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沖縄県より~なんじぃAC編~

1月8日〜1月20日まで、第2回冬期合宿を沖縄県名護市で行ってきました。

実業団時代に同じチームで汗を流した濱崎達規選手の繋がりもあり、沖縄県の方々には毎年この合宿で大変お世話になっております。

今回から3回に分けて3つのイベントの事を紹介していけたらなと思っています。

第1回はその濱崎選手がコーチ、運営を勤めている沖縄県南城市で活動する陸上クラブ、なんじぃACについて紹介します。

なんじぃAC コーチ 濱崎達規

まずなんじぃACの選手兼コーチを勤めている濱崎選手の紹介から

濱崎達規 Tatsunori Hamasaki 沖縄県生まれ
沖縄工業高校→亜細亜大学→小森コーポレーション→南城市役所
BEST TIME
5000m 13.58.80
10000m 28.29.16
ハーフ 1.01.45 茨城県記録
マラソン 2.11.26 沖縄県記録

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写真提供(野原彰人 Instagram: ak_photo.07)

記録だけを見てもわかる通り、沖縄県だけでなく日本の実業団も牽引する実力を持った選手である。
そんな濱崎選手が実業団を離れ、沖縄に帰ったのが今から4年前、自分も同じチームで所属をしながら当時ニューイヤー駅伝でも主要区間を毎年任される中心選手でありキャプテンの退部にとても驚いたのを覚えています。

沖縄に帰ってからも高いモチベーション、沖縄県の長距離を背負って立つ者の風格を見せ続け、主戦場とするマラソンでは実業団を離れた後に自己ベストを更新し、MGC出場へチャレンジし続けた姿が印象的でした。

その男気あふれる性格からの人望も厚く、多くの人を巻き込みながら沖縄の陸上界を盛り上げていく姿には脱帽で、県民の誇りである人物なんだなと僕自身沖縄に行くたびに実感させられます。

なんじぃACとは

仲里彰悟氏(濱崎選手のコーチ兼マネージャー)が監督を務める陸上クラブチーム。
最大週2回の練習会を開催し、沖縄に住む小中高の選手たちの指導を中心に活動している。

今回はそんな「なんじぃAC」の練習にお邪魔してきました。
那覇市内から車で30分ほど、南城市に拠点を置くこのクラブチームは会員約60名にも及び、地域密着型陸上クラブではかなり大きい規模。

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練習との兼ね合いもあり、途中の短い時間だけでの参加。
スタッフの皆さんは自分の仕事終わりに競技場に集まり平日は夕方5時ごろから夜9時前まで子供達のコーチングをしているそう。

僕が競技場についた頃女子選手のポイント練習真っ最中。
都道府県対抗女子駅伝、沖縄県代表にも選出されるほどの実力をもった選手も在籍していて、とてもいい雰囲気の練習がスタートしていました。

普段はその後男子選手の練習だが、その合間に中学生の選手を対象にドリル指導をさせてもらった。
とても和気藹々とした雰囲気、それでも僕が口を開くとすぐに集中し、理解しようと真剣な眼差しを向け、各種目にチャレンジしてくれた。
とても向上心と負けん気が強い印象で、うまくできない動きの後には悔しそうに仲間と意見をシェアしていた。

コーチの皆さんも言っていたが、とにかく負けず嫌い。
自分が練習の足を引っ張ってると感じると、投げ出すでもなく、「1人で練習してここで自分が引っ張っていけるくらいレベルアップして帰ってきます!」
と言い出す選手がいたりするそう。当然スタッフも止めてチームを離れることはないが、そこから実際見違えるほど強くなり、その選手は僕がお邪魔した現時点で、練習を引っ張るまでに成長していた。

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今後の沖縄陸上界

こんなに向上心と仲間意識、責任感が揃った子供達がいるクラブチーム。
これからどんどん成長していきそうだが、スタッフ陣が少し懸念している沖縄県の現状がある。

沖縄県の部活動には陸上部がとても少なく、そもそも陸上競技をする環境が十分に整っていないそうで、沖縄全土でも在籍する子供達も1000名を切っているとの事。その影響もありどうしても成長につれ、球技を目指す子供達が多いらしい。小さい頃に陸上をやっていた子供達がバスケ、野球に行ってしまうことも少なくはないようでした。

しかしコーチ陣はそれでも前向きに
「たとえ10人に1人しか陸上を続けなくても、まずは全員が興味を持って陸上競技に触れてくれることが大切。何を目指すかは子供達が決めること」

このチームの思いが僕が在籍する阿見アスリートクラブともとてもマッチしていて、濱崎さんもコーチスタッフでありながら、沖縄県民憧れのマラソンランナーであり続け子供達が目指すゴールを身近に見せ続けています。

沖縄県の現状を救うべく、陸上クラブが競技を支えている。

このチームを同じ地域密着型陸上クラブとして応援していきたいし、
なんじぃACのようなクラブチームが長く子供達の夢を支えていける。そして共に支え合っていける仲間を目指し僕たちも頑張っていかなければなりません。



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