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傘を指先に乗せてパリを歩く、パフォーマンスの裏側・理論構築

つ、つ、ついに。
留学先の大学の前期が終了しました!

最後に、大学で交換留学生によるグループ展を実施。

自分はパフォーマンス映像作品を展示しました。1分版のダイジェストは以下から視聴可能です。

以下、書いた日本語のステイトメントです。

“On foot everything stays connected.” Rebecca Solnit — Wanderlust: A History of Walking.

レベッカ・ソルニットは著書『Wanderlust: A History of Walking』の中で、「歩くことは心と身体と世界が一直線に並んだ状態であり、まるで3人の登場人物が最終的に一緒に会話しているかのようである」と書いた。しかし、パリ -Walking Artの歴史がはじまった場所- でどれだけ歩いても、それらは繋がりを見せるどころか離れていくような感覚がある。

移民として異国の地で、一寸先は闇のアーティストとしてやっていくことの葛藤。そうした心象風景の揺れと世界の揺れをリンクするために、自宅からシャトレ広場までの直線2kmを、指先に傘を乗せバランスをとりながら歩くパフォーマンスを行った。シャトレ広場より先は、パレスチナ連帯を示すためのデモと、それを介入・制止する機動隊員が封鎖していたため進むことができなかった。

当初はこの展覧会にあまりモチベがなく(おい)先月東京で展示した《ホットサンドメーカーズクラブ》を出そうと思っていたのですが、CAF賞で見つけた課題を全然まだ消化できていなかったのと、展覧会タイトルを聞いて、突如意思を変更。10月に撮影していたパフォーマンスをダッシュで編集しました。

これが自分でも言うのもなんですが、大ウケでした。

なぜ傘なのか、なぜ歩行なのか、なぜパリでこれを行ったのか。諸々の整合性と映像の抽象性が、自分的に程度上手く噛み合ったのではないかと思ってます。というのも、アイデアは昨年の6月くらいからあったのですが、実際にパフォーマンスを行って、編集して発表するまでに7ヶ月要してます。つまりゆっくり論理を組み立てていきました。

展覧会タイトル も「139days」(=昨年の9月からパリに来た交換留学生の留学期間を表してます)と聞いて、この139日の間の鬱憤や葛藤を出してやろうといわうけで、発表したタイミングも良かったと思います。本当、その辺りは偶然なんですが。

作品の下敷きや参照元は色々あります。

パリで「歩くこと」をテーマに至る背景

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