見出し画像

BL短編集「鬼退治のゲームオーバーは屈辱的で死よりも救いようがない」試し読み

ゲーム転生をテーマにしたアダルトなBL短編集です。R18。
全体的に暗くホラーチックでグロ描写もあり。




俺が今、血道を上げてプレイしているのは「鬼退治」というアクションゲーム。

鎌倉時代のころをモチーフにした世界で、世に溢れる魑魅魍魎を刀で斬り倒していき、最終目標は、題名通り、ボスの鬼を退治すること。

ゲーム展開はシンプルなれど、難易度は高い。

なにせ、技の数が多ければ、コマンド入力も多くて、覚えきれないから。
その分、ここぞというタイミングでコマンド入力を成功させ、とっておきの技が繰りだせると、会社のストレスが吹っとぶほどの爽快感が。

上級者むけであり、マニア好みのゲームなれど、難易度に比例して世間での知名度も高い。
ゲームオーバーになったときに流れる映像が注目されてのこと。

鬼退治では、体力ゲージがゼロになっても、操作する、もののふは死なない。
倒れはするものを、満身創痍で生きたまま異形の者に髪をつかまれ、引きずられていく。

画面端までいくとムービーに切りかえ。
真っ暗闇の中、両端に松明が灯る真ん中を、どこまでも引きずられていき、そのうち、画面中央に白いなにかが。

近づくにつれ見えてくるのは障子の戸。
和紙に写るのは頭に二つの角が生えた、その影。

異形の者が、血だらけのもののふを放ると、障子の戸が開いて、ぬっと巨大な赤い腕が出現。
頭をつまんで引きずりこむと、戸は閉めきられ、見届けてから異形の者はそそくさと退散。

異形の者が消えてから、障子に写る影が蠢き「ああああああ!」と絶叫が暗闇に響きわたり。

そうして障子が開かないまま、もののふの断末魔の叫びが響くまま、徐々に画面が暗くなり、少しの間を置いて、メニュー画面にもどるという。

痛快アクションゲームにして、ホラー的な結末だが、おそろしいのは、もののふが最後まで殺されなかったこと。

どうして人を虐殺してきた鬼にして障子を血で染めあげなかった?
障子のむこうで鬼はもののふになにをしているというのだ?

当然、疑問に思うところで、ゲーマーの間では憶測がとび交っている。

憎たらしいからこそ、死んだほうがましと思うほどの責苦にあっているとか、その一環で強姦されているとか。
なかでも多くの人が考えるのが「天子さまの居場所を吐くよう拷問をうけているのでは」説。

「天子さま」とは、この世界で代々神の子として崇められてきた存在。
世に魑魅魍魎がはびこってからは、若干十六才の天子さまが、鬼退治の総大将となり、もののふたちをまとめあげ、率いている。

どれだけ魑魅魍魎が世を狂わせようと、もののふや庶民が歯を食いしばってくじけず、結束を固めるのは、そんな勇猛な天子さまが心の支えになっているから。
逆にいえば、その存在が大きすぎるが故に、失ったら総崩れとなる危険が。

鬼にしたら、そりゃあ、天子さまは目障りであり、人間勢にとっての弱点、滅ぼすための鍵と見るわけだ。

もちろん、鬼がそう考えるだろうことは百も承知で、もののふたちは天子さまの居場所を秘密に。
情報が漏れないよう厳重管理し、影武者でない本物がどこに居るのかを知るのは、数少ない側近だけ。

その一人が、プレイヤーが操作するもののふ。
となれば、体力がゼロになっても殺されず、鬼の元につれていかれて、拷問されるのも腑に落ちる。

この説がいちばん有名だが、俺が支持をするのは「拷問でも、間者(スパイ)になるよう迫られている」説。



オンラインゲームにのめりこみ、最低限の単位をとるのに大学に行く以外はパソコン画面に釘づけ。
廃人になりかけで、プレイに注力するのは戦場を舞台にしたもの。

因縁のある二か国のいざこざが激化し、軍を投入しての戦闘に発展。
それぞれの国にプレイヤーが十二人ずつ分かれて、オンライン上で雌雄を決するわけだ。

勝つには敵兵を全滅させるか、相手の総司令を殺すか。

やり方はプレイヤーに任され、お互いの陣地で兵士や兵器を並べて真っ向勝負もよし、敵の拠点に忍びこんで総司令を暗殺するもよし。
自分の陣地に全軍を配備し、一気に叩くとか、守備の人手を割いて隠密作戦に賭けるとか、戦略はいろいろ。

アクションゲームとして十分にやり甲斐があるし、自由度が高く、知能を生かしての様様な戦略も活かせるとあり、そりゃあ、時間や寝食を忘れオンラインの沼にはまるというもの。
ただ、戦闘開始の時間は決まっているし、二時間までという制限が。

