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新型コロナウイルスに対する心の持ち方④

新型コロナウイルスが蔓延した直後、個人的には心理的な悪影響はそれほど大きくないと見込んでいました。なぜなら、心理的被害の大きさは、以下のように表すことができるからです。

「自然による被害」<「人為的な被害」
「集団で受けた被害」<「個人で受けた被害」

今回は、自然による被害ですし、集団で受けた被害です。もちろん、受け取り方は個々に違いますが、一般的にはそれほど大きな影響はないかと思っていました。

被害の大きさ

人との繋がりが断たれる

しかし、新型コロナウイルスは、感染拡大防止のために人と距離を取ることが求められ、人とのつながりが断たれます。その結果、今後は孤独の問題が大きくなっていくことが懸念されます。

学校や仕事に登校、出勤している人は、繋がりが断たれることはないかもしれません。しかし、単身でリモートで仕事をしている方や、高齢者の方は、孤立し、孤独を感じるかもしれません。

孤独の心理的悪影響は大きい

心理学的には、孤独は有害なものとして知られています。長く孤独な状態でいると、寂しさや満たされない気持ちを感じるだけでなく、うつ病や自殺願望、攻撃性、不眠などの症状が出てきます。心だけではなく、身体にも問題が生じます。高血圧や体重増加、コレステロール値の上昇、ストレスホルモンの増加、免疫力の低下といった不調が起こります。長期的な健康を考えると、孤独のリスクは喫煙に匹敵します。

余談ですが、孤独は精神的、身体的な悪影響だけでなく、経済にも打撃を与えます。イギリスでは孤独による経済的な損失に関する大規模な研究がなされています。その結果、年に4.9兆円の損失があったそうです。それを受けて孤独担当大臣が新設されています。今後、日本でもこれまで以上に大きな問題として取り上げられるかもしれません。

孤独に陥らないようにするため、可能な限りつながりを維持するように努めてください。昔と違い、オンラインのビデオ電話もありますので、そのようなツールが有効です。この機会に手紙を書いてみるのもいいかもしれません。これまではあまり意識していなかったかもしれませんが、人との繋がりは私たちの心の基盤になっています。この機会に、その重要性を見直してみてください。


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