ・ボナペティです。

先日、以下のようなnoteを書きました。
最近noteをはじめた方向けに、建築系のおすすめアカウントをまとめたものです。
ありがたいことに記事内で取り上げさせいただいた方を含め、たくさんの方からリアクションをいただきました。

記事のPV数も投稿から1日半が経った現時点で2000PVを超え、多くの方にツイート&スキしていただけました。(7/26時点で3891PV、62スキまで伸びています。)
もともとこの記事は、僕がnoteで取り組んでいきたいと思っていることに対し、現時点でどの程度の効果があるかを確認するために書いたものです。

そこで得た気づきを、僕が今後noteで挑戦していきたいことと絡めてお話ししたいと思います。

本題に入る前に、まずはこのことをお話しする必要があるでしょう。
恐らくあなたも疑問に思っているはず。
そう、「ロンロ・ボナペティって誰?」。
これです。

ロンロさん(自分のことながらこう読んでいます)は、建築が大好きな黄色い鉛筆です。
建築って面白いよー! 建築的な思考ができるとこんなことにも応用できるよー! といったことを、広く知って欲しくて活動しています。
建築への溢れる愛からnoteを更新しているだけで、誰に頼まれたわけでもありません。
これ重要。

さて自己紹介ができたところで、ロンロさんはなんのためにnoteを書いているの? ということをお話ししたいと思います。
まずはこちらをご覧ください。

だれもが創作をはじめ、続けられるようにする

普段noteを読んでいる方にはおなじみのフレーズですね。
そう、株式会社ピースオブケークがミッションとして掲げている理念です。
ついでにこちらも。

・創作を楽しみ続けること・ずっと発表し続けること

noteを運営する方々が、もっとも重要と考えていること、です。
僕はこれを読んで2回泣きました。
1度目ははじめてnoteのサービスとその理念を知ったとき。
建築の面白さをたくさんの人に伝えたい、と日頃から考えている僕は、noteのサービスを利用してそれが実現できるんじゃないか、と感じたのです。
早速その理念に共感し、ロンロさんという建築ライター・編集者が誕生しました。
そして2度目は、そのような理念を掲げるnoteが、公式のオススメ記事マガジンでロンロさんの記事を紹介してくださったとき。
僕の考えは間違っていなかったんだな、と背中を押してもらえたような気がして思わず涙がこぼれました。

ではそんなロンロさんは、noteでどんなことをしていくのか? それを考えるために、先ほどのnoteのミッション考えてみましょう。
noteのミッションは、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」ことです。
この「だれも」とはだれのことを指しているのでしょうか? 
これはnoteの記事を読んでいる方であれば皆さんご存知ですよね。
そう、まさに今この記事を読んでいるあなたのことですね。
だれも、とは「創作の才能がある人ならだれでも」ということではなく、まさしく全人類(今のところ日本語対応のみですが)のことを指しています。

これまでは作家さんといえば、出版物を通じてコンテンツを発信し、対価を得ることで生活をしていたプロの人たちのことを意味していました。
創作物でお金を得るためには、それなりにクオリティを担保しなくてはならないし、一定数以上の売り上げを見込めないと出版してもらえません。
雑誌や本などの紙のメディアは製品にするために莫大なコストがかかるため、売れないと制作コストが回収できないからですね。だから紙のメディア中心の時代は、創作はごく限られた才能のある人にしかチャンスのないものでした。
でもそれって、すごくもったいないと思いませんか? 
だれだって飲み会で友人達を爆笑させるエピソードのひとつやふたつはあるでしょうし、それを世に出してみたら思わぬ反響があるかもしれません。
あなたしか知らない情報を、3,000人は無理でも熱烈に欲している人が全国に100人もいれば、それはもう世に出すべきコンテンツです。
インターネットの盛り上がりがもたらしたのは、そうしたニッチな需要と発信者とのマッチングですね。
ツイッターやフェイスブックでいいねをもらうのも良いけれど、きちんとアウトプットしてみませんか? というのがnoteというプラットフォームの目指しているところでしょう。

それにやってみるとわかりますが、アウトプットを続けるとインプットの質が格段に上がります。
常にネタを探し続けるので目に入ってくるものから得られる情報のすべてが有益なものになっていくんですね。
ダウンタウンの松本人志さんが、なぜそんなにもたくさん面白い話ができるんですか? と聞かれたときに、別に人と比べて特別面白い出来事に遭遇しているわけではなく、ものの見え方が違うだけだとおっしゃっていました。
同じ場面に遭遇しても、だれでも同じように「面白い話」として披露できるわけではなく、なにが面白いのか? どう話を展開したら笑ってもらえるか? と日頃から突き詰めて考えているからこそ、なんでもない日常を面白おかしく話せるのだと。