では、どうして、俺がパソコンから放れないのかというと、敵との戦闘をする以外の時間に、レベルアップしスキルの獲得をしているから。

戦闘する時間は短く限られているが、銃撃や格闘の訓練、模擬戦闘はやりたい放題。
しかも、鍛えれば鍛えるほどレベルがあがり、スキルもゲット。

俺が参加するグループは敵味方全員が上級者ばかりで、ゲーマーとしての実力は五分五分。
とあって、この戦場は、火ぶたが切られてから半年、まだ決着がついていない。

早いと開始一時間で勝敗がつくのに比べて、敵味方の力が拮抗しているおかげで、お互い一進一退の繰りかえしで、決定打を与えられないのだ。

反射神経、戦闘のセンス、コントローラーの操作技術、戦略の組み立て、兵の采配と指揮、心理戦頭脳戦など。
二組のプレイヤーが同等にそれらの能力を持ちあわせ、ミスなく役割をこなせるなら、あとはスキルで差をつけるしかない。

荒っぽい小学生とは大ちがいで、二人の手つきは熟練のマッサージ師のよう。
体のツボはお見通しとばかり、的確に場所をとらえ、絶妙な加減でこしょこしょ。

さすがに大人になったし、この状況で笑えなかったが、鼓動が乱れまくり、全身に汗が滴ってやまず、噛む唇の隙間らか涎がだらだら。

長年、人に触らせなかったのが裏目にでたのか。
なんなら小学生のころより忍耐がなくなり、下半身にせりあがってくる感覚が。

ただ、尿意はなさそうで、腰が熱く疼き、ズボンが膨らんでいく。
さっきまで恋する乙女のようだった敵兵たちが飢えた獣のごとく、ぎらつかせた目を俺に釘づけにしているから。

ただでさえ、くすぐられるのを囲んで見られるのが屈辱的というのに。
舐めるような視線に「はあう、ふあ・・・」と熱く吐息し、みるみるズボンの染みを広げては、目も当てられない。

羞恥と熱が湧くばかりで「くう、うう、み、見る、なあ、く、くそお、くはああ・・・!」とついには射精を。

体液の種類がちがっても、また人前でお漏らしを。
どんな拷問にも抗うつもりだったが、トラウマが甦って情緒不安定に。

「ふぐうう、く、くそお・・・」と泣いてしまったが、感傷に浸る暇をくれず、くすぐり継続。



流行りの人狼ゲームは、今やパソコンやゲーム機でネットを通じても、盛んに行われている。

さまざまな世界観、独自のルール、個性的なアバターで構成されるゲームのなかで、一際、異色なのが18禁の美少女もの。
プレイヤーは全員美少女で、一人だけ世にもおぞましく凶悪な狼ならぬ、変態がまぎれこんでいる。

美少女たちが人狼ゲームに強制参加させられるまでのストーリーは以下の通り。

女子高の生徒たちが登山をしていたとき、十人の少女が遭難。
なんとか合流をしようと森をさ迷うも、大雨と強風が襲いかかってきて。

ちょうど古い屋敷の廃屋を見つけ、ドアが開いていたので避難。
日が沈んで闇に包まれた森をむやみに歩くのは危険と判断し、屋敷で一晩過ごすことに。

古い燭台に火をつけて、広間で美少女たちが身を寄せあって寝ていると悲鳴が。

二人が屋敷内のトイレを探していたところ、首つり死体を見たという。
頭が狼で裸の男が首を吊って揺れ、おもむろに腕をあげて指を差したと。

「はじめから不気味だったのよ!」「変質者か犯罪者が隠れているんじゃない!」と少女たちはパニックに。
まだ外は雨が降っていたものを、すぐに荷物をまとめ外にでようと。

が、玄関の扉は開かず、ほかの扉もびくともせず。
すべての窓には格子がはめられ、密室と化した屋敷から脱出不可能に。

「どういうこと!?」「なにが一体どうなっているの!」と泣き叫ぶ彼女たちのまえに「かわいそうに」と男が出現。
ただし青い光をまとって半透明だし、足がないあたり亡霊のよう。

「わたしは、この屋敷の管理人だったものです」と自己紹介した彼は、現状の異常さについて説明を。

大昔、屋敷に住んでいた主人は、たまに少女を買って、野蛮な遊びをしていたとか。
密閉した屋敷内に少女を解き放ち、全裸で狼の頭をかぶった主人が追いかけるというもの。

少女は捕まったら、主人に犯されて殺される。
屋敷のどこかに玄関の扉が開く鍵を隠し、一応、少女にチャンスを与えたものを、だれ一人、脱出できた子はいない。

管理人は、主人が不在のときに屋敷の留守番をするから、その悪行を知らず。
ただ、遊びの痕跡を見つけ、疑った彼は、主人が屋敷にきたとき盗み見をして、惨たらしい真相を把握。

