マガジンのカバー画像

西洋占星術~恒星ノート~

23
神話から恒星の意味を考えています。恒星占星術、ギリシャ神話、天文学からどのような色合いがみえてくるのかを考えたものです。自分自身で学んだこと、思いついたことの研究・忘備録です。 … もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

デーカンの活用法

デーカンの活用法

デーカンの歴史デーカンの歴史は紀元前3000年頃の古代エジプトで始まります。夕日が沈むときにあらわれた星空に基づいて考えられていました。初期の暦は太陰暦で月を13に分割し、29.3日を割り当てました。しかし、この方法では一年で6分の5日余ってしまいました。エジプトではこの余計な日を時間外として考えました。時が経つにつれ、異なる地域の異なる神がデーカンの支配する神として入り込んできました。アラブから

もっとみる
デーカン(10度ずつの分割)~前編~

デーカン(10度ずつの分割)~前編~

デーカンはサインの分割法の1つで「デカネート」として知られています。「デカネート」の語源はギリシャ語の「10日ずつ」。360日の暦を持っていたエジプトに由来すると考えられています。サインは12つに分割されます。1つのサインは30度あり、そのサインを10度ずつ3分割したものがデーカンです。古典では、特にネイタルでは10度ごとに特別な意味が星座をもとに配されていました。

恒星の意味とその恒星があるデ

もっとみる
恒星リスト~(おひつじ~ふたご)恒星名と意味

恒星リスト~(おひつじ~ふたご)恒星名と意味

恒星名~①位置②黄緯③星座・特徴④意味⑤参考にするとよいギリシャ神話   

アルデラミン (ケフェウス座)

①おひつじ12.46②N68.55③ケフェウス座α星。カシオペア座と北極星の間に五角形をしたケフェウス座がある。西暦7500年には北極星に3度まで近づいて北極星になるといわれている(歳差運動)かつては北極星だった。

④規律正しい。礼儀正しく特定の技能を持つ。「女性との対」ではなく独立し

もっとみる
プトレマイオスの48星座

プトレマイオスの48星座

トレミー(100~178)はプトレマイオスとも呼ばれている。彼が設定した48星座のなかで47星座が現在も使われている。北天21星座・黄道12星座・南天星座15星座と区分。プトレマイオスのコメントをもとにした48星座の性質も記載。

※北天21星座こぐま座+++土星、いくぶん金星に似た性質をもつ。無関心さとトラブルをまねきやすい。

おおぐま座+++火星の影響力に似ている。静かで忍耐強く、克己心はあ

もっとみる
恒星リスト~(やぎ~うお)恒星名と意味

恒星リスト~(やぎ~うお)恒星名と意味

①位置②黄緯③星座・特徴④意味⑤参考にするとよいギリシャ神話

フェイシズ 射手座

①やぎ8.18②N0.44③射手座の目。黄道付近にある5.1等星。

④天空の中で最も困難な暴力的な力。他人のことを全く考えず、鋼の意志を貫通するような行動をする。偉大なリーダーにも恐ろしい独裁者にもなれる。人生には常に戦いがあり、慈悲がなく無情と言われる。好戦的で軍人的。目的を正確に射貫く。焦点を定めると高い目

もっとみる
恒星リスト~(てんびん~いて) 恒星名と意味

恒星リスト~(てんびん~いて) 恒星名と意味

①位置②黄緯③恒星④特徴・意味⑤参考にするとよいギリシャ神話

ディアデム (かみのけ座)

①てんびん8.57②N22.59③かみのけ座は暗い星が集まっている星雲状。ギリシャ時代からしし座とうしかい座の間にぼんやりとした星の集まりがあることが知られていた。トレミーの48星座に含まれていなかったため16世紀に入るまで一つの星座として認められていなかった。1536年にカスパル・ヴォペル(ドイツ)が自

もっとみる
恒星リスト~(かに~おとめ)恒星名と意味

恒星リスト~(かに~おとめ)恒星名と意味

①位置②黄緯③恒星④特徴・意味⑤参考にするとよいギリシャ神話

ムルジム (こいぬ座)