これはお笑い的な面白さに限定されるはなしではなく、noteで日々アウトプットされている方を見ていると、書くために考えることが、インプットの精度を上げることにつながっているんだろうな、という印象を受けます。
またアウトプットすることで、リアクションをもらえ、さらに情報が集まってくる。
そうするとまた次なるアウトプットにつながっていく、ということです。
日々目に入ってくる情報を面白がることができれば、毎日が楽しくなることは間違いありません。
これがnoteが大切にしている、「創作を楽しみ続けること」「ずっと発表し続けること」につながるんですね。
これが当たり前の世の中になれば、みんなが楽しく生きていける世界になるんじゃないかと。
そして僕が思うnoteというサービスの素晴らしいところ、今までのサービスとは違うなというところは、この「続ける」ことをサポートする上での工夫の数々です。

さてここまでnoteのミッションを整理してきましたが、ようやくロンロさんの登場です。
ロンロさんはnoteでなにをしていきたいのか?
先ほどお話したように、ロンロさんの願いは、建築の面白さをもっと広めたい、ということです(なぜ広めたいかの話は本筋とずれるのでまたの機会にまとめますね)。
そしてそのためにnoteを活用できると考えています。
ここでもういちど先ほどの「だれも」の問いに立ち戻ると、建築に関わっている「だれも」ってだれのことでしょうか?
さすがにもうおわかりですよね、そうです、「建築に関わっている人全員」です。


・・・・・・残念、ちがいます。
よくよく考えてみてください。
建築に関わっている人、ってだれのことですか?
よく勘違いされがちなのですが、大事なことなので文字サイズを大にして言います。

建築に関わっている人とは、noteが掲げるのと同じ、全人類のことを指しています。

人間が生きていくために必要な衣・食・住の要素のひとつを担っている建築が、建築を仕事にしている人、建築を学んでいる人のためだけのものであっていいはずがありません。
したがって、「建築に関わる人全員」とは定義としては間違っていませんが、それはイコールあなた自身のことも含む全人類のことですよ、ということを念頭に置く必要があります。

さてさて。ここまで読んでいただいている方はもうほとんど残っていないのかも知れませんが、話を先に進めますね。
そろそろ話の道筋がみえてきたのではないかと思いますが、では建築の面白さを広めるために、noteはどのように役に立つのか?
そうです。だれもが建築についての創作物をnoteに上げ続ければ良いのです。

これまで、建築に関わるコンテンツは、特定の人気建築家や名のある建築評論家によるものに限定されていました。
それはなぜかというと、そうじゃないと「売れないから」。
本当は、人気はなくてもきちんとクライアントの満足に応えている建築家さんや、住民の方、またクライアントの方など、ひとつ建築があれば無数にそれに関わっている人たちがいます。
逆に建築の建設を通してなにかトラブルが発生してしまった、そういう経験をもった人たちもいます。
有名な建築家の作品であれば、わざわざそれを見に行って感動する人がいたり、有名な作品とは知らずに日々利用している人がいたり、いつか行ってみたいとだけ思っている人がいたり。
彼らの声は、確実にどこかのだれかにとって参考になるはずではありますが、「売れないから」今までほとんど発信されることなく今日に至っています。

もう少し具体的に落とし込んでいくと、たとえばある人気建築家の事務所で働いているスタッフの人がいるとします。
どんな風にみんなでアイディアをブラッシュアップしていくのか、スタッフたちはどんな生活をしているのか、その建築家のどこに惹かれて入社したのか、スタッフから見たボスの凄さとはなにか、などなど、これから建築家の事務所への就職を考えている人にとって有益な情報がいろいろありそうです。
それを発信して欲しいなあ、そうすればもっと違った建築の楽しみ方が生まれるのになあ、などと僕は思ったりしています。
さすがにそれはボスに黙って書くわけにはいかないし、忙しくてそれどころじゃないし、というご意見もあると思うので、違う例を出します。

たとえば大学の建築学科に進学しようとしている高校生がいるとします。
まずなにから学べば良いのか、大学に入る前に知っておくべきことはなにか、などなど疑問をもっているはず。
Yahoo! 知恵袋などに投稿すれば、そうした質問に答えてくれる方も出てくるかもしれませんが、匿名のどこでなにをしている人かもわからない方からの回答を鵜呑みにするのは恐いですよね。

これまでの出版のあり方では、そうしたニーズに応えるべく編集者が企画を組み、「建築系大学に入学したらはじめに読むべき10冊の名著」などの特集を組む、という方法をとっていました。
それはそれで普遍性もあり広い需要があると思いますが、真に欲している人に届けようと思ったら、主語が出版社側にあるのではなく、まさにその情報を欲している人側にあるべきなんじゃないかな、というのが僕の考えです。
どういうことか。

