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スーパーの刺身を昆布〆にする話

スーパーの刺身にひと手間加えて美味しく食べたい。そんな欲望が私にはあります。例えばマグロをサクで買ってきて塩をして30分くらい置いてから食べる方法は有名ですよね。今回はまた別のアプローチとして刺身の昆布〆を紹介したいと思います。

昆布〆とは

昆布〆とは新鮮な刺身を昆布で挟み昆布の旨味を染み込ませる調理方法です。元々、富山県の郷土料理で、江戸時代に北前船が運んできた北海道の昆布と、富山湾で取れる魚を組み合わせて生まれました。昆布は魚の余分な水分を吸収し日持ちを良くするため、冷蔵庫の無い時代の生魚を保存する手段でした。保存方法としてだけでなく、昆布の旨味が染み込んだ魚は味わい深くなり、身は熟成され程よい弾力が生まれるなど、美味しさも加わりました。

昆布〆用昆布を使うと楽

こぶ〆用昆布

市販の出汁用昆布だと曲がっていたり分厚かったりするので、こぶ〆用の昆布を使うと楽です。

やはり富山で加工されている商品でした。

中身は出来るだけ平らにされた昆布です。厚みも薄めです。この平らであることが調理のしやすさに繋がります。

昆布〆を作る

刺身を買ってきます。勿論サクで買ってきて自分で切っても大丈夫です。基本的に白身魚との相性が良いです。

日本酒を染み込ませたキッチンペーパーで昆布の表面を拭きます。お刺身の量によって昆布の枚数は決まります。今回は3枚使います。

バットの上に昆布を敷き、刺身をその上に並べていきます。並べたらほんの少しだけ振り塩をします。
そしてその上にまた昆布を置いて刺身を挟みます。

最後にラップで包み、冷蔵庫で寝かせます。私は重しとして缶ビールを上に置いておきます。
ここで仕込みは終わり。あとは4時間以上寝かせて頂きます。魚の刺身の感触を残したい方は3〜4時間程度で食べるのがオススメです。ガッツリ昆布〆感を味わいたい場合は半日〜1日程度がオススメです。
基本的に寝かせる時間が長くなると、刺身の水分が昆布に吸収されて生ハムのような食感になります。これを弾力が出ると評価するか、身が固くなると評価するかは好みにもよります。ただ長く寝かせた方が旨味もしっかりと身に染み込むので、その辺りのバランスを模索しながら試してみると良いと思います。

昆布〆の作例

日本酒と合わせるともう抜群です。振り塩をしているのでそのまま食べることが出来ます。もし足りなければ、ワサビや醤油を付けて食べると良いでしょう。

出来上がりの身質や見た目は寝かせる時間に左右するので最適解を見つけるのも楽しいです。

私の調理方法は以上です。先にサクに塩をして出てきた水分を拭き取って昆布で挟む方法や、昆布を拭くときに日本酒では無く酢を使う方法だったりと様々な方法があります。是非、色々試してみてください。

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