①かに7.12②S41.15③子犬座の恒星。

④うるさく吠える犬。伝えたいことがある。言いたいことがある。シリウスの前に上がってくるのでアナウンサーの星といわれる。常に解説している。分からないものを解いていく力。人目に触れるという意味もあるので、人前で話すという意味にもなる。何か重要なメッセージを持っていて

もっとみる
恒星ノート~おとめ座

恒星ノート~おとめ座

〇恒星:スピカ、ヴィンデミアトリックス

主な登場キャラクター:ペルセポネ、ハデス、デメテル、ゼウス

ゼウスと豊穣の女神デメテルにはペルセポネという美しい娘がいました。ある日、ペルセポネがニンフたちと咲いていた水仙の花を摘んでいました。突然、大地が裂け、裂け目から冥界の神ハデスが黒馬に乗って飛び出してきました。ハデスは嫌がるペルセポネを黒馬に乗せ、自らの世界である冥界へと連れ去ってしまいました。

もっとみる
恒星ノート~ヘラクレス座・ケンタウルス座 ヘラクレスのものがたり・下:12の大業

恒星ノート~ヘラクレス座・ケンタウルス座 ヘラクレスのものがたり・下:12の大業

ラス アルゲティ・アゲナ・トリマン

ヘラクレスのものがたり下:ヘラクレスとケンタウルスヘラクレスの大業(③)・⑪・⑫

○主な登場キャラクター:ヘラクレス・ケンタウルス族(半人半馬の種族)

 半人半馬のケンタウルス族は狩りの得意な野蛮な存在でした。ヘラクレスが与えられた「12の大業」のひとつ③エリュマントスの猪退治の際、ヘラクレスはポロスというケンタウルスと親しくなりました。

③エリュマント

もっとみる
恒星ノート~しし座~ ヘラクレスのものがたり・中:12の大業

恒星ノート~しし座~ ヘラクレスのものがたり・中:12の大業

12の大業①・⑦・⑧・⑨・⑩

レグルス・ゾスマ・デネボラ・(スブラ)・(アルジャー)

主な登場キャラクター:ヘラクレス

 ヘラクレスがエウリュステウス王のもとで成し遂げた12の大業のうち、王が最初に要求したのは、①ネメアのライオン退治でした。鉄でも貫くことのできない毛皮をもった獣でした。この大獅子は人や家畜を食い荒らしていました。大獅子に襲われて、すみかの近くに住む人は激減し、ヘラクレスを大

もっとみる
恒星ノート~コップ座・いるか座~

恒星ノート~コップ座・いるか座~

アルケス・スワロキン

アリアドネの物語・ディオニソスの物語……登場するのは、ミノス、アリアドネ、ディオニソス、テセウス、ポセイドン

ミノス王はクレタ島の富と権力を一手に握る王でした。王に力を与えたのは地震と深海の王ポセイドンでした。ポセイドンは魚の尾をもつ姿で描かれていることが多い神です。海の生物は現代とは異なり、恒温動物とはちがう「狡猾さ」「冷淡さ」があるものとしてとらえられていたようです。

もっとみる
恒星ノート~おうし座・かんむり座

恒星ノート~おうし座・かんむり座

アルデバラン・エルナト・アルシオネ・アルフェッカ・(アルへカ)・(プレアデス星団)

○おうし座の神話:登場するのは…ゼウス・エウロペ

フェニキアの王の娘エウロペは海辺で遊んでいました。そのようすを天から全能の神ゼウスが見下ろしていました。花を摘んでいるエウロペの美しさに魅了されて、一等の白い牛に姿を変えたゼウス。ゼウスの化身は白く、透き通るような角を持っていました。美しい牡牛に見惚れたエウロパ

もっとみる
西洋占星術を学ぶこと~最近、読んでいる本~

西洋占星術を学ぶこと~最近、読んでいる本~

最近、改めて占星術書を読み直しています。占星術に関する良書が増えていて、わくわくしています。最近、じっくりととりくんでいるのは

の2冊です。

古典にはもともと興味があったのですけれども、じっくりと取り組んでいます。「クリスチャン・アストロロジー」は昔ながらの表現が残っていて、読んでいて感動してしまいます‼訳すばらしい!!脚注すばらしい!!とても詳しく載ってあるので、言葉につまずいて挫折するリス

もっとみる