大学の建築学科に入学しようとしている人自身が、「大学の建築学科に入学したらまず学ぶべきこと」を記事にする。
どんなことに疑問があるのか、今の高校生に流行っていること、これから大学生になろうとしている世代はどのように将来を見据えているのか、そのような実感をきちんともった人が、自分自身の疑問に答えてくれる記事を書く。
なんの情報もなくいきなり書くことはできないから、だれかに話を聞きに行くとか、いろんな人が建築学生向けに発信している内容をまとめてみるとか。
たとえそれを読みたい人が日本に10人しかいなくとも、その10人にとってもの凄く役に立てばいい。
少なくともその10人にとってはそれが最も有益な情報になるはずです。

「やっぱり学問としての建築に関わる人じゃないか」と思ったあなたのためにもうひとつ例を出します。
映画やアニメ、漫画などといったエンターテイメント作品がヒットすると、必ず専門誌での批評以外に、ネット上でいろんな人が感想を言い合いますよね。
テレビなどでも有名人がある作品の面白さを熱く語る、という番組はよく見かける光景です。
エンタメに限らず、スポーツや純文学、競馬などなど日々いろんな分野において、それを専門としているわけではない人たちによって、活発な議論が交わされています。

では建築はどうでしょうか。
ちょっと考えてみて欲しいんですが、テレビ朝日の人気番組「アメトーーク!」で「建築大好き芸人」の回が放送されたらどう思いますか?
ぜひそんな未来を希望しますが、まず考えがたいですよね。
残念ながら今はまだ視聴率も取れなさそう。
「駅舎萌え芸人」や「お寺大好き芸人」、「お城芸人」だったらあるかもしれませんが、「建築大好き芸人」はちょっと無理。
でも僕は、年に1回くらい「建築大好き芸人」が企画されるような世界を願っています。

だってそれくらい建築の世界は面白いし、毎年毎年どんどん見逃せない新しい作品が建てられているんです。
いきなりアメトーークは無理でも、まずはnoteの中でいろんな人が思い思いに建築のことを書く、そういう場になっていって欲しいなと思っています。
だってアカデミー賞を獲った映画の感想記事は量産されるのに、建築学会賞を獲った建築の記事は専門家しか書かないなんて、変だと思いませんか?
映画は好きな人が観にいくものですが、建築はそこにあるもの、あなたたちひとりひとりのために建てられたものなのに。

そしてもうひとつ、重要なのはそうした場を実現するために、ロンロさんはライターとしてではなく、編集者としてできることをしていきたい、と思っています。
今後も自分のアウトプットの精度を上げるために記事は書いていくつもりですが、それだけでは生み出せるコンテンツの数が非常に限定されてしまう。
これまでやってみてせいぜい1週間にひとつ程度が限度だな、というのがわかってきました。
ではどうすれば良いか。

ここまで読んでいただいた方ならもうお分かりですよね。
ご名答、あなたに書いてもらえば良いのです。
僕の考える編集者の役割は、
①自分が読みたいコンテンツを
②「この人なら書ける」という人にアプローチして書いてもらう、そして
③そのためのメリットを提示し
④書くためのサポートをすること です。
従来の紙の出版物においては、①は文字通りの意味、②は先ほども少し書きましたが、特に建築においては一部の有識者に限られていました。
③は第一に印税や原稿料などの対価を支払うこと、そしてその人の考えをたくさんの人に知らしめることも著者にとってメリットになる場合があります。
自分自身の創作物をかたちに残したい、という欲求をもっている著者の方もいらっしゃいます。
④はどんなコンテンツにするかを相談したり、デザイナーや印刷会社などの協力者との協業であったり。
締め切りを設けてその日までに原稿を上げられるよう、著者のお尻を叩くことも重要な役割のひとつですね。
一般的にはそのイメージが強いのかもしれません。

ではロンロさん自身のnoteでの展開を考えてみましょう。
①については、僕は建築バカなので建築に関わるコンテンツであればなんだって面白く読みます。
「こんな視点があるのか」「そうか、建築をまったく学んでいない人からするとこう感じるんだな」などなど専門性のあるなしに関わらず、あなたしか書けない内容であれば絶対に面白がれます。
②については厄介で、だれがどんなことについて書けそうか、というのはひとりひとりが発信しない限りわからないのが正直なところ。
③の部分をきちんと提示するために、これまで自分の記事を発信してきました。
ロンロさんと協業するとこんなメリットがあるよ、というのを伝えるためにも先日の「おススメアカウント10選」の記事を書く必要があったわけです。
良いコンテンツを発信していれば、とりあえずロンロさんが記事内で紹介するだけでもこれだけの人に見てもらえるよ、ということをお見せしたかった。
もしこれを読んでいるあなたと一緒にコンテンツをつくる機会をいただけるのであれば、なおさら一生懸命その拡散に努力します。
そして僕自身がこれまで編集の仕事をする中で培ってきたノウハウをもとに、あなたのコンテンツをどのように編集すればより良くなるか、お手伝いしたいと思っています。
④については、どんなサポートができるか、実際にやってみないとわからないなという気がしています。
このあたりは実際にやってみながら考えていきたいと思っています。

