法の下に生きる人間〈第56日〉

コンビニやスーパーで買い物をすると、セルフレジでも有人レジでも、私たちはレジ袋のバーコードを読み取って、3円〜5円を負担するのが当たり前の時代になった。

ひと昔前はレジ袋はタダだったのに、今やデパートに行っても、袋代を取られるようになった。

さて、こんな時代になったのは、どうしてなのか説明できるだろうか。

コロナ禍であまり記憶にない人もいるかもしれないが、全国一律でレジ袋の有料化がスタートしたのは、3年前の令和2年(=2020年)7月である。

まさにその年は、オリンピックが7月24日に開催されるはずだったわけだが、その2ヶ月前の5月は、大型連休にもかかわらず、日本中がガラーンとした街なかだった。

7月に入ってもまだ宅配を多く利用していた人は、有料化スタートの実感も薄かったのではないだろうか。

レジ袋有料化は、一部の自治体においては、率先して早くから取り組んでいたところもあり、そうした自治体に住んでいる人は、有料化が全国的に広がっても普通のこととして受け止めていただろう。

ところで、「全国一律で有料化されたのだから、法令改正で義務づけられたんだよね?」と勘違いしている人がいるが、レジ袋有料化は実は義務ではない。

正確に言うならば、平成7年(=1995年)に制定された「容器包装リサイクル法(=容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)」の第7条の4第1項の規定に基づく省令改正があったから、有料化がスタートしたのである。

「ん?急に難しい話になった」と思われた方のために、今日は、その第7条の4第1項の条文を紹介しよう。

(事業者の判断の基準となるべき事項) 
【第七条の四】
主務大臣は、容器包装廃棄物の排出の抑制を促進するため、主務省令で、その事業において容器包装を用いる事業者であって、容器包装の過剰な使用の抑制その他の容器包装の使用の合理化を行うことが特に必要な業種として政令で定めるものに属する事業を行うもの(以下「指定容器包装利用事業者」という。)が容器包装の使用の合理化により容器包装廃棄物の排出の抑制を促進するために取り組むべき措置に関して当該事業者の判断の基準となるべき事項を定めるものとする。

以上である。

こんな長ったらしい文章は分かりにくい(徒然草よりヒドイ笑)と思うので、とりあえず、必要最低限の主語・述語・目的語などを抜き出してみよう。

「主務大臣は、主務省令で、当該事業者の判断の基準となるべき事項を定めるものとする。」

(例文)
環境大臣は、環境省令で、小売事業者の判断の基準となるべき事項を定めるものとする。

この続きは、明日である。







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