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猫を棄てる|村上春樹

普段、本を読んだら感想をA4ノートにまとめる癖がある。
こればかりは簡単に感想をかけないと思った文章を読んだので、なにかの記念だと思い、これを気にnoteに書いてみようと思った。

追い求めるものや行動する理由がないときに、ふと訪れる、なぜ生きているのかという、ひどく不思議な感覚。

誰もが感じたことがある、だけど誰かと深く話し込んだこともないだろうそんな感情に、すごく寄り添ってくれる本だったと感じた。

両親はどのようにして巡り合い、その祖父母両親はどのようにして巡り合ったのか。

戦争を通して、生死観念を薄く伸ばすことで、なおのことその事実の不安定さを浮き彫りにさせていたように見えた。

「自分自身が透明になっていく」

当たり前のように生きている自分と、周りの人たち。
きっと、当人からすれば当たり前のように生きているのだろうが、またその両親も事前に決まっていたかのような運命的な出会いを果たしたのだろうが、その可能性の脆さ加減を改めて考えさせられた気がしている。

「結果は起因をあっさりと飲み込んでしまう」

結果を出すことが重要、というようなニュアンスを含みつつあるこの文章は、ビジネスの場でだけで考えられていた「結果」という言葉を職場以外に持ち出すきっかけを与えてくれるものだった。

父親との思い出をたどりながら、自身の存在や世の中の仕組みを眺めるように触れるようにしてゆく、文章でした。

これから、せっかくなので短い感想を気まぐれで載せていこうと思う。

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