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セラピストやその学生が初心や志を忘れそうになった時に読むノート

 日々忙しく仕事や勉強などをしていると、いつの間にかセラピストを目指していた当初の熱い気持ちやセラピストとしての自分の在り方や考え方、志などを忘れてしまいがちです。

 もちろん、自身の成長と共に考え方が変わっていくことも多々あるでしょう。

 しかし、何年セラピストとして働いていようとも、変わらない部分や変わってはいけない部分もあるはずです。

 このnoteがそのようなセラピストとして働く上での気持ちの整理や手助けになればと考えております。

 ただし、このnoteはあくまでもいち理学療法士の考えです。

 偉そうなことや少々刺激的な表現もあるかもしれませんが、掲載している多くの言葉は私自身の戒めのためのものです。

 つまり、私自身が大切にしている言葉であり、忘れないようにしている言葉でもあります。

 偉ぶるつもりはありませんし、そもそも私は偉くないです。

 そのため掲載されている内容を強制するものではありませんし、全てが正しい内容であると言っている訳でもありません。

 この内容の全て参考にして頂いても良いですし、一部分のみを参考にして頂いても構いません。

 当然ながら解釈なども含めて読み手の自由です。

 似たような言葉や内容が掲載されている場合もありますが、複数回出てくる内容は特に大切なことであると思って頂けると幸いです。

 いずれにせよ私としては、このnoteに書かれている内容がほんの少しでもセラピストとしての活動に役立つことができればと考えております。

 特にセラピストとしての熱い気持ちや志を持ち続けるための手助けになれば幸いです。

現在、このnoteには74の言葉とその解釈を簡潔に掲載しています。

※最終更新日:2023年10月4日

【1】

治療であろうと勉強であろうと諦めたらそこで終わり。
しかし、満足してもそこで終わり。
現状より良いものを目指す向上心が常にセラピストには必要。
満足して良いのは患者さんだけ。

 人は諦めた時はもちろん、満足してしまってもそこで成長がストップしてしまいます。

 患者さんの要望にいつも応えられるセラピストになるためには、常日頃からより良い治療やサポートができるように向上心を持って努力し続けなくてはなりません。
 つまり、どれだけ患者さんが満足してくださっても、そこでセラピストは満足せずに「もっと良い方法があったのではないのか?」と探究する姿勢が必要だと考えています。

 いつも向上心を持って仕事に臨む事は大変ではあります。
 しかしながら「セラピスト」というプロフェッショナルである以上、いつもプロの仕事をする必要があります。
 だからこそ、そのための覚悟と努力は惜しんではならないと考えています。

【2】

患者さんと同じ立場になった時に、自分も受けたい治療を提供する。

 セラピストとして、患者さんに満足して頂ける治療を提供できることはとても喜ばしいものですが、具体的にどのような治療を展開していくのかは、各々のセラピストに委ねられます。

 ここで大切なことは、どのような治療を展開するにせよ、患者さんと全く同じ怪我や病気を罹った時に、自分が提供した治療と同じ治療を受けたいかどうかを自問自答する必要があると思います。
 すなわち、常に自分の評価・治療内容に責任とプライドを持たなくてはならないということです。
 これはどのような疾患、状況であろうとも同じはずです。

 自分の評価・治療内容にプライドが持てないようであれば、それはもはやプロフェッショナルの仕事ではありません。
 免許を用いて仕事をするプロだからこそ、自身の仕事内容には常に責任とプライドを持つ必要があるのです。
 そして何よりも「結果」が重要であることは、言うまでもありません。

 ただし、ここで注意すべき点があります。
 それは治療内容や結果が、セラピスト自身の自己満足で終わらないように注意しなくてはなりません。
 患者さんが求めているリハビリテーションの結果と、セラピスト自身が考えているリハビリテーションの結果に相違があってはなりません。
 その相違が大きければ大きいほど、どれだけ効果的といわれる治療を提供しても、親切の押し売りのような形になってしまいます。
 常に多くのコミュニケーションを通じて、患者さんがどのような治療や結果を望んでいるのかを傾聴していく必要があります。

 自己満足ではなく、患者さん本意の治療結果を提供することが我々セラピストの務めであると考えています。

【3】

切磋琢磨できる関係が自分を成長させる。
馴れ合いほど自分を駄目にする関係はない。

 良い部分は素直に褒め、修正するべき部分は遠慮なく指摘する。
 また、良い部分はどうすればさらに良くなるのかを一緒になって考える。
 さらに、修正するべき部分も同様に、どうすれば良い方向に持って行けるのかを互いに考える。その日々の繰り返しが、真の実力を備える本物のセラピストに成長させてくれます。

 しかしながら、中にはただただ褒めたり、「Yes」のみで終わってしったりする馴れ合いのような状態になってしまう関係もあります。
 確かに上司と部下の関係で、部下が上司に向かって言いたいことを好きに言う間柄になることは難しいことが多いです。そのようになると必然的に、いつも上司を肯定する受け答えになりがちです。

 しかし、それではお互いに成長できません。あくまでも理想ですが、部下であろうと上司であろうと良い意見には賛同し、修正すべき意見には指摘をする。
 当たり前ですが、その基本的な言動・行動こそが自身の成長に繋がります。一方的な上下関係にこだわる人間ほど、実力が低いセラピストに多いかもしれません。自分の実力の無さは、部下には隠したいですからね。

 真の実力があれば自然と周りから一目置かれて、人はついてきます。
 そして、周囲の人間の実力までも押し上げることができます。
 さらには職場の環境までも変えることができます。

 あなたの周りにはそのようなセラピストは居ますか?
 居るのであれば、そのセラピストの全てを吸収するつもりで喰らいついて勉強してみてください。その姿勢であれば、あなた自身の実力も向上することと思います。

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