隙を見て、牢屋に閉じこめられていた少女の手を引いて屋敷から逃げだし、町の屯所(警察署)に助けを求めた。
事情を聞いた羅卒(警察官)は、多くの同僚をつれて森の奥にある屋敷へ。

数にものをいわせて、凶暴だろう犯人をひっとらえようとしたが、屋敷の主人は首を吊って自殺。

主人の死によって事件は片づいたとはいえ、屋敷はそのまま放置。
「不吉だ」「けがわらしい」と親戚が手をつけたがらず、買い手もつからなかったからで。

事情を知る者も近よらなかったし、なにも知らないよそ者は、山奥にひっそり佇む屋敷の存在に気づきもしなかったが、事件後、山で遭難者が続出。
近くに有名な登山コースがあるにしろ、少女ばかりが行方不明になるのは異常。

「なにかしら亡くなった旦那さまと関連があるのでは」と気になった元管理人は再び屋敷のもとへ。
そのとき主人の悪霊にとり殺され、それからずっと屋敷に囚われたまま。



雪に閉ざされたある小さな村。
冬の間、村人のほとんどが巣ごもりをし、村の外からの訪問客は途絶え、人の往来はなし。

が、その日は十人ほどの男が助けを求めて村へ。
幻の動物といわれるユキヒョウを追ってのドキュメンタリーを撮る撮影隊らしい。

撮影中に天候が激変をし、登山道からはぐれて迷子。
遭難しかけていたところ村の明かりを見つけたとのこと。

村人たちは彼らをねぎらい、手厚くもてなし、空き家を宿屋として提供。
村長が泊まって彼らの世話をしたのだが、真夜中に血相を変えて、村人たちを集会所に召集。

開口一番に発したことには「彼らは今、世界を転々とする殺人鬼集団『デヴィルシュ・ホミサイド』らしい」と。

こうした人里離れて住む人をターゲットに、命がけのゲームをしかけてくる。
ゲームといっても、ほぼ一方的に住人が虐殺され、村や町がつぎつぎと滅んでいっているとか。

ゲームの内容は、敷地内をうろつく殺人鬼に見つからず捕まらないよう、逃げたり隠れたりして、村の囲いから脱出するというもの。

相手が殺人鬼とあり、捕まれば即殺されるし、むやみに村の外に跳びだせば地雷にふっとばされる。

殺人鬼たちは村のぐるりに地雷を隈なく設置。
ただし、埋めていない空白があり、そこが唯一の脱出口。

その場所を探し当てるのは必須として、さらに極寒の地にて深い雪をかき分け、遠い町までいくのに食料や装備が必要。

「地雷原の空白を見つけること」「倉庫にある食料と装備をとりにいくこと」。
外を歩きまわる殺人鬼の目を盗み、この二つをやり遂げるべく、長い夜に命を賭けた村人たちの脱走劇がはじまる・・・。

殺人鬼に囲まれた異常な状況で反応するか不安だったが、なんのその。

目をつぶったほうが、殺人鬼の視線が意識されて屈辱感が増し増し。
また若い農夫が「ごめん、ごめんよお、ああ、そんな囮キング・・・」と泣きながら見ているようなのに、羞恥で肌が焼けるよう。

すっかり火照って敏感になった体に縄が食いこみ擦れて跳ねて軋む。

ぺちぺちと縄が当たるのに胸の突起は張りつめて、ぎしぎしと摩擦するのに弱い脇が震えてやまず。
性感帯でない個所が擦れても「あう、く、はあう・・!」と熱く吐息してしまい。

もちろん下半身にも縄が張り巡らされ、膨張するにつれ先っぽがきつく食いこんでいく。
擦れる縄のわずかな隙間から先走りがだらだら。

いつまでも屈辱的なショーを見せたくはない。
「早く、早くう」と腰を揺らし、自ら先っぽに擦りつければ、いやでも耳につくぬちゅぬちゅと水音。

「弱気若者を救うため自己犠牲を払う正義のヒーローを気取っておいて、単なる視姦が大好物な淫乱じゃねえの?
ふつう殺人鬼に睨まれてちゃあ萎えるだろうに、滑稽なほど腰をかくかくして恥ずかしげもなく大量にお漏らししてさあ」

「ああ、もしかして俺らに舐めて吸って飲んでほしいの?」とせせら笑われて「くう・・・」と唇を噛みながらもぞくぞく。

短編集の電子書籍を販売中。
四作のばら売りもあります↓

エブリスタで「ホラーゲームは割とエロいが、当事者になると話はべつだ!」とセットの短編集を販売中(スマホ・タブレット向け)↓

バブーで(タブレット・スマホ向け)↓

DLsiteで↓

BOOTHで↓


Amazonのkindleで↓

BOOK☆WALKERで↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?