ずいぶん遠回りしましたが、ようやくロンロさんがnoteで実現していきたいことについて、お話しできます。
それはズバリ、

だれもが建築を題材に創作をはじめ、つくり続けられるようにする

ことです。
なんだ、noteのミッションに建築を掛け合わせただけじゃないか、と思われたことでしょう。
そうです、その通り。
あまりにもnoteの理念に共感しすぎてしまったのでそのまま乗っからせていただきました。
だってそれが実現できれば、ロンロさんの夢も叶ったも同然ですから。

それを実現するために、僕が今後noteで取り組んでいきたいと思っているのは以下の3つです。

①僕ひとりではつくれないコンテンツを、さまざまな方との協業により発信していく②建築に関わるコンテンツをもっているがどう発信すれば良いかわからない人へのアドバイス③書くスキルはあるが、発信すべきコンテンツが欲しい人への建築ネタ提供

①についてはたとえば建築家同士の対談を仕込むとか、インタビューを実施して記事にするとか。
前述した相手へのメリットの提示が難しいので、これができるのはしばらく先になりそうです。
ただ、noteへの発信をきっかけにさまざまな方との交流が生まれたので、そうしたつながりからなにかできることはあるという気もしています。
たとえば先日の記事でご紹介した後藤さんとは一度お会いしてお話してみたいな、と思っていますし、ペリカンさんにはメールインタビューするとか、そんなことです。
これは地道に発信力をつけながら、チャンスを伺いたいところですね。

そしてこの記事で皆さんにお伝えしたかったのは、②と③のこと。
ここまで読んでいただけた方は、少なからずロンロさんの思いに共感いただけているはず。
そうであれば、ぜひ一緒にコンテンツを考えてみませんか?
あなたへ提示できるメリットは、コンテンツの構成を僕なりにできる範囲でアドバイスしますよ、ということと、こんなことについて書いてみたらどうだろう? というネタの提供です。
noteというプラットフォームで発信いただくので、ご自身のアカウントを作成できる人であればどなたでも結構ですが、必ず僕がこれまで発信してきた記事、最低でも3記事には目を通した上でコンタクトしてください。
過去記事のどんなところが面白いと感じたか、どんなところに共感いただいたかを伝えていただきます。
良い物が書けたら僕の記事内で紹介させていただく、またあなたの記事内でも僕からどんなアドバイスを受けたのか、を書いていただくことを条件としたいと思います。

僕側のメリットは、「僕が読みたいコンテンツを書いてもらう」ことなので、上手くコミュニケーションが取れなかったり、ヒアリングさせてもらう中でこの人とは難しいかな、と感じた場合、お断りさせていただくこともあるかと思います。
noteやtwitterなどで発信されている方でしたら、過去の発信内容も参考にさせていただきます。
またお金をいただくものではないので、基本的にDMやメール等での短いやり取りになると思います。
特に人数制限や期限は設けませんが、やってみて全然ダメそうだったらすぐにやめちゃうかも知れません。

以上をご理解いただいた上で、「面白そうだな」と思っていただけたら、twitterでフォロー&メッセージください。
DMで返信させていただきます。

建築が好きな方、建築系の学生の方、いろんな方とつながれたら嬉しいです。

※7/26追記
ありがたいことに、記事投稿から実際にコンタクトしてくださった方が数名いらっしゃり、具体的にコンテンツのご相談もさせていただいています。
さらにさらに、ロンロさんの呼びかけに応じてハッシュタグ企画でいろんな方に #建築をスキになった話 というテーマで記事を書いてくださっています!

またnoteの非公式オフ会として、建築系の書籍を取り上げる読書会を開催したら面白そうだな―、とつぶやいたらリアクションいただけたので、2018年中を目標に開催したいと思っています。

8月からは毎月noteの建築系コンテンツの中から、個人的に面白いと思ったものをピックアップしてご紹介していきたいと思っています。

ロンロさんが制作に関わったnote、またロンロさんが建築とどのような思いで向き合っているかをまとめたマガジンをつくったので、こちらもぜひフォローして下さい!


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