見出し画像

2023/11/11



京都GLOWRYで、Lop Abuse On Somebodyの約9年ぶりのライブをした。

解散して約9年、再結成してからもコロナの影響でずっとライブができず、僕らも日々の忙しさで実現が難しくなっていったある日、解散前から対バンもよくしていた旧友の大好きなバンド、asayake no atoが誘ってくれて、ようやく実現した。

_Set List

1.Seagull
2.Predawn
3.彡
4.My World
5.001
6.Glider
7.Hymn

——-

演奏が始まった瞬間、リズムとかフレーズとかに注意したりするといった感情が全てなくなり、4人で演奏しているこの空間が幸せで、それを噛み締めてた。

ようやくライブができてよかった。
遠方から見にきてくれた人も、解散してから知ってくれた人も、昔から見てくれてた人も、みんなありがとう。

今でも何度もライブ映像を見返してる。
俺だけがあのライブハウスにずっといる。
音楽する瞬間こそ、生きてるって実感できるんだと再認識した日。


そんなライブの後日、デザインのプレゼンをしに打ち合わせへと足を運ぶ。

いつものようにデザイン提案の前に、分厚い前段のデザイン設計の経緯から説明し、それぞれのデザインに込めた想いについて熱く語る。

音楽もデザインも同じで、俺はとにかく言語化、コンセプトワークに力を入れる。
自分の感覚に自信がないし、特にデザインは仕事だから、主観的な意見に左右されるのが嫌だから。

しかし、デザインの選択の議論になると、俺の前段の説明は横に置かれ、感覚的に作られた他のデザインと一緒に、「見た目だけで」判断される。

その夜、応募していたタイポグラフィ年鑑に落選したことが判明した。


11月11日の魔法が解けたようだった。
あの瞬間のお客さんの笑顔や歓声は今でも鮮明に覚えてる。
だけど社会やネットの海に降り立った時、自分なりに作った自信作の船は、波に揉まれて一瞬で大破し、沈んでいった。

誰にも見向きもされない。よく考えたら、俺が作った何かでバズった事なんか一度もない。
なのに自分のスタイルを変える事もできるほどの若さはもうない。
プライドが邪魔して、時代にフィットできない。

タイポグラフィ年鑑も、プレゼンも、自信あったのになーと失笑しながら夜飲みに行き、宿泊先のホテルに着いた。
ふとイヤホンをつけて、ハイボールを飲みながら、ボーイズオンザランを聴く。
気がついたら俺は号泣していた。





今思えば幸せだと思う。
30代にしてこんなにクリエイティブで青春できてる。感情を爆発させるほど、デザインにも音楽にも情熱を注いで来たんだと自負があったんだろう。

音楽とデザインがようやくクロスオーバーした2023年。感動したり出鼻をくじかれたり、起伏が激しいけど、音楽で幸福に包まれて、デザインで挫折するのもまた、自分らしいなと思う。

前を向いて、またバッターボックスに立つしかないのかな、おっさんよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?