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人生もコンゲームかも!?

騙されるのが気持ちいいなんて、笑っちゃう。

久しぶりに娘と映画に行ってきた。

「コンフィデンスマンJP ロマンス編」

長澤まさみ演じる「ダー子」、東出昌大演じる「ボクちゃん」、小日向文世演じる「リチャード」の三人が、欲にまみれ、悪どい方法で金を儲けるターゲットに詐欺を仕掛け、まんまと金を騙し取るコンゲーム(騙し合い)のお話。

昨年のドラマ編から、娘と二人でハマって、毎週楽しく見ていた。

毎回、最後に「やられたー!!」と叫んでしまう。この「やられたー」がなんとも爽快なのだ。
ドラマの中盤までは、3人の仕掛けた罠がターゲットに見破られたり、逆にターゲットの罠にかかってしまったり、予想もしない展開になって窮地に追い込まれたり、今回のコンゲームが失敗したかのように見える。追い込まれた3人が一体どうやって、巻き返し、まんまと金をゲットするのか、ハラハラ、ドキドキの展開。
でも最後は必ず成功する。
この、騙し騙され、最後の逆転劇がたまらなく気持ちがいい。スカッとする。
窮地に追い込まれること自体が、そもそも3人(ボクちゃんだけは、ダー子に本当に騙されていることもあるけれど)が仕掛けた罠だったり、窮地に追い込まれたから逆に上手くいったり。最後の種明かしで「そこから全部罠だったのか!!!!!!!」とビックリマーク無限大で、驚かされる。
そのあまりにも潔く騙されることに快感を覚えるのだ。
それは、ミスターマリックの超魔術の種明かしを見たような気持ち(見たことないけど)
私たち視聴者は、3人が、どこからターゲットに罠を仕掛けているのか全くわからない。

それは、ストーリーの素晴らしさはもちろんのこと、キャラクターを演じる俳優さんたちの演技の凄さでもあると思う。
コンゲームの答えを知っていながら演じ、なおかつ視聴者にはゲームの手の内をバレないように演じる、その演技力が、このドラマのすごいところでもあると思う。

今回の映画は、そのキャストに今をときめく名俳優、江口洋介、竹内結子、三浦春馬などなど、これでもかと投入、舞台は香港、面白くないはずがない。

映画公開翌日の、5月18日に放映されたスペシャルドラマ「コンフィデンスマンJP 運勢編」もめちゃくちゃ面白かった。観終わったあとで、娘とふたり、「ふうーーー!」と大きな深呼吸をするほど、息を飲んで見たから、期待はとても大きかった。

だから劇場版を観に行くのがとてもたのしみだった。
今回は、どんな手口で私たちを騙してくれるのか、どんなラストが待っているのか。

結論。完全に騙された。
ネタバレになるので詳しく語れませんが、とことん騙されました。
それもこれも罠だったのかー! やられたー! の一言です。
観ている間「ここはダー子のしかけた罠か? ここはリアルなのか?」と必死で考えながら観ていたのに、どれもこれも私の浅はかな考えなんか、ひょいっと裏切ってくれて、本当嬉しくなります。「こんなに想像を超えてくれて、お腹いっぱいです。ごちそうさまでした!」とさえ言いたい。

映画を見て、もう一度ハマってしまった、コンフィデンスマンJP。
帰ってきて、さっそく去年のドラマ編を動画配信していないかチェックした。FODで配信されているようなので、申し込もう。
見始めると止まらないのは目に見えているので、今日のところは録画してあったスペシャルドラマを見返して、我慢している。

そんなどハマり中のコンフィデンスマンJP、もう一つ好きなところがある。
コンフィデンスマンたちに騙されていく中で、ターゲットは自分の欲にまみれた人生を振り返る。
騙され、奪われることで、自分はなぜ金の亡者になってしまったのか、自分は今までなんのために生きてきたのか、立ち止まって考えるきっかけが与えられる。
何かに急かされるように突っ走ってきて、周りが見えなくなっていたターゲットは、金を奪われてはじめて、本性をさらけだし、大事なことは金ではなかったと気づく。
立ち止まれたおかげで、人生の見つめ直し、また歩き出す。
(ますます金の亡者になったりもするけどね)

残念ながらダー子たちに狙われるようなお金は持っていないけれど、似たようなことは自分にも起きてるなと思う。
例えば、何かにせき立てられるように突っ走ってきて、周りが見えなくなっていることがある。休むことを恐れ、ひたすら働き続けたり、やるべきことに追われ、やりたいことが見えなくなったり、忙しさに振り回されるうち、周りの優しさに気づけなくなったりする。
そんな時に限って、車が故障したり、小さな事故を起こしたり、病気になったり、怪我をしたり、仕事で大きなミスをしたり、子供が病気になったりする。
そんな不運に見舞われた時こそ、はっと我に返る。
猛スピードで走っていたところに、急ブレーキがかかる。
私は、自分を見失っていたんじゃないか。心を失っていたんじゃないか。家族を大事にしていなかったんじゃないか、周りの人の優しさをちゃんと受け止めていなかったんじゃないか。自分にとって本当に大事なことはなんだ!?
ふと立ち止まって自問自答する。そして反省する。
それから考えを改め、またゆっくりと歩き出す。
その繰り返しで、少しはましな人間になれているような気もしないでもない。

もしかしたら、私たちも、神様に人生というコンゲームを仕掛けられているのかもしれない。そうならば、人生の途中でたまに発生するトラブルに「騙された! わはは!」と笑っていいのかもしれないな。(そう簡単に笑えないけど)

今回の映画もまた、そんな場面があるとかないとか。

とにかく、劇場版もドラマ版もコンフィデンスマンJPは面白いので、スカッとしたい人におすすめしたいという話です。

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