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【Webセミナー参加レポ】これからのオンライン授業の可能性と不登校の現状とは?

2020年のコロナ禍によって、子どもたちの教育の場も対面授業だけでなくオンライン授業が定着し、新たな「学び」のスタイルが構築されつつあります。

子育てがひと段落した私にとってウィズコロナの子どもの教育事情はやはり興味深いもの。
そこで今と未来の子どもたちの「学び」を知りたいと思い、株式会社マモル隈有子さん主催のオンラインセミナー「学校って何のために行くのだろう?」に参加させていただきました。

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そして、今回のこちらのオンラインセミナーでは、福岡で不登校の子どもを対象としたオンライン家庭教師事業を手掛けるワオフル株式会社の代表を務める辻田寛明さんをお迎えし、不登校事情やコロナ禍の教育事業、オンライン授業の現状を中心とした白熱トークが展開されました。

多様化する今どきの不登校事情とは?

ひと昔の「不登校」の理由といえば、いじめといった人間関係のトラブルといったネガティブなイメージが先行していました。

また、近年における不登校の理由の種類については多様であり、なかには学校との相性が合わない(発達障害など)、集団行動が苦手、学校の勉強が簡単すぎるなどの理由で不登校となった事例も実際にあるそうです。なかには、一人の生徒が人間関係や勉強の遅れといった複数の悩みを抱えているケースも。

加えて、学校側も不登校(※ここでは病気療養が必要な休み以外で30日以上連続して欠席していること)を容認する形となっています。「すらら」というオンラインの学習ツールをやると出席扱い(※ただし認証は校長が判断)となる場合があり、それを単位として認めてくれるそうです。

不登校の子どものなかにはネットで学習するというパターンもあります。今回のトークセッションに参加された辻田さんは、福岡でワオフル株式会社にて不登校の向けのオンライン家庭教師事業を展開。生徒のカリキュラムについては最初から授業内容を決めておらず、辻田さんと受講生がじっくり話し合ってから決めるとオーダーメイドカリキュラムです。生徒の「やりたい」を引き出す探求型スタイルを展開しているのが特徴だそう。

学校は我慢していくものなのか?

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今回のトークセッションのテーマであり「学校って何のために行くのだろう?」という話し合いも繰り広げられました。

たとえば、我が子が学校へ行きたくないというとき、親御さんのなかには子どもの考えや思いを尊重するかどうか迷うということもあるもしれません。そんなとき親御さんがしておきたいのが、「とりあえず行ってごらん」ではなく、子どもの気持ちをしっかり聞くのが必要だそう。その働きかけによって、我が子に必要な声掛けが自然と思いつくようになるそうです。

ただ、時には我慢することも必要です。辻田さん曰く、我慢にも2つの種類があり、「しても良い我慢」「ダメな我慢(=してはいけない我慢)」があります。いじめはダメな我慢のカテゴリーですが、ある目標を達成(スポーツなど)させるための我慢は途中しんどいことがあっても最後まで貫くことも必要です。

つまり我が子に試練があったら、まずは子どもが置かれている状況を汲み取り、我慢をさせるかさせないかを判断するのが親の役目となるのではないかと思います。

コロナ禍で新たな教育スタイルが模索されている

今回のオンラインセミナーでもコロナ禍による教育事情について触れていました。地域差があるものの、特にオンライン授業はコロナ禍の休校により新しい学びのスタイルとして確立されつつあります。そして不登校の子どもにとってもオンライン授業の活用によって学びの幅が広がりました。

そして今注目すべき新たな教育スタイルが「ブレンディッド・ラーニング(Blended Learning)」です。これは既にアメリカなどで取り入れられている教育スタイル。座学による知識習得やテストなどをオンラインで実施し、ディスカッションや実地訓練などといった集合系の研修をオフライン(=対面式)行うという、2種類の授業で成り立っています。オンラインとオフラインの良い点をミックスしたイメージといえるかもしれません。

時代が流れても学校は必要

辻田さんは前に記しているとおり、オンラインの家庭教師事業を展開していますが、いつの時代でも学校は必要不可欠な存在であると述べていました。なぜなら学校は失敗できる場所であり、その失敗を体験しないと後々挫折してしまうこともあるからです。学校という集団生活において、失敗の積み重ね(トライ&エラー)よって失敗の捉え方などが学べるとともに、どのようにしたら成功できるかという能力が鍛えられるのは言うまでもありません。

最後に

私が小中学生の頃(※昭和の終わりから平成のはじめ)は、「何が何でも学校へ行きなさい」「学校へ行かないと(内申点が取れなくなるから)高校や大学に行けなくなる、将来が不安定だ」などを先生といった大人からよく言われていたものでした。フリースクールなどの学校以外の場で学ぶという選択肢もないに等しい状態でした。自分自身、「何で学校へ行かなくてはならないの?」という疑問を抱いても普通に学校へ通っていました。

今回のこのセミナーを拝聴し、レポートをまとめることで、トークセッションのなかで私が印象を受けたのは、授業を先生たちの指導が行き届く15人から20人の少人数クラスが理想だということ。既にオランダや北欧といった教育先進国の学校では少人数でのクラス編成だそうですが、海外の教育制度の成功例によって日本の教育システムがどのように変わっていくか注目したいところです。

コロナ禍はまだ続きますが、オンライン・オフライン融合型の「ブレンディッド・ラーニング」や多様性を受け入れる教育ことによって、子どもたちが主体的に学べる場が多くなることを期待しています。


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