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『小僧の神様』

『小僧の神様』
志賀直哉著


小僧の仙吉に貴族議員Bが、奢ってあげるという話。

たまたま貴族だから、金持ちのBは、
同情することが偽善ではないか?金持ちが社会に還元することが偽善とみられてしまうのではないか?ということに、葛藤を感じているということなのだけど。

日本人は、お金持ちが、社会に還元しようとすると反感を感じさせてしまう。昔からそうだったのだろうね。zozoの前澤氏がお金をばら撒いた時も、欲しがるくせに、全体的には、否定的な雰囲気だったことを思い出した。神様くらい出ないと、施すようなことをしてはいけないということなのかな?

欧米の寄付の発想が、正しいのかどうかわからないところだけど、常識として、「金持ちは社会や庶民に還元するもの」という価値観が当たり前のこととされていることとだいぶ違うものだと思う。

政治家にうまい具合にコントロールされているのかもしれないと思うと怖い。

ちなみに、「小僧寿しチェーン」の社名は、この『小僧の神様』から取ったものらしい。昔、鮨は高価で、庶民が、食べられるものではなかった。そこで、小僧のように惨めな思いをしないように、「庶民でも気軽に食べられる安価な鮨を提供する」という思いから、「小僧」を社名に使ったとのこと。

本書に戻ると、文章の一つ一つが、きれいだなあと思った。

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