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残りの人生をかけて愛読書にしていく三冊

唐突ですが、私は読書があまり得意ではありません。
文章を書いていることを公言することはしばしばあるのですが、そこを公言すると、
『じゃあ本をたくさん読まれるんですか?』
みたいな質問をされる空気になります。そこに、そうではないんですよと返すわけですが、話が続かないなあと思って読書の話題は終わります。
私が文章を書き始めたのが10歳の頃で、周りに書いたものを見せるようになったのが13歳以降だったのですが、その頃周りで書き物をしていた子は多読の印象でした。あんまり親しい子ではなかったけれど。
どうして読書量が誇るほどないのだろうかと考えたことがあるのですが、思えば私は読み手としてしっかりした読書の方法を自分の中に確立するよりも前に、書き手の方になってしまっていたように思います。
本を読んでいても、読書として触れる本に関しては、いい表現や参考にしてしまう書き方、それからこういった書き方はいいなと思うことにばかり集中して読んでしまって、読書という娯楽として楽しめなくなったのです。
一時期、本を読みながらノートにメモを取っていたので、なかなか読み進めることができずに苛々していた記憶があります。と言いつつ、そういった読書メモをしっかりと取りながら読みたい願望もいまだに強いです。

そういった背景から、愛読書を作ろう! と思い至り、そんなふうに思った経緯などを記事に纏めてみました。
愛読書企画、ということで、
『残りの人生をかけて愛読書にしていく三冊』として、三冊選書したので紹介いたします。

まず、愛読書ってなんだろう? と、改まって考えてみました。
私にとっては、影響を受けた本、というところが定義として大きいです。ただ、感銘だけではない影響を受けた本。といった理由がいいでしょうか。世界の下地になっていくものであり、これからの私を影響していくものとして選びました。未来の私にとって、この三冊が愛読書だと説明をするような三冊なので、今後の私の世界を影響していく本であり、これからの私を決めようとしている自分にとって必要な要素を持っている本、だという感じかなと思っています。

愛読書企画の企画理由について少しだけ触れておきます。
まず、買ったのに読んでいない本がある。これです。今回選書した本は企画にあたって購入した本ではありません。元々持っていた本です。ただ、俗にいう積読とは違う位置付けで所有したまま、あまり読むことはしていなかった本です。すごく興味があって買ったはずの本なのに、買っただけで満足してしまっている本だったので、何故買っただけで満足してしまっているのかも考えてみたいところです。
次に動機として、読書習慣をつけたい、ということを理由として挙げておきます。これは冒頭の内容にも触れるのですが、読むことの技量が伴うよりも前に書くことにばかり没入してしまうようになったので、習慣として読書を身につけたいと思ったことが理由です。あと、これは余談なのですが、持病がありまして、それを患った頃から読書が苦手になっていったので、快方に向かっている現在、できなくなっていたことに取り組もうと思った次第です。

選んだ本を紹介します。表紙は画像の通りです。
1、夜鳥。
著 モーリス•ルヴェル。
2、ジゴマ。
著 レオン•サジィ。
3、眠狂四郎無頼控。
著 柴田錬三郎。

買った理由から書いていきます。実際のところ、購入した明確な理由がないものばかりでした。

夜鳥について。
買った理由は忘れました。何か別の本の巻末に、同じ出版社が出している本が書いてあるところを見て買った記憶があります。
短編集なのですが、短編の難しさについて考えていた頃に買いました。でも買った理由が題名だったのは覚えています。表紙買いじゃないですが、題名だけで買ってもらえたら嬉しいことなのかなとふとこの文章の草稿を書いていた時に思いました。
作家としての考え方ではないですが、私個人は、題名に惚れて本を買ってもらえたら嬉しいよねと。

ジゴマについて。
読んでみたくて中古で買いました。SNSで、怪書、文学を紹介していたアカウントがありまして、そこで紹介されていて興味を持ちました。フランスの怪奇小説。フランス文学が好きです。

眠狂四郎無頼控について。
購入時に舞台化があったことが理由でしょうか。演じていた役者さんが当時は好きだったので、舞台を見るのに合わせて買いました。無頼控シリーズは全巻持っています。

選書した理由は、買っているのに何故か読めていない理由と思っていただけると嬉しいです。

夜鳥。
表紙が好み、カバーに巻かれている帯の文句が好み。絶対に好きな世界観。にもかかわらず読めていない。読んではいたのですが、何故か先に読み進める前に、他の本を手に取ってしまう。
理由を考えてみたら、小説の血肉にしたいと学びたい構成だったので、勉強したい意識ばかりが先行してしまって読むことに疲れてしまっていたように感じました。

ジゴマ。
フランスの怪奇文学の世界観は、私にとって影響が大きいと思いつつ、私に取って影響が大きかったものがアルセーヌ•ルパンシリーズだったので、読むのが難しい。この本を選んだ理由は、一番読むのに挫折しているからです。好きな世界観を感じつつ、読み込むことができたら嬉しいだろうなあと思う一冊です。ただ、主な登場人物が多すぎて、登場する人の名前と関係性を暗記するところから始めないとなあという内容です。

眠狂四郎無頼控。
剣戟の場面を書く時に、とても参考にさせていただいた本です。拙著•薔薇喪失シリーズに登場する麗人こと薔薇柩の剣の描写表現において、彼の戦い方の書き方に影響を受けたと思っています。何度も読んではいるのですが(写真を見てもらえると分かりやすいくらい一冊だけぼろぼろなのです)何故か一巻だけを繰り返し読んでしまって、二巻以降を一切読んでいないので、愛読書企画に組み込みました。続きが気にならない理由が気になりました。

この三冊を、残りの私の人生の中で愛読書を尋ねられたときに紹介できるような読み手に慣れているくらい、読書ができるようになれるようにという気持ちを込めて、励もうと思います。
いずれ私が影響を受けた三冊として、他の誰かにこの三冊が認識されるようにという気持ちです。
読書を身につけつつ、内容から作家としての学びも得ていくことで、今後この企画の続報もできたらと思っています。
皆さんにも愛読書が三冊ありましたら、この話を思い出してもらえると幸甚です。

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